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〈NIKIのホリスティック研究室〉 ヘビ苺 l 学名 Potentilla hebiichigo

バラ科、ヘビイチゴ属の多年草です。野原や田んぼのあぜ道、道端の日当たりがよく、いかにも蛇が潜んでいそうな、田圃や藪陰に長々とつる(匐枝:ふくし) を伸ばしています。

食用のイチゴである木イチゴは文字通り木になっているイチゴで、山イチゴとも呼ばれ、木ではなく野に咲いているイチゴを野イチゴと言います。木イチゴと野イチゴは品種の名前ではなく総称になり、野いちごの中のヘビイチゴという品種という事になります。

野イチゴの中でもヘビイチゴのように黄色い花を咲かせるものは美味しくなく、白い花を咲かせるものは食べられる種類と分類されているようです。

※最近の遺伝子解析の結果から、ヘビイチゴはキジムシロ属に非常に近いものであることが明らかにされ、ヘビイチゴ属 Duchesneaからキジムシロ属 Potentillaに変更され、新名がつけられました。

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ヘビイチゴは、生命力も強く、主に東アジアに生息しています。
中国ではヘビが食べるイチゴと考えられていたり、このイチゴを食べる小動物をヘビが食べるといったところから名付けられたそうです。
また、美味しくないのでヘビにでも食べさせておけ、という謂れもあるようです。日本ではその由来の他にも、「地を這う姿がヘビみたい。」といった表現も含まれヘビイチゴの呼び名が定着しました。

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茎は走出枝となり、地を這って広がります。

葉は3出複葉、長い葉柄があり、基部に托葉があり、小葉は黄緑色、先が円く、頂小葉は長さ1.5~2.5㎝の広卵形~菱形状広卵形です。ときに切れ込みが入り、5小葉に見えることも多く、葉縁は重鋸歯となることが多いです。

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花は黄色の5弁花、直径1~1.5㎝、長い柄の先に1個ずつつきます。花弁は長さ2.5~5㎜幅が広く、倒心臓形(ハート形)。花を上から見ると下の副萼片は垂れ下がってほとんど見えないことが多いです。

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偽果は直径8~12㎜、表面には細毛がまばらにあり、色が白っぽい。偽果の表面につぶ状に並んでいるのは痩果です。痩果の表面にはこぶ状の突起があり、果期には普通、花は見られません。

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また、ヘビイチゴは全草を干したものを〈蛇苺 じゃも〉といい解熱や咳止め薬として漢方薬で使われてきました。ヘビイチゴは効果のある優秀な漢方薬であり、また民間療法としては虫刺されやニキビに焼酎漬けとして全国あちらこちらで作られています。

●効能[薬味甘,苦,薬性寒で,清熱解毒,涼血,止血,散欝止痛の効果]●民間で主に熱病,驚きと癲癇,咽頭痛,腫れもの,やけどなどを治療することに使われる

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今回ご紹介するのは、家庭でちょっとした痒みに使えるヘビイチゴのお話です。

① ヘビイチゴを採取する。できるだけきれいな場所でヘビイチゴを採取します。除草薬や農薬が撒かれていないか、排気ガスがかかってないか確認します。

② 赤い実だけをわけて、サッと汚れを落とします。洗った場合はしっかり乾かしましょう。

③ ジャム瓶などの瓶にヘビイチゴを入れ、ホワイトリカーやウォッカ、焼酎などアルコール度数が35度以上のアルコール(無味無臭のもの)を注ぎ入れます。

④ あとは約1ヶ月ほど冷暗所にて保管。液が茶色くなったら使用できますが、2~3週間もすると、色は茶色から琥珀色にだんだんなっていきます。

⑤ まぜる必要もなく、涼しくて日当たりを避ける場所に保存しましょう。