赤い糸の伝説と少子化
官僚も専門家と呼ばれる人達も目先の数字に囚われて「何故?」と考える習慣を持たので有効な対策が思い着かず、バンドエイド的施策に走る。少し考えれば、個人主義が拡がると同じ規模の街でも住める人の数は減るのは理解出来る。
「個の時代」と言われるようになって久しい。個人主義下ではプライバシー (秘私) が尊重される。秘私は空間的隔離を要求する。それが個人空間 (パーソナルスペース) です。個人空間は、各個人が廻りの目を気にせず寛げる場所です。其空間の要求度が個人意識の高まりと共に拡大しつつある。勿論、個人にとって、ひとりが一番気楽です。
其に加えて、社会的女子の導入も男女間距離を拡大した。大家族制時代は、性意識が希薄だったので襖で仕切られてるだけの遮音の無い家でも大勢住む事が出来た。社会的階級としての社会的女子が誕生し、男女差を階級差別の手段として利用する以前は、子造り(性交)も生活音が筒抜けの古民家で問題無かった。ラブホは昭和も戦後の産物です。それが、社会的女子誕生で、男女が対で過ごす事が特別な意味を持つようになり、同性同士で群るのが一般的になった。
つまり、個人主義の台頭と生殖行為の社会階級化によって、個人空間が拡大すると共に男女間距離が広がり疎遠になった。
という前提で考えれば、結婚を考えるカップルを増やすには、男女間の敷居が成立する前からの知り合い同士を付着ける。社会的女子の意識が高まるのは小学校6年位からで、中学卒業前に大体固まる。という訳で小学校や中学校の同窓会で出会いの機会を作るのが一案かと。
因みに、一般的に長い期間一緒に居た相手、似た生活体験・社会的背景を持つ相手と居ると落着き、背景の違う人に対しては反発する。反発は一時の刺激かもしれ無いけど長続きし無い。
※ 口絵は津雲むつみ氏の「赤い糸の伝説」の表紙です。一日も早い能登半島の地震復興を。