スパイク・リー映画をもっと知りたい
最近1ヶ月以内にスパイク・リー作品を三作品見た。
「ドゥ・ザ・ライト・シング」と「マルコムX」と「ブラッククランズマン」の三つ。
前の2作品は暴力と正義の話だった。
正しくあることってどんなことだろう、一度の過ちでも許されないんだろうか、そんなことをずっと考えていた。
でも、スパイク・リーは「暴力は正義ではない」と揺るぎない意思を一貫して表示していた。
映画というすごく抽象的なことを伝えるフォーマットで、彼は明らかなステイトメントを出していると思う。
それがスパイク・リーのかっこよさだと思う。
実生活でも「意思を表示することを恐れない」という彼自身の正義を体現し続けている。現に彼は、政治や社会問題について、白か黒かを明らかにして世間に伝えることを恐れてはこなかった。(誤った認識をされたこともあったけど)
そして「ブラック・クランズマン」でも同じ魂を感じた。
舞台となる時代は70年代なのにどこか現代でも心地の良いテンポ感。それにコメディ要素、そして「黒人が白人至上を掲げる組織に潜入する」という掟破りの実話。前2作品と異なる要素で溢れているのに、映画を作るものとしての魂は変わらない。
反対に、彼の映画には決まった要素がないことが魅力なのかもしれない。コメディチックにもシリアスにも物語を展開できる。ある一日の些細な出来事もある人の一生涯も描くことができる。しかし、そこには「意思を表示することを恐れない」という魂が常に宿っている。それが彼の人生であり、彼が映画作家であるための原動力なのではないかな、と思ったりした。