「ドラマを最後まで見られない男が、仮面ライダーを一気観した話」
「面白い!」と心から思えるものに、人生でどれだけ出会えるだろう。
なんとなく惰性で見流す、とりあえず習慣でゲームをする、そんな暇つぶしの娯楽ばかり送っていると、ふとそんなことを思う。
しかし、私はどうも飽きっぽくて、ドラマやアニメを全部見切るということがなかなかできない。
「面白い!」と思っても、いつの間にか観るのが億劫になったり、ひどいときは観ているうちに寝落ちしたりしている。
それで、大河ドラマや『鋼の錬金術師』も棒に振った。
その度に、一度は面白いと感じたものに半ばで関心がなくなってしまうのを残念に感じた。
ところが先日、ひょんなことから『仮面ライダーOOO』(以下、「オーズ」と呼ぶ)を観ることになった。
仮面ライダーといえば子ども向けなイメージもあり、それほど期待もしていなかったが、これが見事にドハマりし一気観。
足元の期待値を遥かに飛び越え夢中になった。
仮面ライダーシリーズ自体は子どもの頃にも見たことはあったが、当時は「戦いのシーン以外は退屈」という印象があった。
そもそも、土日は昼に起きる私には放送時間が早すぎて、きちんと見てもいなかった。
そんな訳でポジティブなイメージがなかったのだが、オーズは3話目を観る頃にはすっかり虜だった。
なにがそんなに面白いのか、ひとことで言うと「終始ドラマチックで、しかもわかりやすい」に尽きる。
どういうことかというと、以下の3つが好みのど真ん中だった。
・ドラマチックな3つの勢力のぶつかり合い
・モブキャラも含めて行動の裏付けになる「欲望」が明快
・勢力同士のパワーバランスの変化と適度な緊張感
ざっくり3つの勢力が戦ったり協力したりするのだが、各人が勢力間で動いたり、同じ勢力の人同士でも争ったりと、テーマである「欲望」が渦巻く物語の進行がとても魅力的だった。
これによって話に動きがあって飽きず、かつややこしくない。
しかも、適度に各人の「欲望」が描かれていることで、「なんで戦うの?」とか「そいつがする意味ある?」とかついつい小賢しい大人が気になってしまう細かい点も納得して見られる。
終盤にかけて仮面ライダーがめちゃくちゃ強くなって無双状態になっても、ある理由で「大丈夫かな…?」と緊張感があって最後まで飽きない。
他にも、「ふじー!サファリパ~クッ!!」の人があてている変身の掛け声が癖になったり、主人公以外の登場人物の成長がアツかったり、話の大筋以外も面白く観られた。
オーズ、面白かった。知れてラッキー。他の仮面ライダーも観てみようと思う。
※2021年1月現在、Huluや東映特撮ファンクラブで観られます。興味ある方はぜひ。
下書きや没にしたものを公開します。特に内容があるわけではないですが、創作の足しになる方はどうぞ。
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