絵本GIFT
本日発売、文:羽生結弦 絵:CLAMPの「GIFT」
まだ届いていない人もいらっしゃるので、ネタバレを避けるだけちょっと行を空けますね。
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文は東京ドームで2023年2月26日にあったアイスストーリーの中で語られた物語で、ドームでは羽生さんの声色で演じ分けられていたキャラクターがCLAMP先生の絵と、書体を変えた形で分けられており、夢であり暖かい世界の象徴でもあるちいさいさんと現実でありネガティヴさの象徴であるおおきいさんが最後には融合していく様子が美しく描かれていました。
ちいさいさんは🥚から生まれ、最初は火の鳥の幼生のようなのですが、この時すでに形の定まらない影はいます。目だけがあるアメーバみたいな存在だったこの影が、夢を持ち夢を叶えるために努力したことで出来ることはどんどん増えていく一方、だんだん1人になっていったり、大きな悲しい出来事が起こったりすることでだんだん大きく形作られていくのがCLAMP先生の絵でわかります。影は生命あるもの全てに存在するもの。どんなに暗い部分が嫌だと思っても切り離すことはできません。ちいさいさんは、成長していく頑ななおおきいさんに一生懸命語りかけ、黒かった影に白い部分を少しずつ増やしていったのかな。黒い体に少しずつ白い羽が増えて、ちいさいさんの言葉を聞かなく(聞こえなく)なっていくと、ちいさいさんは輪郭だけになってしまう。これは北京の羽生さんが9歳の自分と対話しながら過ごした日々のようにも見えます。コロナ禍もあり、コーチもいない中常に9歳の自分がライバルであり、コーチでもあり、友でもあったのかもしれません。白い衣装、白い羽がある美しい青年のおおきいさんに比べ、ちいさいさんは輪郭だけに…。常に自信に溢れ、純粋な夢であった理想の存在のちいさいさん。
真紅の服と長い真紅の布を巻きつけ、白く美しく立派な翼を持つ男性が微笑むページはおおきいさん?それとも、🥚から生まれた時は火の鳥の幼生のようだったちいさいさんが成長した姿?ここから夢であるちいさいさん=9歳の自分が去り行く言葉を残していなくなりますが、これはいなくなることではなく、おおきいさんである人物の中に生き続けるということなのでは?ちいさいさんのいた場所から氷のかけらと羽がおおきいさんの手のひらにそっと舞い降りてくるシーンは切なくて美しい…!
おおきいさんの中に帰ってくるちいさいさんを受け入れると傷のないう真っ白な羽を見せる後ろ姿に。光り輝く星空に向かって羽を広げ飛び立っていくのですね。
Disney+の映像もですが、こちらも悲しい時、悩める時、寂しい時にふと読み返したくなるものですね。誰でも時には孤独を感じ、自分の殻に閉じこもってしまうことはあるでしょう。そんな時ふと開いて自分と対話してみるきっかけになる📕だと思います。
GIFTとは世界観が違うRE_PRAYが大成功し、メタバースで新たな界隈の人々にも賞賛され、来年3月にはまた鎮魂ののnotte stellataが予定されている羽生さん。スケートの演技だけでも素晴らしいものを残して下さっていますが、絵と文で孤独へのお薬を頂いたような気がします。
これから、佐賀、横浜でのRE_PRAY公演や年明け早々の地上波放送などでさらにファンは増えるでしょう。その中の人にもこの絵本が何らかの助けになる人がいるかもしれません。
その羽を以てどんどん広く高い青空へ!そして私達にまた素晴らしい演技笑見せて下さいね。
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