夏、秋、そのあいだ
あなたのことを知りたくて
遠回りをした帰り道
空にはもくもく入道雲
いまにも雷鳴がとどろき
激しい雨が降りそうで
蒸し蒸しした夏に
シャツが濡れる
あなたの後ろ姿
大きくも小さくもならない距離で
友だちとはしゃぎながら
歩き続けた
夏休みになれば
しばらく会えなくなるね
別の人と交わした花火の約束が
むなしくて
でももしかしたら
なんて思って
浴衣を着るんだろうな
暑い夏
クーラーが冷たくて
窓をあけて熱風を感じる
頭が働かなくなって
頬まで滴る汗
網戸にとまるギンヤンマ
睨めっこして
飛んでいく
ふられちゃった
遠く遠く
飛んでいく
わたしの気持ちものせて
飛んで行ってくれないかな
夏が終わる
ほんの少し高くなった空
ほんの少しだけ冷たくなった朝
ちょっとだけ
目線が高くなって
ちょっとだけ
大人になったような気がして
足取り軽く
学校へ行く
そうだ
まずは君に挨拶でもしよう