菜乃のお暇
今日、学校をサボった。
人生で初めて、学校をサボった。
朝目覚ましを気にせずにゆっくり起き、普段かきこんでしまう朝ごはんをゆっくり食べる。大学には着ていけない、高校の部活の長袖Tシャツと黒のスウェットと季節の割には暑いからと、ビーサンを履いて自転車に乗る。
遠すぎない距離のスターバックスに口ずさみながらゆっくりと向かう。店の窓際に荷物を置き、新作と散々迷った末、長居することを見越した飲み物を買う。パソコンを開き、溜まったメールを一気に返していると、だいすきなEd SheeranのPerfectが店内に響き、つい体を揺らしてしまう。
今までも何かに追われて余裕がないのは当たり前だったが、今学期は人生で一番やらなければならないことに追いかけられ、毎日息の詰まる日々を送っている。終わっても終わっても追われる毎日にとうとう限界を超えてしまい、今日できていなければならないことが何も終わっていない状況に眩み、休む決断をした。
ただ単に忙しいだけならここまでじゃなかったと思う。変にやりたくもないリーダーとか、人間関係とか、将来への不安とか、精神的にも追い詰められたから今こうやって体に生気がなくなるほどの状態になった気がする。
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少しだけ前に、「凪のお暇」というテレビドラマを見ていた。
TBS金曜ドラマ「凪のお暇」2019年7月19日〜9月20日 https://www.tbs.co.jp/NAGI_NO_OITOMA/
普段テレビを見ない自分にしては珍しく毎週楽しみにしていたドラマ。
あらすじは、いつも人の目を気にし、空気を読みすぎて”わかる”が口癖のOL凪が、毎日の息苦しさから解放されるために荷物も仕事も彼氏も全部捨てて、新しい人生を歩むためにお暇を、というもの。
状況は少し違うけれど、まさに今日は私にとって、お暇の日。
この忙しさ、元は全部自分が選んだ道だからしょうがないけれど、自分の選んだ道と言って弱音を吐けないこと、要領の悪さ、絡んでくる責任感へのプレッシャーや嫌ほど考えないといけない空気、そんな中でのしかかってくる将来への未来図。
やりたいと思ったことがいつの間にかやらないと、という気持ちに変わってしまった。
何より、毎日ギリギリになっていろんな人に迷惑をかけながら毎日を過ごしている。
ゆっくり本を読んだのはいつが最後だろう?服を買ったのはいつが最後だろう?何にも追われずに時を過ごしたのは何年前だろう?何を大事にして今生きているんだろう?
私のお暇は、あと12時間もない。といっても結局溜まった課題をこなしていくだけ。唯一楽しめそうなのは、スターバックスの新作をケーキと一緒に飲もうかどうかくらい。もうすぐハロウィンらしい。
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