ALife2019, Artificial Chemistry, Oil Droplets


イギリスNewcastleで行われている人工生命のカンファレンス ALife2019に来ています。


私はオーバーブッキングで航空便の予定が変わったため、最初のセッションに参加できなくて大変でした😩

さて、初日のセッションでChemistry and Artificial Life Formsというおもしろいworkshopがあったので内容を紹介します。

Self-propelling Oil Droplets

まずはこの動画を見てください。
油滴の成分を調整することで、濃度勾配を登ったり、別の油滴を追いかけたり、様々なふるまいを実現しています。


内部構造をもたない(であろう)油滴がこのような複雑なふるまいをするのには驚かされます。

この油滴を作成するのには、油滴成分をゲノムとして、ふるまいを評価することで進化的プロセスにかけて、油滴成分の配合を見つけていったということです。
油滴のふるまいはカメラで録画したものを画像認識にかけ、化学的な進化的プロセスは自動で実行できるロボットを作成したという内容でした。


このような油滴のふるまいをモデル化する発表もあり、広島大の田中先生はreaction-diffusionの数式を適用して油滴の二次元的な動作を表現する、という発表を行っていました。

モデル化とソフトウェアでの再現

動画に出てくる油滴のふるまいはSwarmChemistryのパターンを思い起こさせますし、いくつかのパターンは再現可能だと思いました。


しかし、進化的要素の入っていないSwarmChemistryでは、引力が斥力より強いと一度集合した粒子が二度と分散せず収束してしまうという性格があります。
これを解決するために、油滴の動作モデルから何らかのルールをSwarmChemistryに輸入するようなことができれば、パターンの幅を増やせそうな気がします。

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