Exam-4-3_管理会計論の会計士試験対策
おはようございます、パジャマです。
今回は管理会計論について反省していきたいと思います。
スタバで勉強される方は多いと思いますが、なぜドリップコーヒーはあの値段なんですかね。
管理会計論は、そうした身近な疑問について考えるためのエッセンスとなる点で好きな科目でした。
好きなわりには思うような成績が出ていないので、管理会計論に関する学習戦略は間違えていたと考えています。
私にとっては失敗だったというだけで、どなたかにはマッチするかもしれませんが⋯⋯
基本的には、反面教師として参考してもらえればいいのかなと思います。
~使用教材(短答・計算)~
・CPA管理会計論(計算)短答対策問題集
短答対策におけるメイン教材です。
時間制約から、いきなり短答対策問題集の覚え込みにかかりました。
結果的には、この単純暗記が管理会計論を頭打ちする要因になったと思います。
管理会計論(計算)学習の王道は⋯⋯
(手順1)計算の解法とその理論を納得する
(手順2)いろんな計算問題で使う
ことだと考えます。
管理会計論(計算)は典型問題のみならず非典型問題が出題されますから、後者に対応するための思考力を(手順1)で養おうというわけです。
しかし、(手順1)には多大な学習時間を割く必要があり、理解のためにさまざまな工夫も必要です。
そうであるならば、非典型問題を捨てて、典型問題をパターン暗記してしまおうというのが私のとった学習戦略です。
これは、池邉講師が提唱していた学習戦略です。
管理会計論が苦手な方へ向けた戦略だったのですが、管理会計論が苦手な方というのは(手順1)ができずに沼にはまっているから、(手順1)に固執させない意図だったのでしょう。
このあたりをよく考えずに、とにかく時間制約から上記の学習戦略を採用してしまいました。
おかげで、パターンで解く癖が抜けなくなり、応用が効かなくなってしまいました。
結果として短答・論文ともに点数はそこまで悪くはありませんが、学習時間と熱意から考えると満足できたものではありません。
そのため、問題集を使って解法を暗記するのは、私には合っていなかったと思います。
コロナ延期は予想できないことだったので、やはり単純暗記は学習開始時点では合理的な学習戦略ではありました。
しかし、きちんと2ステップを踏めば、管理会計は得意になれたと思うので口惜しいです。
・CPA管理会計論 テキスト①~③
そこそこ使用しました。
最初期のインプットと、学習後期の知識確認のために利用しました。
管理会計はほとんどレジュメおよび基本テキストベースで学習しましたが、書籍のみでは学習が難しかったと感じました。
基本テキストには、原価計算基準や専門書から持ってきた難解な表現が使用されており、本試験においても難解な言い回しで出題されます。
難解な言葉を平易な表現に変換できるか、身近なものに置き換えられるかが管理会計論のカギであったように感じます。
そのあたりを講義で教えてくれているならば、講義は私にとって有意義であったと思います。
とはいえ、私を含めてほとんどの方はパターン暗記(差異分析と見ればシュラッター図を書く)でしょうから、自分のなかで簡略化できなくとも勉強量でカバーできます。
・CPA管理会計論(計算)個別問題集①~②
計算強化期(学習140日あたり)に利用した、教材です。
簿記論における個別問題集はテキストの例題から数字だけ変えたようなものでした。
一方、管理会計論(計算)については位置づけが異なります。
テキストとは明らかに形式が異なり、難易度も高いです。
そのため、個別問題集はかなりの問題をミスしましたし、1巡するだけではほとんど記憶に残っていません。
しかし、私は問題集を「解く」ということをあまりしないため、問題集を「解いた」のはこの個別問題集に限ります。
かなりの問題をミスしたというのも、実力不足を自覚するいい機会になったと思います。
・CPA管理会計論(計算)論文対策集①~②
テーマ別の総合問題が30問集録された問題集です。
詳しくは論文対策教材で説明しますが、短答式以前にメルカリで購入して一読しています。
具体的な内容は覚えていませんが、いつもと異なる形式の問題を解くことでの発見がありました。
管理会計論(計算)は短答と論文で形式が大きくは異なりませんから、論文対策を行っていても短答式のトレーニングになるとは思います。
ただし、出題予想は短答・論文で異なるので要注意です。
~使用教材(短答・理論)~
・CPA管理会計論(理論)短答対策池邉レジュメ①~②
池邉講師が担当する、短答対策講義のレジュメです。
計算が難化にあった令和2年度では、理論をしっかり得点することを池邉講師はオススメしていました。
