記録 一月二十六日
できることが増えるって、いいものだ。元来、私は何かを達成したいという欲求が全くないわけではないけど弱い方で、毎日が平穏無事に過ぎていけばそれがいいと思っている。
中高6年間続けた陸上だって、結局のところ勝ちとかタイムの向上を渇望することはできなくて、ただ部活の友達との関わりが楽しかったから続いただけだ。
特にここ数年は、向上心みたいなものも失せていたし、できないことはできないから、自分の得意分野を伸ばすというスタンスでやってきた。何かできないことをできるようにと、外からの圧が掛かろうもんなら苦痛にすら感じていた。
仕事がそろそろ板についてきて、また新しい業務が追加されつつある今、久方ぶりに小さな達成感を味わっている。さらには向上心までも湧いてきた。あのスキルを身につけたら、あれをもっとこうやったら、もっと仕事をスムーズに進められそうだななんてことを合間に考えて、できるようになることを想像して少しワクワクしたりなんてしている。今までの自分だったら、「こうできたらもっとよくなる」じゃなく、「ここがダメだからこうしないといけない」という感じ方をして苦しくなって、結局課題解決までは至らないというのがオチだったのに。
やっぱり、人間関係と極端に苦手なことを無理にやらないということが私にとって肝らしい。しっくりくる人たちと苦ではないことをやっていると心が自由になって、それは振る舞いにも考え方にも表れる。もうどこにも私が歩ける道などないように感じた時期もあったけれど、やっと見つけたかもしれない。