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信頼関係が引き出す自由な発想。「餅屋×イラストレーター・あずきみみこ」コンテンツ制作の舞台裏
個人の能力を活かして独自のフィールドを作り、活躍の場を広げるクリエイター。私たちSNS時代のプロモーション企画集団『餅屋』では、そんなクリエイターと共に企業の課題解決に向けたお取り組みを実施しています。
イラストレーター・あずきみみこさんが届ける心安らぐイラストは、まるで仕事をたっぷりと頑張った日の後のバスタイムのような優しさをはらんでいます。
彼女が作り出す、温かく日常に寄り添うイラストの数々はSNSに存在するオアシスのよう。餅屋では、そんなあずきさんと共に株式会社ロッテ「クーリッシュ」の公式SNSにてオリジナルコンテンツの制作に携わりました。
第1話『クーリッシュの生態』
— ロッテ クーリッシュ【公式】 (@lotte_coolish) April 25, 2020
「バニたん」は溶けると…こうなるらしい。 pic.twitter.com/ZpCUt79FnR
餅屋のコンテンツディレクターであるタカミリホと二人三脚で携わったというこの取り組み。コンテンツ制作を行う最中に二人が考えていたこと、お互いに信頼を寄せながら手を取り合ってゴールを目指すためのコツとはなんでしょうか。
クリエイターであるあずきさん、そしてディレクターのタカミ、それぞれの目線から触れていただきました。
タカミ リホ テテマーチ株式会社
Social Contents Studio『餅屋』 コンテンツディレクター
前職ではWeb広告代理店にてSNS運用/コンサルティング業務に3年間従事。2019年4月テテマーチ株式会社に入社後は、SNSを中心に活躍するクリエイターやインフルエンサーの発掘やエンタメ・食品・美容など業界問わず幅広いジャンルでの企業とのタイアップ企画を多数手掛ける。
あずきみみこ イラストレーター・キャラクターデザイナー
北海道の田舎育ち。心に寄りそうポップなキャラクター作りを得意とし、twitter/instagramではモノと言葉をかけ合わせたアイデアイラストを投稿。4コマやエッセイの執筆など幅広く活躍。
きっかけはSNS。熱烈な「好き」から始まるクリエイターとのつながり
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── お二人とも今日はよろしくお願いします。あずきさんが餅屋とお仕事をご一緒してくださったのは、このクーリッシュのコンテンツ制作が初めてと伺いました。もともとお二人は繋がりがあったのでしょうか?
タカミ:わたしがあずきさんのSNSをフォローしたのが始まりだと思います。SNSであずきさんが描かれているイラストを拝見して、ものすごくかわいくて好きだなあって感じて。そこからフォローして、リプライをお送りしたり、彼女への愛をツイートするようになったんです。
大好きなあずきみみこさん(@azukimimiko2 )のおみくじで今年の運勢出た!吉蔵だった! pic.twitter.com/ez0sOCiF5G
— タカミ リホ|LiSAッ子 (@TAKAMi_tete) January 3, 2021
あずき:日頃から描いているイラストをタカミさんは「とても好き」と言ってくださって、嬉しいなあ、ありがたいなあと思っていたんです。そうして普段からコミュニケーションを取っていたら、お仕事をご一緒してくれませんかとお声がけくださいましたよね。
── 誰もが知る夏の定番アイス“クーリッシュ”のお仕事。どういった経緯でお仕事が始まり、あずきさんとご一緒するようになったのでしょう。
タカミ:ロッテさんからいただいたご相談がきっかけでした。クーリッシュはご存知の通り、多くの方に知られるブランドですし、売上も安定している商品です。今回、さらなるブランドの成長に向けて、より濃いファンの獲得と醸成をSNSを通じて行いたいとご依頼いただきました。
クーリッシュを知ってもらうだけではなく、より一層クーリッシュを好きになってもらうきっかけや購買のモチベーションとなる取り組みを行うことで、クーリッシュに対する愛着を持ってもらいたい、と。その仕組み作りや施策検討を、餅屋として担当させていただくことになりました。
また、そのお話をロッテさんからいただいたのが、ちょうど2020年春頃で……新型コロナウイルスが蔓延するという未曾有の事態で、この先どうなってしまうのだろうという不安を多くの人が抱えていたように思います。SNS上でちょっとでもワクワクできるようなコンテンツを発信できれば、人々の癒やしになるのではという気持ちもありました。
── 時期も相まって、餅屋の得意とする企画力やプロモーションのストーリー作りが活きるお仕事が始まったのですね。あずきさんをお誘いしたのはどういったタイミングで?
