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土を良くする森川式放牧

前回、なぜ牛で土地が再生できるのか、という記事を書いた。

しかし、ただ牛を放牧すれば
土地が再生できるわけではない。

今回は、「土をよくする放牧」森川式放牧について書こうと思う。

土をよくするために、一番気をつけなければならないポイントがある。

それは、微生物を殺さないということだ。

現代的な工業的大規模農業・畜産は、農薬や化学肥料によりどうしても土中環境を悪化させてしまう。

土中環境悪化の要因はそれだけではないが、
少なくとも持続可能な社会にするためには、
環境再生型農業・畜産に変えていく必要がある。

気候変動や自然災害などの地球環境問題において、
ひいては我々が健康に生きていくためには、
足元の土が健全であること

つまり、土中環境の改善が、本質的に重要である。

人口流出などにより、地方では耕作放棄地が増えている。

こうした手付かずの土地では、
光や空気、水の流れがとどこおることで、
土中環境が悪化し、
土が腐って水を通さない固い層(グライ層)ができてしまう。

これが地下の水循環を止めてしまうことで、
海に適切な栄養塩が流れなくなってしまう。
(海底湧水の減少)

海の再生には里山の再生が必要だ。

グライ層の増加には、ヤブ化した土地、
つまり耕作放棄地の増加が大きな原因となっている。

そこで、耕作放棄地を開拓・再生する必要があるのだが、一つ大きな問題がある。

日本の中山間地域における耕作放棄地の多くが、山間の棚田など起伏の激しい土地であり、
重機が入れない土地なのだ。
(そういう土地ほど人が手入れできなくなって、放置されていく)

こうした土地はもはや、人の手だけで整備することが難しい。
というか、それができていたら耕作放棄地になっていないのだ。

一方、牛は起伏の激しい土地も得意であり、
耕作放棄地では牛が暮らすだけで土地を再生することができる。


そこで、森川式放牧では、
「土をよくすること」
を飼育方法の中心とし、微生物を殺してしまうような薬剤は一切使わない。

これによって、牛や放牧環境の微生物や生態系を守るのだ。

さらに、牛の糞が土を肥やすことを考えて、
牛の健康はもちろんだが、
「土をよくする」ために、胃腸の環境が良くなるよう、おからや酒粕を発酵させた独自の飼料を与える。

かなり手間暇がかかるが、牛は健康そのもの、
発酵した糞は嫌な臭いがせず、
放牧場では土中環境の改善を促進させる。

土のことを考えて、放牧をする

中心に「祈土」(イノチ)

その結果として、
お肉の美味しさがある。

「ヒト・ウシ、協働環境再生型農業」

これを実践しているのが、
森川放牧畜産なのだ!

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