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なぜこの世には古いほど価値が出るものが存在するのか? vol.1

みなさんこんにちは、「住宅は古いほど価値が下がる」に対するアンチテーゼを唱えているネオヴィンテージさんです。

この note で僕の熱い想いを語っているので興味があれば読んでみてください。

さて、古いほど価値の出るものと言えば、ヴィンテージやアンティークの世界ですが、戸建て住宅にもその概念を持ち込もうと考えています。

そこで、ヴィンテージについて基礎の基礎の基礎調査をしてみた結果を note にしてみました。

書き始めたら結構なボリュームになってしまったので、3編に分けています。

1. データで見る住宅の中古市場
2. そもそも「ヴィンテージ」とは何か?
3. 現代における「ヴィンテージ」観を探ってみた

まず本題に入る前に、僕がテーマに掲げている中古住宅市場を統計データを眺めながら概観してみようと思います。


データで見る住宅の中古市場

最近 YouTube を観てるとリノべる。の CM がよく流れてくるんですが、親切に「鍵を開けた瞬間に20%価値が下がる」という日本住宅市場の豆知識を教えてくれます。

20%の目減りは業者の営業利益分などで、そこから20年で建物の価値はほぼゼロになるというのもよく耳にしますね。

経年によって価値が下がるのって日本特有らしいんですよ。

日本人が大好きなはずの「古き良き」は住宅市場では通用しません。

潔癖なんですかね?

一方でここ数年でリノベが一般化され、住宅でも中古に対する考え方はだいぶ改まった雰囲気はありますね。

最近では首都圏における販売戸数が中古マンションが新築マンションを初めて上回ったなんてデータもあります。

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新築・中古マンション販売戸数推移(首都圏)
出典:株式会社不動産経済研究所、 16 (公社)東日本不動産流通機構


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中古マンション成約平均㎡単価推移(首都圏)
出典(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」


成約平均単価も2013年あたりから上昇トレンドが続いていて、2020年に入ってガクッと落ち込んでますが、これはコロナの影響でしょうか。

価格上昇は住宅ローンの超低金利と控除も後押ししてると思いますが、リノベの普及も大きな要因と思われます。

一方、中古戸建ての成約平均価格を見てみると、うーん…微増ですね。

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中古戸建成約平均価格推移(首都圏)
出典(公社)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」


しかも、2008年あたりは現在よりも水準が高そうで、リーマンショック前まで広げて見ると大して上がってないどころか、むしろ下がってるかもしれませんね。

そんなわけで、僕が応援したい中古戸建てはなかなか価格という点では価値が上がっていない。

住宅ローン優遇措置の恩恵を受けづらいのも一因にあるでしょう。

他に要因として考えられるのは、市場における流動性の低さ、維持管理の面倒さ、住宅性能の評価のしづらさなどが挙げられます。

端的に言えば「買いづらい」し、戸建てを買った人はマンションに比べれば売る気も薄いでしょう。

何より「戸建てなら新築」という感覚はまだまだ根強いと思います。

中古マンションに至っては賃貸と比較してメリットが見えやすいというのもあるでしょう。

国交省が不動産総合データベースなるもので、住宅履歴情報なども加味した不動産評価を行える枠組みの整備を進めているという話があったりします。

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不動産に係る情報ストックシステム基本構想 概要
出典 国土交通省「不動産総合データベースについて」


確かに、住宅性能や管理状態などを可視化して中古戸建ての資産性評価ができるようにすることで流動性を高めることはできそうです。

この流れ、密かに期待してるネオヴィンテージさんです。

ここまでつらつらと書いてきましたが、この記事に端的にまとまっているので併せて読むことをオススメします。

あと、中古戸建ては探してみるとわかるんですが、なかなか良い物件が市場に出回らないですよね。

首都圏における中古戸建ての新規登録件数は、中古マンションのおよそ1/3で、新築戸建てよりも少ないです。

その希少性を戦略的に価値へ変えられないでしょうか?

その一つのアイデアがヴィンテージです。

僕はそれを中古戸建ての文化にしたくて「ネオヴィンテージ」と名付けてみました。


まとめ

ここまで統計データを眺めながら、中古住宅市場を概観してみました。

箇条書きでまとめるとこんな感じ。

・首都圏における販売戸数が中古マンションが新築マンションを上回った
・中古マンションは成約平均単価も2013年あたりから上昇し続けてきた
・住宅ローン控除と低金利が価格を押し上げてきた
・リノべ普及も後押し
・中古戸建ての制約平均単価ほとんど上がっていない
・中古戸建ては流動性が低い
・戸建ては新築が根強い
・国交省が不動産総合データベース整備に動いており、住宅性能や管理状態が資産評価される未来が近づいてる

中古市場は活況かと思いきや、それはマンションのみで、戸建てはまだまだ。

一方で、中古戸建ての資産性を評価する動きもちらほら見えてきています。

伸びしろがある面白い領域だと思いませんか?

さて前置きがだいぶ長くなりましたが、次回からいよいよ本題に入ります。

タイトルの通り、「なぜこの世には古いほど価値が出るものが存在するのか?」です。

この問いに答えるためには様々な中古市場における「ヴィンテージ品」と呼ばれるものの所以を研究してみると良さそうです。

そして、その答えは住宅におけるヴィンテージをどうやったら実現できるかのヒントになると期待してます。

次回もお楽しみに!

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