かんそうぶん
なんかもう世の中は「君の名は」にシフトして落ち着いてきましたので、7回観に行ったことだし、感想をひり出そうと思いました。
基本的には実際の組織・人物とは無関係の、個人の印象を綴っただけのテキストとしてお取り扱いくださいますよう、よろしくお取り計らいください。
一応、いや決して、信用失墜行為にならないように心がけては書きました。
事実誤認もない範囲での記載(知らないことは知らないという)にとどめております。
本編の内容について基本的に包み隠さず述べておりますので映画を観た方向けの内容です。一応本文までスペースを開けますので、未視聴の方は読まないようにしてください。
以上が前置きです。
0.総論
おもしろかったです。以上。
以降は、「鉄」として、「自衛隊好き」として、それから「役人」として、それぞれの立場で気になったことや感じたことや積み上げた妄想を書きます。
1.そうかえんアドバンスのリアルと夢
自衛隊は富士総合火力演習や各イベントをたしなむ程度です。
で。
三沢の?F-2を???爆装????????させて上げる???!!!!!!!!!
まずニヤニヤしたのは航空幕僚長のこの台詞です。ええええうわああえええええええF-2出ちゃう?出ちゃいます??と動揺して手元のアイスウーロン茶を思いっきりすするわたくし。F-2で巨大不明生物に立ち向かうんですってよ奥さんもうワクワクしちゃいませんか。なるほどこれが現実対虚構。あんのかんとくしゅごい。だいすきです。
それにしても爆装で上げちゃいますか。そうですか。もうこれはあれですね、声に出して読みたい日本語、「三沢のF-2を爆装させて上げる」。リピ−トアフターミー。
爆装、今日日音声で聞くのなんかせいぜい艦これ飛鷹の台詞ですよ「全機爆装、さあ、飛び立て!」のあれです。
今回の戦車やヘリはほぼCGだそうです。私はミリとはとうてい言いがたいミーハーな追っかけなので、リアルにできているなぁと特段粗等は感じずに観ることができました。ていうかヒトマルのペイントが一台ごとに違うのにCGだとかどういうことだよと。それにだいたい偵察ヘリとか実際あんな感じでグリグリ本気で動いてますからね。やだあもう変態おまえの飛び方はおかしい。
タバ作戦の戦車パートに出てきたヒトマルも素晴らしかったです。あの戦車実際にああやって走りながら撃つんですよ走ってるのに!全然標的からぶれないあの火砲ですよ!!しかもあの制動みてくださいよいっせいにアレが正確に的を抜くんですよほんとに。ちなみに現在100両も配備されていないのですが、どうやらこの話は未来らしいのでこんなもんなんでしょう。肥大する日本の防衛費。もっとやって。
いつも演習で見ている装備品が、本当に丁寧に素晴らしく描かれていて、最終的に自衛隊はゴジラを食い止められませんでしたが、充分すぎると思いました。
ちなみに、ゴジラで興味がわいたら、個人的には自衛隊周りですと、東日本の時の自衛隊の動きをまとめたハザードラボというサイトの連載をお読みいただきたいです。かなりのボリュームですが一気に読めました。例の「ローテで行きます」も読んだ後だと違った感慨でした。
あとは富士総合火力演習が一番分かりやすいと思います。動画があると思います。おすすめです。
装備品以外では、東部方面総監がちゃんと出てくるあたりとか、あとはタバ作戦の後のピエール瀧の台詞が好きです。気落ちは不要。何度見ても泣きます。ゴジラ?あああの黒いのね。はいはい。それより潰れたヒトマル30億ですよ。
2.この国を支えること
自衛隊と政府の次にこの映画では鉄道も大活躍でした。えっ役人の話じゃないです、鉄道の話ですよ。
序盤で品川くんじゃない第三形態に京急が吹っ飛ばされてますが、車両が吹っ飛んでいった後にころころ転がる台車が非常にもののあはれでよろしいんじゃないかと思います。あれ、北品川駅に停車中で乗客は逃げた後っぽいですね。
そして次に鉄道が出てくるのがヤシオリ作戦。
突如この国を襲った未曾有の災害への最終作戦、その大切な尖兵として選ばれたのは…夢の超特急…!!!!!
そしてピンチを切り抜ける切り札として準備されていたのは、ぼくらのはたらく通勤電車!!!!!!!!
矢口プランの具体的な実行策を矢口に説明する統幕長のシーン、東部方面総監曰く作戦に向けて仮設架線と軌条の修復(ニヤニヤポイント)も終了したそうです。
はい?架線???はい??????
となったところではい、無人新幹線爆弾の登場です。
元となっている車両は新幹線N700系。所有している鉄道会社は、JR東海、JR西日本、JR九州。
今回、直接軌条等に被害の出たJR東海の車両を使用しているのか、あるいは東海は渋って西から工面したのか夢…じゃない妄想は膨らみます。
なお、物語の舞台はパラレルワールド上かつ2027年以降とのことですから、2020年までに運用開始予定の新車両に置き換えているさなかで、東海での運用を終えたN700車両を転用したのかも知れません。どうでもいいですね!!!!!!!!!!!気になるんだもんだって!!!!!!!!!!!!
はい、そういった観点から申し上げますと、無人在来線爆弾ですね、それに使われているJR東日本E231系電車(山手線と湘南新宿ライン等に使用されている車両です)も退役済車両なのかも知れないな、と思いました。山手線は新車両がたまにお目見えしているのはご存じの通りですし、湘南新宿ライン等にもだいぶE233系が増えてきました。えっ見慣れた車両を使っているだけだって?これだから鉄はって?どうだうらやましいだろう、すごく楽しい。
ただ車体強度は違うし起動加速度も違う車両なので実際車体は統一した方がいいのでは?いや、逆にバラバラの方がいい??とは思いましたが、調達できた車両がそれしかなかったと考えるのが自然かも知れません。そもそも中央線快速は多分E233を当分使うと思いますが一番多いのが中央線快速のくだんの車両でした。でも中央線快速はホームの位置が他路線とずれていますので、もしかしたら軌条が生き残っていたのがそこだったということなのかもしれませんね。何考えても妄想だけどな。楽しいな!