そのため、管理会計論(理論)が40点しか出題されない割に分厚いレジュメになっているのが特徴です。
他校テキストよりも説明が丁寧だと言っていましたが、他校テキストを確認したことがないのでわかりません。
丁寧な説明を読み込むことは、短答対策では点数には直結しませんでした。
しかし、論文対策にあたって多大な貢献があったと思います。
誤解を恐れず言えば、管理会計論(理論)の短答対策では、理解・納得をしようとするとコスパが悪くなります。
20点は原価計算基準からの出題ですが、こんなものは間違いさがしです。過去問を熟読して、ひっかけポイントを覚えていれば十分です。
20点は管理会計分野からの出題ですが、こんなものは運ゲーです。基準や法令に依拠しないため、過去問やテキストに掲載されていない専門用語が飛び出しますが、過去問やテキストを使って学習するしかない受験生は対処できません。
大袈裟に言いましたが、令和2年度の短答式においては少なからず上記の傾向はありました。
一方の論文式は、理解・納得していると勉強することが減ってよかったのだと思います。
短答式は選択肢を見て、直感的に判断すればいいので(例えば、個別原価計算は企業の事業目的や製作形態に関わらず適用できますが、なぜ適用できるのかを考えなくても正答はできます)、極端にいえば概念を理解していなくても正答できます。
それを文章として書こうとすると、概念を理解する必要があります。
短答式特化の勉強ではなく、各論点の意味を理解している人は、短答式試験において⋯⋯
(手順1)問題を見て、何に関する問題かを識別する
(手順2)頭の中で説明できる状態にする
(手順3)選択肢を選ぶ
という思考プロセスをたどると考えます。
(手順3)が文章を書くことになっても、さほど苦労はしません。
頭に思い浮かんでいる考え方を使って選択肢を選ぶか、文章を書くかの違いに過ぎないからです。
鼻からゴッパチを目指すのであれば、目先の短答式だけでなく、論文式にも繋がる勉強を意識してみるのもいいと思います。
なお、私は結果的に論文式に繋がっただけですので空論です。
「なぜ?」をそれなりに追って勉強していましたが、私の感覚では短答本試験にはほとんど活きなかったので、短答・論文の両方への対策になる勉強法は実践できませんでした。
・CPA管理会計論(理論)短答対策問題集
一問一答形式の問題集です。
理論対策は短答対策レジュメをベースとしながら、この短答対策問題集をとりおり通読する方で進めていました。
最初に触れたのは、管理会計論(計算)の学習を開始した、学習30日目あたりだったと思います。
問題を解くのではなく、通読していました。
なぜなら、短答対策レジュメを読んでも読んでも頭に入ってこず、問題を解くことができなかったからです。
そんなこんなでコロナ延期直前まで、ときどき使用していました。
コロナ延期以降は、しばらく使用しておらず、学習210日目あたりから問題集として利用しました。
この時点では、理論も頭に入っているので、問題もそこそこ解けるようになっていました。
しかし、財表論にくらべるとしっくりきていない感がありました。
計算とリンクしにくいからかなと考えます。
結局、短答式における管理会計論(理論)は泥沼でした。
40点しか出題されませんが、勉強時間は企業法と同じくらいだと思います。
それでいて、本試験も4問ミスというザ★苦手科目です。
~使用教材(論文対策)~
・CPA管理会計論(計算)論文対策集①~②
テーマ別の総合問題が30問集録された問題集です。
過去の答練等を利用している問題もあり、その場合は正答率0%の小問が掲載されていることもあるのですが、そのあたりの情報は講義で解説されています。
総じて、「受験生の平均的なレベルは高くない」とのメッセージがあるので、手を広げがちな私には有益でした。
短答式以前にメルカリで購入して、一読しています。
電卓を叩いて計算はしなかったので、短答式後にはほとんど覚えていませんでした。
論文式対策としては、管理会計論(計算)については、本問題集のみを使用しました。
最後まで、正答できない問題も多々ありましたが、部門別計算については論文式対策でようやくできるようになったところ本試験で出題されたので、試験なんて水物だと思い知らされます。
・CPA管理会計論(理論)論文対策集①~②
論証が200個ほど掲載された教材です。
①問題
②ロジカルフロー・模範答案・キーワード
③解説
から構成されているのですが、③解説は短答対策レジュメと同じものが多く掲載されています。
スムーズに論文対策に移行できた理由の1つでもあります。
模範解答は一切読んでいません。
キーワードをなんとなく覚えて、ロジカルフローに乗せるイメージで勉強していました。
また3時間×8回の論文ダイジェスト講義を視聴し、移動中には音声を倍速で聴いています。