タカミ:餅屋としてロッテさんのSNSでどんな発信をするのが良いだろうかと施策案を複数検討していた際ですね。その中の一つが今回採用いただいたアイデア。「あずきさんとタイアップしてクーリッシュを擬人化したキャラクターを創作し、クーリッシュのある日常を描く」ものでした。
日頃からわたし自身が好きで見ていたあずきさんのイラストのタッチやキャラクター創作の様子、豊かなストーリーの描き方やモノに命を宿す日々の制作コンセプトがとってもクーリッシュに合うのではないだろうか……と思って。自信を持ってロッテさんに提案したところ「すごく良いですね」と賛同してくださったので、あずきさんに正式にご依頼を差し上げました。
あずき:ご依頼いただくまでにそんなストーリーがあったなんて……とっても嬉しいです。今回のお仕事のお話をいただいたとき、まるで夢のようでしたし、驚きましたし、光栄なお話すぎて胸がいっぱいでした……。
タカミ:ええ、そんなに感動していただけていたなんて……!
あずき:そりゃあもう! メールをいただいたときなんて、膝をうんと屈伸してびよ〜んと飛び跳ねるくらいの喜びようだったんですから!
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一同:(爆笑)
あずき:お声がけをいただいた2020年の春先は、イラストレーターとして独立してまだ1年ちょっとの頃でした。ですから、そもそもお仕事のお話をいただけるだけで本当にありがたいことだったんです。
それに、わたし自身、お菓子メーカーさんにイラストをまとめた作品集(ポートフォリオ)をお送りしてお仕事の機会をいただけないかと営業活動をするほどのお菓子好きなんです。ロッテさんといえば誰もが幼い頃から馴染みあるお菓子を作られているメーカーさんですし、クーリッシュも大好きなアイス。
今回のお話は、誇張でもなんでもなく、イラストレーター・あずきみみこの夢を叶えてくださるお仕事に他ならなかったんです。そんな夢を、日頃から仲良くしてくださっているタカミさんを中心としたみなさんに叶えていただける機会でした。
自由度の高さと探究心がアイデアの質と量を高めてくれた
── 取材の冒頭からお二人の信頼感が伺えますね。実際にお仕事をご一緒してみて印象的だったエピソードや振り返って思うことなどを教えていただけますか?
タカミ:まず、プロジェクト全体を通して思うのは、クライアントであるロッテさんやクリエイターであるあずきさんなど、人に恵まれて進められたということでしょうか。
というのも、企業とのお取り組みの場合、なんらかの理由により制約が生まれるケースがあります。ところが今回、ロッテさんは私たち餅屋のクリエイターと共創して企画を作り上げるというスタンスをすごく理解してご相談をくださったので「課題解決に向けた方法なら進め方はおまかせします」と仰って任せてくださいました。
私たちにはその分の責任が伴いますが、多角的なアプローチを考えられましたし、あずきさんと二人三脚で制作を全うできたように思います。
また、あずきさんに対しては「本当にすごい」の一言です。今回、クーリッシュを擬人化したキャラクターの考案、コンテンツのストーリー設計などを中心にお願いしたのですが、クオリティもさることながら、引き出しとスピードが素晴らしくて……。
提案してくださるアイデアに毎回驚きましたし、それらを的確にクリエイティブに落とし込む力に助けていただくことばかりでした。
あずき:恐縮です……! こちらこそ本当に楽しく取り組ませていただきました。わたしは基本、ディレクターであるタカミさんとやりとりすることが多かったので、とにかくタカミさんのコミュニケーション力に脱帽していました。
タカミさんってお仕事のときでも比較的カジュアルなテイストでメールをくださるんです。「!」や絵文字なんかが入ったメールがすごく温かな人柄を感じさせてくれるので、クリエイターとしてはなんでも話せる安心感がありました。
また、これが本当にタカミさんの素敵なところなんですが……ずっっっと同じ熱量で変わらずに接してくれて、提出したイラストやストーリーの良いところなどもしっかりと褒めちぎってくださるんです。
もちろん、クーリッシュさんの意向に沿わないような表現になってしまうことがないよう、意見がある際には理由を添えて指摘してくださったり、一緒に改善案を考えてくださったりもしました。
── カジュアルな連絡だとお互いに肩肘張らずに話すことができますよね。「褒めちぎる」というのは具体的にどのような……?
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あずき:「ここがかわいい!」「最高!」のように提出したものに対してポジティブなお返事をくださるイメージです。もちろん、私たちクリエイターは褒められたいがために制作をしているわけではなく、見てくれる方々に楽しんでもらえたらと思って制作をしています。
でも、そうはいってもクリエイターだって人間。丹精込めて制作したものを最初に見てくれる人がどんな反応を返してくれるのかが、次の創作に進むための意欲になるんです。
そういった意味で、タカミさんのお返事は創作者にとっては明日を生きるための道標になる。だから、タカミさんの存在は仕事を進める上で本当になくてはならないものでした。
タカミ:どうしよう……褒めちぎられ返して嬉し恥ずかし、という気持ちです……(照)。
── お二人のお話を伺っていて、前提としての信頼があるからこそ、お互いが120%以上の力を発揮して制作に取り組めたのかなという印象を受けました。ところで先ほどのタカミさんからのコメントに「あずきさんの発想力が素晴らしい」とありましたが、今回の制作において特に意識した点ってどういったところなのでしょうか?
