ハーフエルフは愛が欲しい(第一話)
あらすじ
主人公アイは15歳の少女である。
両親と共に領主である祖父の家に働かせてもらう為、旅をしていたが、危険な魔物に遭遇に両親と散り散りに。
何とか領地に着いたが門番に追い返されそうになりピンチ。
一方で祖父は後継者問題に悩まされていた。
アイが後継者と認められ大精霊に精霊剣を授けられる。そして皆んなから愛されるハッピーエンド。
とある晴れた日、アイは門番と激しい口論をしていた。
『なんで入ったらダメなのよ!』
門番
『嬢ちゃん両親と一緒にまた来な、こんな平和な時期に魔物なんてでねぇよ。帰った帰った。』
アイは困ってしまった。手持ちのお金が残りわずか、働く所も近くにない。
そんな時、少しチャラそうな男が言った。
『まぁ門番さんよぅ、この嬢ちゃん訳ありみたいだし、入れてやれよ。オレが保証人になるさ。』
アイ
『ほんとですか!?』
門番
『ちっ、相変わらず女に甘ぇな、ほら、行きな!』
アイ
『ありがとうございます!』
チャラそうな男
『嬢ちゃん良かったな。そいじゃ。』
アイ
『あっ、名前教えてください!って早っ、もう行っちゃった、、』
アイは歩きながら泊まる所と仕事を探しながらぶらついていると、ふと掲示板の紙に目が止まる。
そこには騎士団員募集!上位3名には賞金あり。
と書かれていた。
騎士と言っても種類はいろいろある、事務の仕事に剣で戦う力仕事、受付。
大まかに分けてそんな感じだ。
お父さんに教えてもらったのは自衛の剣術だし、とてもじゃないけどそんなレベルはザラにあるだろうな。
事務仕事か受付に絞ろう。
うーむ、計算とか外国の言葉をお母さんに習ってあるからそれを活かせるのは事務かな?
受付は顔採用もあるらしいね。
でも一度に受けられるのは一つだけ。
よし!自信あるのは事務だね!決定!
申し込みに行こう!
騎士といえば剣という人が多いのか魔物退治の部署の申し込みが多く、
事務は男性女性半々ぐらいで少し並び。
顔に自信があるのだろう受付の部署は派手な女性が列をなしていた。
アイは受付選ばなくて良かった〜っと心から思った。あの女性たちに敵いそうにない。
私はまだ子供で美人とも言いがたいだろう。
よし、心を切り替えて事務の申し込みに並ぼう。
アイ
『すみません、事務職に申し込みをしたいのですが、、』
事務受付女性
『はい、文字は書けますか?名前をご記入ください。』
アイ
『はい、書き終わりました』
事務受付女性
『はい、確かに。でも驚いたわ、その年で文字の読み書きできるのね、お金持ちなの?』
アイは一瞬何のことか分からなかったが、この年で文字が読み書きできるのは貴族やお金持ちの商人などである。
アイ
『いえ、多分普通です?』
事務受付女性
『そこで疑問?自分の事なのだからしっかり理解しなさいね。』
アイ
『分かりました。気をつけます。』
事務受付女性
『まぁ良いわ、私はクリスティナもしかしたらあなた受かるかもだからよろしくね。』
アイ
『まだ試験受けて無いのにそんな事言って良いのですか?』
クリスティナ
『事務職は人気もないし、文字が書けないと仕事できないでしょう、商人はお金の間違いが命取りだから計算に力を入れるし、将来は商人。貴族のボンボンはかっこいいって理由で魔物退治課に申し込みに行っちゃうのよね〜だから文字の読み書き出来る貴方は貴重なのよ。』
アイは今まで小さな村でいたから文字の需要が仕事になる事は実感がなかったが、新ためて聞いてみると人手不足そうだしもし受かれば大変そうだと気合いを入れた。
そして試験が始まった。
簡単な計算問題と、物語の要約、よく遭遇しやすい魔物の名前が問題として出た。
アイはもっと複雑な問題が出るかと思って緊張していたが全問解き終わるとほっとした。
そして他の受験者を見てみると余裕そうな雰囲気と全く手が止まっている者とはっきり別れていた。
そして時間が来て回収された。
部屋から出ると試験官の人が言った。
『30分後に合格者は名前を貼り出すので今日中に見ておいて下さい。後で合格者は受付に集合時間を聞くように。』
アイはお昼を食べに屋台に行く事にした。
屋台には香ばしい匂いのした食べ物が沢山あり悩んだが、手持ちも少ないのでパンで肉を挟んだものを買った。
肉が柔らかく食べやすいので美味しく食べた。
そして30分経ち
掲示板を見ると合格者の名前の欄にアイの名前があった。
『良かった、、ふぅ。』
こうしてアイの生活はとりあえず始まったのであった。
続く