とれたての、、

麻耶雄嵩の鴉読み終わった。
ほんと麻耶雄嵩さ〜〜〜、という気持ちにさせてくれる名作。彼の作品は常に読了した時の感触が気持ち悪くてこれなんだよな〜〜ってなるけど、鴉も期待を裏切らなかった。これを勧めてくる人は悪趣味か人が悪い。でもまぁ実際、人に読ませて感想(阿鼻叫喚)を聞きたくなる本ではある。
以下若干ネタバレありの新鮮な悲鳴です。

とはいえやっぱりミステリとしては魅力的な謎、いかにもな閉鎖的な空間と気味の悪さ、よそ者と中の人の両方の視点から進む推理パート、と謎が解けはじめるポイントまでの展開も面白いし、中の人の謎解き①とよそ者の謎解き②が対比で出てくるのも面白いし、メルカトルが語る真実③が出てくるのもコロコロと見える世界が変わってくるのがミステリの面白さを堪能できる。しかしだなあ、メルカトルの語る殺人の真実だけで終わってたらいいのに、そうじゃなくて最後に兄弟構造をこう重ねてくるとかいう作品の捩れを起こして終わってくるところが本当に本当に悪趣味。ただまぁ最初から信頼できない語り手ものだなってことは自明の進み方をしてたし、メルカトルっていう舞台装置としての探偵とか、色々なミステリ的な要素を解釈して自分の味付けをしてちゃんとお出しされているのはわかる。わかるしそれが上手く言ってるというか、下手に物語の完成度自体は高いからこそ余計に最後の放り出され感がムカつく。それと同時にいやでも面白くて好きだっていう気持ちもあって、なんかこれ、ダメな人にハマる時みたいだな。
あー、もうどういう感想をもったらいいのかわかんないし面白いのはわかるし本当にもう!!って気持ち。このイヤさがでもなんか癖になるんだよな……またしばらく期間を空けてからまた一作読んでしまうと思います。間違っても続けて読むものではない、私にとっては。

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