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人と人とをつなぐもの

■読んでほしい人
・チームのマネジャーとして、チーム運営に奮闘している方

■この記事でいちばん伝えたいこと
・人と人とはコール&レスポンスでつながっている
・貢献と感謝 それってつまり、愛だよ

■読んだ後どうなってほしいか
・チームづくりをみんなで楽しめるようになってほしい

■ はじめに : 人はどうしてつながるんだろう

人と人とはなんでつながるんだろう。
コミュニティとはいったいなんだろう。

そんなことを思い始めたのは
職場で営業チームのマネジャーになって
自分のチームのあり方を考えはじめたことがきっかけだった。

なぜ人と人はつながるのか。
何がつなげるのか。

■ 何がつなげるのか

最初は、「主義や主張」がそうさせるのだと思った。
同じ思いをもった人が集まる、あるいは、集まった人たちを同じ思いがつなげる。
ぼくのチームでいえば、顧客に貢献したいという信念や
よりよくお仕事していたいという思い、などなど。

次に「利益やメリット」だと思った。
お給料という金銭的な利益があることはもちろん、
社会的な評価を得られたり自己実現できたり、
あるいは何かしら気づきや学びがあって自分のためになる。

確かにこれらも大切な要素ではあると思う。
いくら利益があるといっても本意ではないことをやりたくないし、
逆にやりたいことであっても利益がないとそこに居続けたいとは思えない。

でも、これらは
目的のようなものはある程度説明しているけど
方法については説明できていないように思った。

言い換えれば、集団の内側(風土みたいなもの)については
考えられているけど、個々のメンバーの内側については及んでいない。
※他にもあるように思うが、言語化が追いついてない。

人と人は、つまりメンバー同士は、どんな方法でつながっていて、
それがどんなものであれば心地よいのか。

当時、フルリモートでお仕事していたぼくは
メールやslack、みんなのやりとりに目を凝らし始めた。

■ 人と人とをつなぐもの

なんでそう気づいたのかも分からないほどに
ものすごくすぐそこに、ぼくにとっての答えがあった。

それは、今まさにぼくが目を凝らしている
メールやslack、いろんなツールでも見られる
みんなそれぞれの「やりとり」だ。

やりとりって、誰かの呼びかけがあって
また誰かがそれに応える。

呼びかけと応え。コール&レスポンス。

>>> コール&レスポンス
質問に対して、それへの回答かもしれない。
お願いに対して、それへの対応かもしれないし、そのお礼かもしれない。
ボケがあって、それへのツッコミかも知れない。

>>> コールとレスポンスは明確に区別できない
コールとは「問う」や「求める」ということだけど
ときにはレスポンス(「応える」・「与える」)することで
また新しいレスポンスを受けたり新しいコールがあったりと、
何かのレスポンスだったものが、今度は違う何かをうむコールになることもある。

>>> コール&レスポンスで交換されているもの
それに、言葉を用いたものだけではなくて
物理的に物をやり取りすることかもしれない。

物に限らず、動作とか雰囲気とか気持ちとか
手でつかめないものも交換していることもあるだろう。

>>> コミュニティを素粒子レベルで分解すると
そもそもコールがなければ何も動き出そうとはしない。
そして、それへのレスポンスがなければ集団にいる意味はないし、
生き生きとしたコミュニティとも言えない。

※ただそこにいるだけでお互いにOKということもあろうかと。
それについても、いていい?いていいよ!という何かしらの交換があるように思う。

また、「どうしてつながりたいのか」という問いには
「コールすることで、肯定も含めて何らかのレスポンスがもらえるからだ」とか、あるいは
「レスポンスして、肯定されたり、達成感や評価を得られたりするからだ」と説明できるようにも思う。

突き動かすものが社会貢献したいという思いであろうと、
会社の方針であろうと、義務であろうと強制であろうと、
コミュニティに属している以上は
そこにコールとレスポンスが存在しているように見える。

>>> まとめ
こんなふうに、高速で立場が入れ替わって複雑に作用しあって
シンプルな対になっていないことがほとんどだけど、
コミュニティを素粒子レベルにまで分解すると
コール&レスポンスがそれを構成しているのではないかと思うのだ。

■ どんなコール&レスポンスが心地よいかな

ぼくのチームにおいても
天文学的な数のコール&レスポンスが発生している。
それぞれにおいて、あらゆるものが交換されている。

内容はさておき、それらの「姿勢」に注目するとこれら4つに分類される。※これはアサーティブコミュニケーションの勉強をしていて学んだ分け方。

・自分はOK、相手はnot OK
・自分はnot OK、相手はOK
・自分もnot OK、相手もnot OK
・自分もOK、相手もOK

この4分類についての細かい紹介は他に譲るけど、
「自分もOK・相手もOK」というやりとりがなされていると
集団のなかで安心して過ごせるし、
互いにとってキツい内容であっても建設的に進む可能性が高い。

自分やみんなの気持ちを「自分もOK・相手もOK」という状態に持っていくのは
自己理解と他者理解、そして相互理解が欠かせないとぼくは思っていて、
その作業はなかなかに大変だと感じている。

それでも「自分もOK・相手もOK」となっている
コール&レスポンスはどんなだろうか。
またみんなのメールやslack、チームメンバーの挙動を観察してみた。

  •  相手を慮って言葉を選んでいる

  •  たたき台をつくって、意見を求めにいっている

  •  みんなでつくった仮説を早速フィールドに持っていって検証している

  •  苦しくても、これはどうだろうって提案している

  •  誠意を込めて、言葉を尽くして、NOと言っている

  •  みんなのために、尽力を惜しんでいない

  •  誰かの尽力に気づいてありがとうって言っている

  •  お互いにありがとうって言い合っている

そんな姿に触れていて、
それってつまり「貢献と感謝」だと思った。
さまざまなポジティブなやりとりを見ていて、
そんなふうに抽象化するのがぼくにはしっくりときた。

コール&レスポンスのスパイラルのなかで
「貢献と感謝」がやりとりされていると、
その背景は「自分もOK・相手もOK」という状態になっていて
それであればさらに安心や前進が生み出させるのではないかと思い至った。

■ どうすればそうなるかな

貢献と感謝を、日々のコール&レスポンスにのせていく。
どうすればそうなるかな。

この問いは、ぼくの新しい道しるべとなった。

そういえば、このことは
メンバーのエンゲージメントを高めようといった主旨で
組織論やメンタルヘルスケアなどのさまざまな領域で
一般的に語られていることに近いと思う。

感謝することであれば、すぐにでもできそうだ。

他者からの貢献に気づいていないことはないか?
自分がコールできたのは、誰かのレスポンスが土台になっているおかげではないか?
誰かの貢献があったから、自分が評価を受けることができたのではないか?

などなど、ありがとうって言えることを増やしていく。
そうできるように、他者とのコール&レスポンスに目を凝らす。
第一歩として、ここからならできるように思う。

そして、お互いに「まるをつけあう」ことができるようにしていきたい。
自己理解や他者理解、それから相互理解へと進めて、
お互いの言動だけでなくそのバックにある本質についても「まるをつけあう」ことができれば
安心して前進のためのコール&レスポンスができるように思うのだ。

それにはなかなかに長い道のりが予想される。
でもみんなと一緒なら遠くまで行けると信じている。

‐ ‐ ‐ 以上です。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。

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