あずき:今回の制作に限らずですが、普段からなるべく「わかった気にならず深く理解しようとする」ことを意識して制作しています。たとえば、今回はクーリッシュを擬人化したキャラクターの創作から始めたので、まずはクーリッシュの知らない素顔を知りたいと思ったんです。具体的には、クーリッシュの本体を曲げたり捻ったり、アイスを押し出してみたり伸ばしてみたり溶かして食べたり……。
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── すごい……! まるで自由研究のようですね。
あずき:あ、もちろん素直に飲んでもいますよ(笑)。クーリッシュは“飲むアイス”とされている分、飲んで楽しむ方がほとんどのはず。だからこそ、あえて飲む以外の側面からもクーリッシュを見つめてみたんです。すると、パッケージの意外な素材感やアイスの新しいおいしさに気づいたりして。そういった要素をキャラクターにも落とし込みました。
あとは、その研究した動きを元にキャラクターたちが動くようなアニメーションも作りました。実物と触れたり、イラストだけではなくアニメーションをアウトプットすることなどで、自分自身の理解もすごく深まりました。
バニたんとおチョコちゃんがついに動きました~🎉✨
— ロッテ クーリッシュ【公式】 (@lotte_coolish) May 19, 2020
筋トレは良いけど、溶けないようにご注意を…!#クーリッシュの気持ち pic.twitter.com/Q4If8QZYaC
タカミ:こういったプラスアルファの取り組みを、お願いせずとも自ら当たり前のように実施してくれるクリエイターさんってそう多くありません。もちろんスタンスは人それぞれなので正解はありませんが、より良いものを目指して新しい提案や可能性を模索してくださるあずきさんのスタンス、わたしは大好きです。
肩書きの枠を超えて、クリエイターと共創する世界へ
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── こだわりを持ち、高い自由度の下で実施できた今回の取り組みとのことでしたが、ロッテさんからの評価やお声ってなにか届いていますか?
タカミ:ロッテさんの社内では取り組みに対して好意的な反応が多くあったと聞いています。社内でも創作したキャラクターに愛着を持ってくれる社員さんが増えたそうで、もともと単発でのお仕事の予定だったにも関わらず、追加発注が何度も発生していたようです。
その他にも、コロナ禍でのオンラインミーティングの際にはキャラクターのZoom背景が生まれたなんてエピソードも聞いています。
また、今回はTwitterで投稿するコンテンツとして制作していましたが、同じイラストをInstagramでも投稿してくださったんですよね。
そのおかげもあり、ユーザーさんからイラストに対してコメントをいただく機会が増え、SNS上でのコミュニケーション活性化にもつながりました。社内外共にポジティブな取り組みができたこと、本当に嬉しく思っています。
── 餅屋が大切にしている本質的な思想の取り組みが、こうして企業にとってもポジティブな結果を生み出していることにすごくやりがいを感じますね。
タカミ:本当にそうですね。今回はわたしが昔から抱いていたあずきさんへの愛をお仕事に繋げさせていただいたわけですが、その好きな気持ちが高い熱量となって取り組み全体に影響を与えることができたように思います。
熱量があるからこそ企業にもクリエイターにもその想いが届くのだと思いますし、餅屋に仕事をお任せいただけた理由の一つにもなったのではないかなと。
実際、今回のようにロッテさんにも全幅の信頼を寄せていただき、あずきさんと一緒にこだわり抜いたクリエイティブを生み出すこともできましたからね。だから、これから先も餅屋の信念を忘れることなく進んでいきたいです。
そして、あずきさんにもその共創の担い手として末永くご一緒してもらえたら嬉しいなと思っています。わたしにとっては、あれこれとお仕事をお願いしたいくらい、信頼しているクリエイターですから。
あずき:光栄です……。クーリッシュのお仕事が一段落した今、実は“クーリッシュロス”ですし“タカミさんロス”でもあるんです(笑)。だから、もし機会があればいつだって呼んでください。これからもたくさん一緒にお仕事したいです。
今までは「あずきみみこ」としてイラストを中心に活動してきましたが、今後は商品企画をしたり、コピーを作ったりと、イラストレーターの枠を超えて挑戦したいなっていう野望があるんです。そういった新しい一歩も餅屋で踏み出せたら良いな、なんて思っています。
タカミ:ええ、それめっちゃ良いじゃないですか! 餅屋は今、まだ産声を上げていないブランド構築やゼロベースの新規企画の立ち上げに参画する機会がすごく増えているんです。そういった環境では“できること”に依存せず、いろいろな目線の人同士が対話を重ねることがすごく大切。
あずきさんは自由度の高い環境下でのアイデアの質がすごく高いから、輪郭のまだないまっさらな環境でのお仕事でもご活躍いただけそうですね……絶対にまた一緒にお仕事しましょう!
── お二人が関わり合うことで生まれる新たな取り組み、今からもう待ち遠しいです。たくさんのお話をありがとうございました!