見出し画像

置かれた場所で「気づく」こと

前回の投稿で、新社会人のみなさんが
希望部署に配属されなかったとき
について書きました。
今回は、
希望部署がない
という方にお伝えしたいことを書きます。

複数部署がある組織に就職した方の中で、
ぜひともこれをやりたい!
これ以外の仕事は嫌だ!
という強い信念や情熱をもっている、のではない方。
おめでとうございます。
あなたは組織勤めを楽しめる素質があります。

サンプルが少なくとも一人います。私です。

私の職場には、信念や情熱にあふれたすばらしい人が
年齢を問わず、数多くいます。
意識高い系も多いです。
その中で、私には
「どの部署で何をしたい?」と訊かれて答えられるような
崇高な信念も、具体的な情熱も
ありません。

これまで4か所の部署に配属になり
正直「人選ミスでは?」と思ったりもしましたが
(実際、会社側からは失敗だったと結論付けられる
可能性はありますが)
自分としては、どこも意外な収穫がありました。

この「意外な」というのがミソです。

一番長かったのは、営業部門です。
(特殊な業界なので厳密には違いますが、
外部との関わりが主な業務ということで、判りやすく
営業としておきます)

配属されたときは仰天しました。

営業に必須のスキルといえば
それはもう、一にも二にもコミュニケーション力でしょう。
私は、間違いなくコミュ障寄りの人間です。
自分で配属を選べるなら、絶対に営業は選びません。

緊張するし、うまく喋れないし、ぜんぜん向いてない…

でも、他にやりたいことがはっきりしている訳でもないから
文句を言う筋合いもない。
受け入れて、自分なりにやってみるしかない。
そうして試行錯誤しながら何年も営業に携わって、
外部の方と数多く、長くおつきあいするうちに
「あなたでよかった」
と言ってもらえるようになりました。

・・・
いやいやいや、作り話はもうちょっとうまく作ってくれないと

と思いましたか?思いましたよね?

事実なのでどうしようもないのです。

カリスマ営業パーソンの逸話に必ず出てくる言葉が
まさかこの自分に向けられるとは、思いもしませんでした。
でも、落ち着いて考えてみれば、単に
仕事上のコミュニケーションは
一般的なコミュニケーションとはまったく別物
というだけのことです。
急に会話上手になった、とかではありません。

ただ、このことで
自分はコミュニケーションのすべてが苦手なわけではない
認めてくれる人もいるから、まるっきりダメダメでもない
と気づくことができました。
人間関係力ゼロだと思っていた自分を、
「少しはできることもある」と思えるようになりました。

想定外の営業配属がなければ、一生
そんなふうに感じることはできなかったでしょう。

他の3部署も、それぞれに驚きの配属でしたが
小さくても新しい発見や
偶然のような相乗効果を得ることができました。
配属先や担当業務にこだわりがないからこそ、
その時々の仕事にただひたすら向き合うことができた
だからいろいろな気づきを得られたのではないか
と今は考えています。

ですから、
これと思い定めた希望部署がなくても
むしろ、ないならなおのこと
「この部署ではどんな気づきがあるのかな?」と
配属を楽しんでいただければと思います。