あまり講義を視聴する余裕はなかったのですが、移動中にできる勉強を1、2つは持っておきたかったので、講義を視聴しました。
~学習内容~
・学習期間30日~45日目
簿記論をおおざっぱに把握したところで管理会計論の勉強に入ります。
管理会計論は計算と理論の勉強を並行して開始しました。
理由は、計算だけだと飽きてしまうからです。
最初は基本テキスト①、②を通読しました。
ところが③を読む前に飽きてしまったので、やめます。
以降は短答対策問題集がメインの教材になります。
ひたすら重要性ABの問題を覚えていました。
理論については池邉講師による短答対策講義のレジュメを読んでいました。
講義を少し視聴してみましたが、講義を視聴している時間をほかの勉強にあてたほうがよいのではないかという焦りがあったためほとんど視聴していません。
また、学習経験者をターゲットにしていたため、初見では言っていることの意味が分からなかったということがあります。
逆に、短答対策講義が適切にターゲッティングできているということでもあります。
・学習期間45日~60日目
簿記論の勉強再開し、計算二本立てとなります。
ひたすら短答問題集をくりかえしており、特別なことは行っておりません。
短答対策講義(計算)レジュメに着手しようか迷いましたが、重複している内容が多かったため、やはり短答問題集を続けています。
・学習期間60日~90日目
理論科目に注力していた時期です。
管理会計論(計算)については、忘れてしまわないよう、ときおり短答問題集を読んでいたていどにとどまります。
理論については、45~60日とあまり変わりません。
ただし、読めども読めども理解が深まる様子はなかったので、学習を始めるのが早すぎたかと思います。
あとからわかったことですが、原価計算基準については、単純暗記にすぎませんから。
管理会計論および財務会計論についてはそれなりに注力していたつもりだったのですが、振り返ってみると割と理論科目に時間を割いています。
この時期の答練については計算科目の成績がよくなかったのですが、単に勉強不足でした。
・学習期間90日~120日目
60日目~90日目と同じ要領です。
息抜きがてら、テキストを通読していました。
しかし、学習期間の短い私は、管理会計論については最低限の学習しかしないつもりでいたため、あくまでメイン教材である短答問題集の復習に時間を使っていました。
・学習期間120日~150日目
コロナで試験が保留になったり、延期になったりした時期です。
計算科目を徹底的に鍛えた時期なのですが、管理会計論については個別問題集に着手しました。
大学受験の経験から、計算科目はラジオを聴きながら勉強ができると思っていました。
なぜなら、計算はアウトプットなので、インプットであるラジオとは使用している回路が異なるからです(?)
コテンラジオという歴史ラジオを聴き始めますが⋯⋯
①公認会計士試験勉強は暗記(インプット)色が強いため、計算であっても「ながら勉強」には向かない
②コテンラジオは頭を使ってしまうので、勉強に集中できない
という問題がありました。
しかし、試験延期によってモチベーションが下がっていた私はラジオを聴き続けました。
8時間くらいはラジオを聴いていたと思います。
読者の方々にとって重要なことは、コテンラジオが面白いということではありません。
パジャマであっても、モチベーションが低い時期はあるということです。
多くの方々にブログを読んでいただけると嬉しいので、私もやれゴッパチだとかやれ短期合格だとか肩書を掲げています。
すると、「1日20時間勉強してそう」とか「ハチマキ巻いてやってそう」だとか、ガリベンを想像されるかもしれません。
たしかに、ガチ勢ではあります。
学習初期などは、「YouTube 1時間」「食事・風呂・トイレ・運動 2時間」以外はずっと勉強していました。
ところが、学習期間120日~150日目については勉強時間でいえば6~8時間(ラジオを聴いていない時間は1~2時間)です。
得てしてペーパーテストの合格者ブロガ―は成功体験を語りますし、読者も合格者はとにかく最善を尽くしていると考えてしまいます。
しかし、全員が最善を尽くすことができるとは思いません。
パジャマは公認会計士試験勉強を始めるにあたって、試験合格にかかわらず、血ヘドを吐けるくらい努力をしようと考えていました。
結局、血ヘドを吐いたことは一度もありません。
妥協の毎日を淡々とこなしました。
それでも勉強が得意だったり、運がよかったりすると合格するのがペーパーテストの残酷なところです。
パジャマもパジャマなりに努力したので、才能・運という言葉で片付けるつもりはありませんが、努力したから必然的に合格したと思うほど自惚れてもいません。
