世界を愛してるから、嫌い
悲しい言葉の雨が降った。コップに注いだ水を床に投げつけたかった。血が滲むまでガラスの破片を握りしめたかった。玄関のドアを乱暴に開けて、裸足でどこまでも遠くへ行けたらよかった。町の名前も知らないまま切符を買えたらよかった。昼間の川辺で白鳥を見た。土の匂いがする中で遠い国に関する本を読んだ。味気のないコーヒーに死ぬほど砂糖を入れた。大声で歌いながら道を歩いた。疲れ果てるまでシャッターを切った。爪先のネイルが剥げていた。どこまでも正しく生きられないから、私は私でいられた。魂の叫びが強い光を放って水面に滲んでいくとき、やっと冷たさを感じることができた。
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