ウリヤーナ・ロパートキナ - 瀕死の白鳥
『瀕死の白鳥』
ウリヤーナ・ロパートキナ
マリインスキーコンサートホール
終始一定のテンポで放たれ続けるハープの音色。
苦しみやもがきといった激しさと、やけに落ち着いた音色が生み出す空間は、どことなく奇妙で、観ている者に伝わりにくい何かを伝えようとしているようにも感じられる。
ハープの音色は美しくもあるけど、白鳥に降り注いだ変えられない運命そのものを表す、残酷の象徴なのかもしれない、と思う。
腕と脚のに一切逆らわず、受け身に曲線を描く手先と足先が尊い。
その尊さが、死を