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会社は友達をつくる場所じゃない、それならどうする?

会社は友達をつくる場所じゃない。
と、よく言われます。
そりゃそうです。学校と違って、一緒にいる人を選べないのです。
しかも、経歴、年代、価値観、仕事上の損得などなど、基本的に多くが異なる人たちの集まりです。
誰とでも仲良くできる人、とにかく人が好きな人、「逢う人みんなワタシの虜♡」という強メンタルの人・・・でなければ、たまたま同じ職場になった人たちと仲良くなれるとは限りません。
まして友達なんて、結構な難易度です。

ただ、近くにいる人を選べないこと自体は、不条理でも何でもありません。
学校と違うのは、こちらがお金をもらう側だということです。
雇われるというのは、お金と引き換えに、時間を売っているのです。
その時間を「気が合わない人とは一緒にいたくない!」なら、時間を売ることをやめる=辞めるしかありません。
(実際、耐えがたいほど人間関係が悪い職場なら、心が壊れる前に逃げた方がいいです)

だから、「会社で友達ができない」ことは悪いことでも何でもありません
ただ、わざわざ敵をつくる必要も、ありません。

友達になる必要はないからといって、不愛想にするとか攻撃的になるとか意味もなくつっかかるとか、果ては周囲を顧みない利己的な主張をするとかすれば、当然敵をつくります。
それは本当に、自分にとって居心地のいい時間づくりになるでしょうか?

拒絶し続けたら周囲が「改心」して「いい職場」になる、という可能性は、ゼロです。拒絶してくる相手に合わせにいく人はいません。
駄々をこねまくって優しい人ばかりの部署に異動になっても、それは「正しい主張が容れられた」のではなく、腫れもの扱いされているだけです。

個人事業主かごく特殊な専門職でない限り、仕事は一人ではできません。
調査研究で成果が出ても、それを活用するのは商品開発の部署です。画期的な商品ができても、営業部門がなければ売れません。売れても経理が処理しなければ利益になりませんし、利益があがっても総務がなければ会社全体が機能しません。そもそも、同じ部署の中でも一人で完結する仕事なんてほとんどありません。
ならば、周囲との関係性は、「仕事に必要な程度に」よくしておくのが得策です。
つまり、仕事上のコミュニケーションが円滑にできる程度に。

友達になれなくていい。仲良くなれなくていい。でも仕事はしやすい。
どうやって?と思いますか?
簡単です。仕事上のコミュニケーションだけ円滑にすればいいのです。
昼食を一緒にとか、休憩時間の雑談とか、無理にする必要はありません。ただ、仕事上で何かやり取りが発生したときには、同じ会社の仲間としてとにかく真摯に誠実に対応します。
普段がどうであろうと、仕事上の必要がある場面で常にそういう対応をしていれば、あなたの評価は「一緒に仕事がしやすい人」になります。そうすれば、周囲もあなたにとって「仕事がしやすい人」になってくれます。
普段の人間関係で省エネ運転をしている場合は特に、困り事を持ち込まれたらむしろチャンスです。特に丁寧に、親身になって対応してあげましょう。その効果は絶大です。
表面上、かんじのいい会話ができるかどうかは関係ありません。別の記事でも書きましたが、相手の出方によらず自分はとにかくフラットにしていれば、自然と関係性自体がフラットになっていくものです。だから、押し出しがフレンドリーでなくても必ずWin-Winを取ってくれる人は、結構慕われていたりします。
普段から愛想を振りまきすぎないことで、変に舐められないというおまけもついてきます。

「自分、会社に友達いないです」と言うことは、恥ずかしくもなんともありません。
でも、周囲から「あの人、仕事で絡むと意外といい人なんだよね」と言われたら、ちょっとうれしい。そんな立場もいいかな、と思います。