アカペラアレンジメモ① - Tot Musica / Ado -

前置き

初めて会う色んな方から、すごかったという感想をいただきました!
嬉しいです。ありがとうございます。

大学がメインストリームなアカペラ界で、社会人から始めて、知り合いもほとんどいなかった自分が
こうして色んな地域の色んな世代の方に聴いてもらえてるのは
本当に本当に光栄です。

今回はこのアレンジから特に工夫したところを抜粋して
原曲にないアイデアで書いた部分であるOverture部、Aメロ部について
参考にした曲を紹介します。

賞レース系の音源審査で「イントロ大事!」って言われるけど、実際どうすんねん!?

と悩む人の一助になるかと思います。

Overture部


編曲の流れとして、原曲→アカペラを考えた時に
原曲の冒頭である“Gar zan tak” 部は、ユニゾンでスタートしたいですが
そのままそこから始めると迫力に欠けると考えて、原曲冒頭の前にOverture(序曲)を用意しました。
悲劇的で荘重な雰囲気を出したかったので、以下の曲を参考にしました。

YouSeeBIGGIRL/T:T - 澤野弘之 (TVアニメ「進撃の巨人」 Season2 劇伴)

Tot Musica と同じ作曲家さん繋がり。
全体的な雰囲気はこちらの冒頭のイメージ。
悲劇的なコーラスといえばで、この曲が真っ先に思い浮かびました。
Cminorがゴリゴリに鳴るのはインパクトがありますよね。
このCminorこそ、調性音楽の中で一番悲劇的な和音と言われます。(ベートーヴェン「悲愴」第1楽章)
キーの都合でそこまでは再現できませんでしたがw

J.S.Bach インヴェンション 第1番

はっきりとこの曲を意識したという訳ではないですが
荘重さをより引き立てるために、コーラスのメロディにバロック期のモチーフを取り入れました。

Aメロ


ベース - リードの2枚構成でも良かったですが
裏メロあるのも良いかなと思って、足しました。
ッレシ♭ファ♯レ……っていうメロディがこっそり鳴ってます。

ホテル業魔殿 (SSゲーム「真・女神転生 デビルサマナー」より)


(音源は各自調べてみてください)

昔、親父から借りて遊んだゲームで心に残ったBGMから、裏のコーラスにもってきました。
これもバロック期、パイプオルガンでやってそうなモチーフです。
ちょうどTopの子が絶対音感だったので、この難題も歌いこなしてくれるという安心感はありました。

こういう荘厳な曲に限らず、パイプオルガンが出てくる時って、だいたい和音弾いてるか、この分散パッセージな印象があります。メタルでもやってそう。


結び

アレンジで意表を突きたい時、原曲にない発想をしたい時
完全な無から1を生み出すのはキツいので、雰囲気が近い曲を参考にすると良いと思います。

だからアレンジのために曲を聴こうねというのではなく
ずっと楽しんで聴いてきた曲の中にヒントがあるよという話です。

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