あなたと手を繋ぐ権利
私は彼氏の隣で歩くとき、ほぼ100%の確率で手を繋いでいる。なんで手って繋ぎたくなるんでしょうか。ずっと好きな人の温もりを感じていたいから?どこか遠くへ行ってしまうのを防ぎたいから?
その手は寒がりの私をあっためてくれて、ふらふらと歩く私を導いてくれて、時にはいきなり力を入れて私を驚かせて、隣にいることを感じるから安心を与えてくれる。
どうしてかって、答えはたくさんあると思うけれど、とにかく習慣のように手を繋いでしまうくらい、私にとっては自然なことで、当たり前で、手を繋がないで隣を歩くことはありえないのです。
そんな彼氏と先日渋谷をぶらぶらとしていると、どこからか歓声が聞こえてきました。思わず声の方を見ると、たくさんの人が車道を歩いている光景が目に入りました。
よく見ると、虹色の旗を掲げている人がたくさんいて、LQBTQについてのデモパレードだとわかりました。家に帰って調べると、「東京レインボープライド」というイベントだとわかりました。
渋谷の道路をみんなでパレードのように行進していたのですが、とにかく列が長い!本当にたくさんの人が歩いていて、かなり大規模だったようでびっくりしました。もう一つ驚いたのが、デモ的なパレードって、スピーカーを使いながら、〜〜反対!みたいな威嚇的とか怒っている感じで行うものだと思い込んでいたのですが、そうじゃなくて、みんな笑顔で旗を振って、歓声を上げながら歩いていたことにびっくりしました。主張するって、バチバチするだけが方法じゃないんだなと感じました。
それでしばらく立ち止まって見ていたんですが、涙腺が脆く、めちゃくちゃ泣きそうになって。別に文章とかで具体的に訴えられたわけではないんですが、心に来るものがあったんだと思います。
笑顔でHappy Pride! と歩く人々は、決して笑顔ではいられない困難や理不尽がたくさんあったと思います。それでも彼らに困難や理不尽を与えている人や社会に対して攻撃的に訴えるんではなく、今回のようなパレードという形で訴えることは、身も心もきっと大変で。
そんな背景を抱えて、でも今回のパレードでは堂々と自らのLGBTQ+に対する想いを乗せて歩けることが、きっと開放感のある笑顔に繋がったんだと思います。そんな意味のある笑顔にやられて、涙が出そうになりました。
私が彼と何も考えずに手を繋いで歩けること、大切で大好きな人にいつでも触れることができること。でも同じことが当たり前にできない人がいる。それってやっぱりおかしいことだと思ったからこそ、自分には関係ない、じゃなくて、自分が生きる社会の問題だから考えなくちゃいけない。今回はそんな想いで文章を書いてみました。
身の回りに起こるいろんなことの中でも特に、愛する人や愛するものを何も恐れずに愛せること。それって人生の中で、生きるために必要なことだと思います。誰もがそんな世界に住めることを信じて、少しずつ、一歩ずつ、できることを。