みえない世界
空港の無いド田舎で育った私も大人になり
いろいろあったけど自分で決めた通り東京に出てきた。
今回は、ここで出会った人たちがくれた言葉をご紹介。
また長くなりました。
「見栄っ張り」
映像に関わりたくて、辛くてもいいから勢いで一回やってみようと思い、TVCMの制作会社に就職した。
わからないことだらけ。何がわかって何がわからないのかわからない。
ある時、大きなMTの後、上司と資料をまとめていた。何を聞かれても「多分・・」で返すわたし。すみません、よくわかりません。
非常にまずいし迷惑をかけている。思考力ゼロに陥った自分も悪かったが、手を止めた上司が言った。
「あ~~、、おまえってさ、見栄っ張りなんだね。」
「だって打合せの時は、わかってる感じで相槌したり、メモとかとってたじゃん。」
見られてた。
自分としては、順調な打合せに水を差してはいけないと思っていた。「わからない」ってことを態度で示してはいけないと思いこみ、善かれとおもって、毅然としてるつもり。
あれって見栄だったのか。。
そんな風に見えていた事が非常にショックだった。
ということは自覚してるんだな。と感じてる自分がいた。そして、絶対違う!と言いたい自分と、グチャグチャの殴り合いになってしまったので、この分析は持ち帰らせていただいた。
そうしないと自己否定で精神が分裂しそうだった。
ただ、冷静に振り返ったら、自分が「なるようになる」と思いすぎているあまり何も質問ができないんだ、ということに辿りついた。
何がわからないのかわからないのではなく、最終的に答えを教えてもらうことしか考えてなかった。
周りに気を遣うという名目で急場を凌いでいては、居る意味が全然無かった。言い方ムカついたけど、完全に私が悪い。
そこから、興味ないこともなるべく調べてみるようにした。やりたくないな、と思っても片足突っ込めば意外と簡単にクリアできることもあると知ったし、くだらない事を一生懸命やると、すごく面白いんだ!と思えるようになった。
勉強得意な人って、こうやってたのかなぁ。
と、やっと気付いた出来事。
「生きがい」
友人と、一泊二日のライブ遠征をした時のこと。大学が一緒だったが、よく会うようになったのは東京に出てからだ。私は山形出身で、友人は福島出身。お互い、実家帰った時あるあるの話で大変盛り上がった。
「いい人いないのか?とか、すぐ言われるよね~やだよね~~」みたいな。他愛も無いこと。
その中で話したこと。
私は、父が親戚の家で酔っ払った時、いろいろ自慢しまくるのがものすごく嫌だった。
精密機器に疎い親戚のおじちゃんや、孫世代にiPhone自慢。くそダサい。
他社の食品がどうで、それに比べて自社のはこんなに良い!とか。すごいって言われるの待ち。もう何回目だ、聞き飽きたんですけど。わかったわかった。
ってなるんだよね~。。
すると友人。
「たしかに、、おらが村みたいな、自分の仕事が一番みたいなのが根強いよね。。」
「でも、自分の仕事のこと自慢できるってなんかすごいね。わたし、今の仕事とか作ってるものとか、誰かに胸張って主張出来ないかもしれない。職種が違うのもあるかもだけど、それって、仕事に生きがい感じてるってことだよね。」
たしかに、、、
本当にそうだ。私も、仕事に生きがい感じたこと2秒くらいしかない。転職も2回している。
父はといえば、新卒で就職した地元企業にずっと勤めて、もうすぐ定年だ。
よく考えたら、自分の父がどんな苦労をしてきたのか、何を頑張ってるのか、どれくらい社員に頼られてるのか、仕事を愛してるのか、考えたことなかった。
時代は違えど、結婚して家を建てて、仕事をしながら家庭を営み、子供を巣立たせた人だ。
これだけ人生の時間を費やし続けたのだから、
そりゃ自慢もするか。。
父の好きじゃ無かった部分は、本当はかっこいい部分で、可愛いらしい部分なんだ、と思えた。
ちょっとダサいのはいったん置いといて。笑
世界がパッと変わる瞬間はとてもおもしろい。
自分一人の目線では見られないものが沢山ある。
ありがとうっていつか言おうと思っている。