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義母と過ごす最後のクリスマス

クリスマスを間近に控えた12月下旬、義母が日に日に弱っていくのが目に見えてわかる。今では座っているのもやっとの状態。


アメリカではクリスマスプレゼントは、クリスマスの朝に家族が揃って開けるのが習わし。そしてクリスマスプレゼントを開けるのは、大人になっても楽しみの一つ。

でもクリスマスプレゼントは我が家のクリスマスツリーの下に置いてある。クリスマスツリーの下から、一つずつ取って、一つずつ開けていくので、結構時間がかかる、1時間はかかるんじゃないかな。

義母は、クリスマスイブとクリスマスの日のディナー両方に来るので、義母と一緒にクリスマスプレゼントを開けようということで、今年はクリスマスイブの夜に開けることにした。

デザートを食べながら義母が疲れないように急いでプレゼントを開ける。それでもやはり疲れが見え始めていたけど、大丈夫と言いながら最後まで付き合ってくれた着丈な義母…

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クリスマスの日の朝は、プレゼントを開けた後に、手作りのパンケーキやワッフルを家族でいただくのが私たちの家の習わし。

でも今年は、もうプレゼントは前日に開けたし、子供達は仕事だったので、スタバで買ったコーヒー、そして朝食サンドなどを買って旦那と私義母の3人で、彼女の家でクリスマスの朝を迎えることにした。

前日に彼女に言っておいたのだけども、疲れていたのか私たちが義母の家に来ることを忘れていたため、私たちの顔を見て大喜びの義母。

喜んでくれてよかった。でも昨晩の疲れもまだ残っていたためか、すぐに疲れはじめ私たちは早々に家に帰ることに。夕方に私たちが迎えに来るまでは、休むことに。

クリスマスディナーのメインディッシュ、ビーフウェリントンを息子が作ることを聞いて大喜びの彼女。それもそのはず、ビーフウェリントンはもともと義母が出身の料理。しかも彼女の孫が作る、彼女にとって最後になるクリスマスディナーだから、喜びもひとしおだったに違いない。

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クリスマスディナーには近くに住む義理姉家族も来る予定。ディナーが始まる前まで、疲れやすく座ることもままならない義母は、私たちのベッドで休みながらディナーを待つことに。

ディナーが始まると義母も一緒にテーブルを囲む。息子が作ったビーフウェリントンを赤ワインと一緒に美味しそうに食べる義母。本当に美味しくでき、お肉も柔らかいので食べやすいのか、食べられるだけ食べる彼女だった。

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欧米ではクリスマスは家族と過ごす大事な日。街中も例年は人通りに溢れて活気があり、街行く人々は笑顔を絶やさなく、幸せを感じられるクリスマスシーズン。

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街は品物で溢れ、たくさんの人が買い物に出かけてちょっとうんざり、本当のクリスマスの意味を忘れているのでは?とクリスチャンではないけども思わせるアメリカのクリスマス。でも、家族と過ごす大切な日には変わらない。

でも、コロナ禍のこともあって、いつもとはそこし静かな2020年のクリスマス。静かに大切な家族と過ごした、私たちにとって特別なクリスマスになったことには間違いがない……

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クリスマスが終わって数日後、義母の長男が、彼女と最後の日々を過ごすために、コロラドにやってきた。どれだけの期間になるかわからないけど、義母の家で一緒に過ごす。

そして、今回の癌発覚前に決めた、コロラド州に唯一ある第二次大戦中の日本人強制収容所跡地を訪れる、2泊3日の小旅行にも一緒に行くことに。

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癌発覚があって一度はキャンセルしたのだが、義母が「やはり行こう」と言って行くことにした。

住んでいる街からは3時間かかるため車2台で行くことに。

私は私の2人の子供達と一緒に、義母は彼女の息子二人と仲睦まじくドライブ。

泊まるところはエレベーターなしの2階。もう歩くことも難しくなっていた義母、でも彼女は本当に頑固者で一度決めると最後までやる人。息子たちの手を借りてゆっくりと階段を上る。

それから二日間は、階段の昇り下りが難しいので、私たちが強制収容所跡地を見に出かけている間はベッドで休んでいた。

滞在した場所はAirbnbで見つけたアパートメント。大きい居間とキッチン4つのベッドルームがあって、ゆったりと過ごすことができた。各自、本を読んだり映画を見たりとのんびりと義母と過ごした二日間。私はゆっくりとお風呂に入らせてもらった。義母もお風呂に入りたかったけど、アメリカ式の割りと高さのあるお風呂だったため、足をあげられなくなっている彼女には無理。がっかりしていたので、足湯をしてあげることに。とても気持ちよさそうにしていた、足をマッサージされるのって気持ちがいいよね。喜んでくれてよかった。

癌発見から2週間、すごい速さで、彼女の体は弱まっている。

タイムライン

12月23日

癌専門医と会い今後のことを話す。治療は限りなくしたくないとのこと。緩和ケアとホスピスケアのみに決める。潔いほどに自分の死をきちんと受け止める。

12月24日

クリスマスイブ。プレゼント交換。

12月25日

息子が作ったビーフウェリントンを美味しそうに食べる。

12月28日

義母長男来る。そのままラマー市へ向かう。ラマー市に2泊滞在

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