見出し画像

3.2

友人とショッピングモールに行ってぶらぶらしていたら、素敵な特設コーナがあった。その特設コーナーは、トルコの雑貨を売っているコーナーだった。遠目からでもわかるきらめき。綺麗なトルコランプや香水びんにうっとりしてしまった。一目で欲しいと思ったので、お安い香水びんをひとつ購入。友人も色違いの同じものを買った。わたしが買ったものは青色のものだ。ここに何の香りを入れようか迷う。でも、キャップがあるとはいえ、心許ないキャップだ。倒れたらすぐ中身が漏れてしまうだろう。んー、それに香水のよい匂いが飛んでしまいそう。これは飾るしかないのか…。誰か有識者の方、正しい使い方を教えて下さい。

ショッピングモールを歩いていた時に出会ったこのきらめきを、わたしはずっと覚えていられるだろうか。わたしは忘れっぽい。それは障害の特性とかじゃなくて、元々忘れやすいのだ。だから大切なこともすぐに忘れてしまう。そのことがとても怖い。人は憎しみとか恨みはいつまでも忘れない。わたしも例外ではない。わたしは綺麗なものばかりで生きていきたいのに、神様はそれを許してはくれない。怖い。怖い。怖い。どうにかなりそう。この楽しさとか幸せとかをずっと覚えていたのに、それができない。死にたい。楽しい感情をこのからだに閉じ込めたまま死にたい。死んでしまいたい。

毎日鬼束ちひろを日課のように一時間聴いている。入院生活でも聴いていたから、必然とそのことを思い出してしまう。とても死にたかったあの頃。幸せを享受できなかったあの頃。頭を降っても追いやれない記憶。鬼束ちひろだけが救いだった。彼女の歌だけが、わたしを救ってくれた。わたしのことを書いているわけじゃないから、側から見たらおかしいのかもしれないけど、それでもわたしは彼女の歌に、曲に救われた。

明日は病院だ。行きの車で、鬼束ちひろのTinyScreamsを流して窓の外を眺めよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?