まあでもあれです。
あんまり壊さないで欲しかったです…
3.職業的なあれ
シン・ゴジラは架空の話ですから、見た人の数だけのシン・ゴジラと巨災対があるわけですし、制度ですらパラレルワールドなわけです。
ですので、細かいことは各人都合よく創り上げるのがよろしいかと存じますし、私も好きにしました。
ということで、気になっている点を書きます。
まあなんか省庁とか内閣とか言われてもよく分からないですよね。
ちなみに私のような詳しくない奴が組織図とかを書くと余計に混乱するわけなので書きませんが、基本的に「政府」として描かれている人達についてやはり勘違いされていると職業柄気になってしまって仕方なく、なんというか、乱暴ですが、最低限「議員」かそうでないかという観点で分けて考えるのがしっくりくると思っています。
「議員」さんは、「国会議員」として国民から選挙で選ばれた人達です。
いっぽうで「議員」ではない人達は、各省庁などに試験を受けて入省した国家公務員になります(例外もありますが)
まあ国会議員でも特別職の国家公務員だったり本当に面倒なのですが…
両者の見分け方は、Twitterで内閣防災の後藤さんが書かれていましたが「ジャケットの議員バッジの有無」です。
目立つところですと、文部科学大臣等の国務大臣の皆さん、彼らが「議員」の方々です。主人公矢口蘭堂、彼も議員です。彼らの胸元のバッジをご確認ください。
そして矢口以外の巨災対の皆さん、彼らは基本的に国家公務員採用試験を受けて各省庁に採用されて、各省庁に勤務している国家公務員と思われます(さすがに出向者を巨災対には出さないだろうし)。彼らは選挙によって選ばれていません。えっとこれゴジラの感想でいいんですよね?
ということでこれ以上この辺を説明しようとすると、私も専門外ですしこれ以上の説明は避けます。
まあとりあえず矢口(や国務大臣や、赤坂さん泉さんなど)は身分が国会議員で、他の人は違うという認識が、私としてはしっくり来るかなと思います。
で、基本的にというか私は政治家の先生との接点はまずないので、そうじゃない人達についてでももう少し書きます。
泉政調副会長によって巨災対に各省庁から人が集められました。
霞ヶ関でも一癖ある人達です。役名のある目立つ何名かのほか、各省庁数人単位で組織されていました。
各省庁どういった基準で彼らが選ばれたのかはわかりません(ので妄想がはかどりm)が、各省庁で役職も肩書きもバラバラでした。
志村秘書官の個人的伝手で呼ばれていた尾頭さんはさておき、経産省とかは局長でしたし、国交省は審議官でした(※局長、審議官:課長より上)。かたや、文科はおそらく一年生課長(外見)、事務官技官もバラバラで、個人的伝手などで急遽参集させた印象があるなあと思いました。あとはオペレーション進めるうちに必要な担当を適宜呼び寄せていたんだろうなあとも思うわけです。当初何が必要になるかなんてわからなかったでしょうしね。
ちなみに環境大臣、ゴジラ上陸前にあそこまで尾頭さんの梯子を外しておきながら、いざ巨大不明生物が上陸して正しさが証明されたわけですが、まあよく出せたな、とは思いました。誰も行きたがらないのもあるのでしょうが。
まあそれにしてもあとは安田課長が
(中略)
話は尽きませんが、ちなみに地味に初回にヒットした単語は「有識者会合設置のための『候補者リストの作成』」です。候補者リスト作って、この場合は総理に上げるんでしょうかね。既定路線で。
あとはコピー用紙の箱ですね、あれが非常に日常的にその辺に転がっているものでして、たいへんよろしいと思いました。ちなみにあの紙、茶色いです。一般競争入札!単価契約!!
あとですね立川に移管後の備品です、あれのことを考えると3年後くらいの会計検査も含めて非常に趣深さを感じます。ていうかかの年の決算!どうするんだろう…という…考えただけで恐ろしい話です。
ほか、個人的な希望ですが、弊省の人達は巨災対で多分仕事ないと思うんで、立川では通常の災害対応をしているんだと思います。
都内があれだけ焼けると、通信インフラのダメージも気になりますし、消防も某省の業務の一つであります。まあ機能してないって言われてましたけど。。
くだんの省の防災服は派手で分かりやすいのですが、立川の巨災対には一人もいません。
ちなみに各省の防災服の再現度は素晴らしいと思います。
以上です。
なお映画で美化されているかといえば、実際の官僚の方々のお仕事ぶりもとても素敵です。この国はまだまだやれる、日々そう感じています。
4.おわりに
だいぶスリムにしたり危ない記述をそぎ落としてここまで圧縮しました。
7回くらい観てきたのでいい加減円盤を体育座りして待とうと思っておりますが、IMAXで観たりすると本当に新しい発見が毎回あってやめられません。円盤が出たらコマ送りで観そうで今から怖いです。
多分、自分の中に持っているものが多ければ多いほど気になるポイントが出てきて泥沼にはまる、すごい密度の映画ですね。映画館に万単位でお金を落としましたが全く悔いはありません。円盤もビジュアルブックも楽しみでなりません。
こんなところです。あと安田課長が好きです。矢口先生の前髪の乱れは癒しです。以上です。