夜道を安全に歩く
だいぶ日が短くなってきました。
朝早く、あるいは夜遅く、一人で暗い道を歩くと
ちょっと緊張する季節が続きます。
あるいは、人通りが多い明るい場所でも
「ぶつかりおじさん」とか、電車やバスの中の痴漢とか。
若い女性や子どもがその手の被害に遭うと
加害者やそれを聞きつけた間接的加害者がよく言う科白に
「そういう犯罪を誘発するような格好をしていたのが悪い」
「かわいすぎるのが悪い」(?!)
というのがあり、これについては、被害者側が口を揃える
「お前のためにお洒落してる(かわいい)んじゃねえ」
がもう真実であり事実でありそれ以外の何でもないのですが、
お洒落をしていようがいまいが被害に遭わない人もいれば
なぜか被害に遭いやすい人もいます。
私は若い頃からお洒落には程遠い外見をしていましたが
昔はそれなりに怖い思いや嫌な思いをしました。
しかしそんな思いはできるだけしたくないので
いったい何故なのか、どうすればよいのか
考えを巡らせ、実践してきました。
個人的に効果的なのではと思ったベクトルは、2つあります。
一つは、「面倒くさそう」。
気が強そうで、手を出すとぎゃあぎゃあ騒ぎ立てて
抵抗してきそうで、面倒くさい。
もう一つは、「気が削がれる」。
単純に、かわいげがない、おばさんくさくて嫌だ。
どちらも、自然体でそうだったということもありえますが
真逆の人々はこれらを演じることで
被害を免れることができるかもしれません。
<夜道を安全に歩く、個人的おすすめの方法>
① 背筋を伸ばす。
② 大股で歩く。
③ 早足で歩く。
④ 目線をあちこちに振る。
①は、歩く時もですが、立っている時もです。
特に、プラットフォームで電車を待っている時とか。
痴漢被害の防衛戦は、乗車前から始まっています。
背を伸ばしているだけで、なんだか堂々として
理不尽に遭っても引かない人に見えるものです。
あなたがどんなにお洒落でかわいくても
「こいつは騒ぎ立てそうで面倒だ」と思われれば成功です。
②③も、気が強そうに見せる方法です。
そんなこと?と思うかもしれませんが、逆に
小股でゆっくり歩いている人って、おとなしそうで
与しやすそうに見えないでしょうか。
ちなみに、大股と早足を同時にやるときついのですが
その分シェイプアップにもなるらしいので
夜だけでなく常にそういう歩き方をする、のもよきです。
④は、周囲を警戒しているというボディランゲージです。
やりぎるとまわり中を威嚇してしまいますが
(別にそれでも構わないのですが)、
なんとなく見回しているだけで緊張感は伝わります。
ちなみに、すでに怪しい気配を感じていたとしても
相手、特に顔を直接見ることは、してはいけません。
あくまでも、そちらの「方向」を「さりげなく」見る。
たまたま同じ方向にある別のものを見たふり、で十分です。
ただし、おどおどした視線では逆効果なので、顎は上げて、
電車内なら、相手の手元くらいの高さを見下ろす角度で。
夜道なら、少し相手の位置を外したあたりを振り返るとか。
また、道を横断するときに素早く左右を向く仕草で
警戒オーラを発することは、私は今でも
ひったくり対策としてやっています。
ここまでは、「面倒くさい人」を演じる方法でした。
次からは、「気が削がれる人」に見せるため…でありつつ
自分が怪しい人認定されかねない、捨て身の方法です。
<夜道を安全に歩く、捨て身の方法>
⑤ 独り言を言う。
⑥ がに股で歩く。
⑦ 歩きながら筋トレする。
⑤は、すでに声を発していることで
この人は何かあるとさらに大声を出す、つまり
騒いだり悲鳴をあげたりする、という連想をさせます。
周囲への注意が散漫になっていると思われない程度に
という但し書きはつきますが、電話しているふりもOKです。
こちらの状況が誰かに筒抜けだと思わせる意味でも
電話のふりはお薦めされることがあります。
ただ、一人で会話のふりをするのは結構難しくて
緊張しているとうまくできずに逆効果になったりします。
そういう時は、単純に独り言を言う、のが早いです。
ずっと喋り続ける必要はありません。ここぞという時に
大きめの声で、どうでもいいことを言い放ちます。
そして、つい口をついた独り言に恥じらうなんて素振りは
露ほども見せず、平然と歩き続けます。(ここ重要です)
⑥は、爪先や膝を外向きにするのではありません。
遠目にも判るよう、踏み出す足を外側に振ります。
右足は右へ、左足は左へ。
やりすぎると弱々しい「よたよた」になりますが、
そうではなく、力強い「どたどた」を目指します。
一足ごとに地面を踏ん張るその迫力で
けしからん輩の気を削いでやりましょう。
⑤⑥は、なんと、年齢とともに自然にできるようになります。
ですが、若いうちから習得しておくのも悪くありません。
⑦は、大きな荷物を持っているとき限定の方法です。
スーパーで大量に買い出しした帰り道とか。
荷物は肩にかけず、体から少し離して手に持ちます。
それを、歩きながら肘を曲げ伸ばしして上下させ
力を込めてダンベルを上げ下げするような動きをします。
両手で交互に行うのもよいでしょう。
「重い荷物は、腕を後ろに引いて持つことで
二の腕のシェイプアップになる」と聞いたことがあります。
ですので、この方法は本当に筋トレにもなりますが、同時に
「関わってはいけない人」感も醸し出せます。
社会人の方々は、年末、年度末に向けて
これからますます帰宅が遅くなるかもしれません。
そういう時に、私が実際にやってきた方法をご紹介しました。
これらの方法のおかげで私を避けて通っていったのは
怪しい人だけではないかもしれませんが、
もちろん、狙いどおりです。はい。