八月十二日

日記A面
メモ:蝉は22時台に再び鳴き出し1時台には寝静まる

日記B面
 またしても目が覚めたら蝉が鳴いていたし、日中もずっと寝ていた。夕方、お腹が空いたので昨日食べ残して机に出しっぱなしにしていたカレーを温めなおす。…食べれない味ではないが、そこはかとなく嫌な酸味を感じる。気づかないふりをして米だけ食べ切った。残ったルーをもう一口食べてみるが、やはりこれ以上は危険な気がする。心の中で精一杯の謝罪をしながら葬った。最近はこんなことを繰り返していて、もうそろそろ夢に出てきてもおかしくはない。
 起きている間、おすすめしてもらったスケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティという珍妙なタイトルの漫画など読んでいた。ライトなホラーでおもしろかった。
 人のおすすめにちゃんと手をつけるのは、自分にしては珍しいことだ。おすすめする・されるという行為自体は好きなのだが、人からおすすめされたもの自体に興味をもてるかどうかは別問題のようで、大抵は聞くだけで終わる。おすすめしてもらった手前ちゃんと手をつけて感想を述べる、などという律儀さは悲しいことに持ち合わせていない。
 こんなだから、自分も好き勝手おすすめするがその後のことは割とどうでもいいと思っている。音沙汰なくてもおすすめしたこと自体忘れてるから問題ない。別にそれについて何か言われても深く語れるわけでもなく、「あれ読んだよ」「おもろいよね」「ねー」くらいで終わる。
  こうなるとなぜおすすめし合うのが好きなのかは謎だが、今わかるのはわたしにとってそれは手段ではなく目的になっているのだろうということだけだ。

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