端的に言うと、「合格者はめちゃくちゃ努力した」とか「合格者には特別な才能がある」とか「合格者は出題に助けられた」とかは極端な話だと思っています。
諸要素を総合して、合格点に届けば合格なのです。
しかし、最善を尽くせなかったことは、不合格のときに後悔のタネにはなります。
パジャマは論文式を「受かればラッキー」くらいに考えていましたが、合格発表直前に脳裏によぎったのは「もっと勉強しておけばよかった⋯⋯」でした。
もし不合格だったなら、この時期の学習時間について後悔していたと思います。
・学習期間150日~210日目
答練成績が上がりはじめた時期です。
短答問題集のC論点に着手したり、テキストの例題を解いたりするなど、おなじみの教材の深度を深めていました。
しかし、管理会計論はあまり芳しくありませんでした。
テキストに書かれていることはわかります。
読んでいるときは「はいはい、知ってる知ってる」となります。
しかし、いざ計算を解くとなると、まったく別の思考回路で問題を解答しています。
知っている解法にあてはめて、機械的に解答しているにすぎません。
テキストで理解した内容から考える、ということは一切できていません。
知っている雛形と少しでも違うと、太刀打ちできません。
管理会計論は「パターン暗記」と「理論的背景の理解」をミックスできれば大化けしそうな気配はあるのですがね。
もっと、こう⋯⋯パズル的に、ルーティンありつつ、現場思考ありつつみたいな解き方が管理会計マスターの解き方なのかなって、想像しています。
なお、短答直前の1ヵ月は理論科目を詰め込みたかったので、計算科目はこの時点で完成させておく必要がありました。
簿記論は「まあ大丈夫だろう」、管理会計論(計算)は「不安だなあ」といった感じです。
客観的にみれば答案成績は十分なのでしょうが、不安が常に付きまとっています。
・学習期間210日~240日目
短答直前期です。
上述のとおり、理論科目の単純暗記を徹底する時期ですので、計算科目に割ける勉強時間はありません。
そんななか、管理会計論がTAC模試で全国1位になります。
ぬか喜びしているとCPA答練で41点をとります。
満点ラインと足切ラインの反復横跳びに、ストレスを感じずにはいられませんでした。
だからといって、不安に駆られて管理会計論(計算)を勉強しなかったのはファインプレーかもしれません。
監査論・企業法・財表論で十分な点数を取れたからこその合格だと思いますからね。
・短答式本試験~論文式模試
管理会計論(計算)については、何もやっていません。
管理会計論(理論)については、そこそこやりました。
短答式科目で唯一、論文模試より前に着手しました。
理由は興味があったので早く勉強したかったということと、1回終えてしまえば移動中に利用できそうな講義だったからです。
とはいえ、時間制約のあるゴッパチ生がやたらめったら講義を視聴することはオススメされません。
・論文式模試~論文本試験
管理会計論(計算)もスタートします。
講義については、負担になる動画時間でもなかったので、すべてについて視聴しています。
短答式後のモチベーションでは、書籍のみでの勉強はできそうになかったということもあります。
意識していたことは、論文対策集だけで完結させることです。
答練は一切使用していませんし、簿記論とは異なり基本テキストを読み返すこともしていません。
模試成績を見ても、「管理会計論は大丈夫!」とは言えませんが、他科目に比べれば緊急性は低いと判断しました。
租税法・経営学についてはいまだ知らない論点がたくさんあったので、緊急性が高いのです。
そもそも論文式科目より短答式科目の方が試験範囲は広いので、短答4科目について論点を知らないということは基本的にはありません。
また、令和2年度の論文式で科目合格を取れるとしたら「監査論・経営学・企業法」だったので、「財務会計論・管理会計論・租税法」にはあまり力を入れていません。
敗戦濃厚だったので、落ちたあとのことも考えて勉強していました。
~まとめ~
今回は、一番の苦手科目といっていい管理会計論について反省しました。
個人的に、原価計算は他科目と一線を画していると思っています。
他科目は条文・項目ごとに勉強します。
簿記論も取引種類ごとに勉強するため、リース会計が苦手だからといって連結会計ができないとも限りません。
管理会計論(とりわけ原価計算)は意思決定~販売という一連のプロセスを学習しており、理論的にも首尾一貫しています。
いうなれば、科目自体が1つの大きな論点であり、一連のプロセスを理解できないということは1科目まるまる捨てることになります。
管理会計については、より視点を変えて勉強することが大切だったのかなと今になって思います。
それでは、おやすみなさい!