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陰口は社会人スキルでお作法がある

「仕事の愚痴」は、社会人にはつきものです。
なくせと言ってなくせるものではありません。
でも、毎日顔を合わせる相手に直接言うのは難しい。
だから、陰口は言ってもいいのです。
ただし、お作法に則ったやり方で。

いやいや、うちの会社の人たちサイコーだし
という方も
何かの拍子にちらっとモヤること、皆無ではない筈です。
そしてそれは、当然のことです。

どんなに凄腕の経営者でも、
どんなに人格者の上司でも、
どんなに優秀な部下でも、
誰かの期待を100%充足することはありません。
問題は、相手ではなく、「期待」にあります。
他者への期待というのは、どういう訳か
際限なく膨れ上がるものです。
例えば
凄腕の経営者には品格を、
人格者の上司には業績を、
優秀な部下には気働きを。
相手が優れていればなおのこと
無意識のうちに、それ以上を求めてしまいます。

モヤモヤしたままでは仕事に集中できませんし、
そのままずっと溜め込んで押さえ込んでいたら
積もり積もっていつか爆発しかねません。
その爆発が、外に向くにしろ内に向くにしろ。

だから、ガス抜きは必要です。
スポーツや趣味で昇華するのはすばらしい方法ですが
誰にでもできることではありません。
そこで、陰口です。
一番簡単で、直接的な解消法と言えるでしょう。

ただ、陰口にはお作法があります。
絶対に、本人の耳に入らないようにすること。

具体的にどうするかというと、
話を聞いてもらう相手は、本人と接点のない人にします。
職場の人ではなく学生時代の友人。
会社が違う知人や恋人、家族。
大きな会社なら別の部署の同期でもいいかもしれません。
「共通の知り合いの方が、話が早くて共感できるから
盛り上がって楽しいじゃん!」と思うかもしれませんが、
そこは我慢です。
楽しいことが目的ではないからです。

相手の耳に入ると何が「無作法」なのか。
悪評を流して、周りまわって相手にも聞かせてやりたい
というのは、攻撃であってガス抜きではありません。
相手に反論の機会を与えない点で、陰湿でもあります。
あるいは、相手の言動がハラスメントのレベルなら
さっさと窓口や総務に訴えるほうがいい。
それじゃ動かないから、というのは理由になりません。
まっとうに訴えて動かない職場なら
陰口ではなおのこと、問題は解決しないからです。
(その場合はむしろ、自分を守るために逃げるべきです)

相手に伝わらない愚痴というのは
なんだか消化不良な気がするかもしれません。
でも、
「相手への」攻撃ではなく
「自分の」ガス抜きをする

というのが
自分の機嫌を自分で取る、大人のやり方です。
社会人に必須のスキルと言ってもいいくらいです。

だからこそ、お作法さえ守れば
堂々と・・・陰口を言ってもいいのです。
後ろめたく感じる必要はありません。
で、明日からまたお仕事がんばりましょう。