日本流とヨーロッパ流休みの取り方
社会人で休みが嫌いだという人は、たぶんいないだろう。私自身もちろん休みは好きだし、休みは多ければ多いほど有難い。
年末年始に長い休暇を取ったばかりのはずなのに、もう次の休暇や何なら週末ですら待ち遠しい。
ただ、ヨーロッパに移住して休みの取り方について考えることがときどきある。
日本は一般的に祝日の多い国で、しかも年末年始、ゴールデンウィーク、お盆などにまとまった休みが一斉にある。会社自体が休みになり、全員が休みになるので、基本的には仕事のことを考えなくて済む。
それに対して、ヨーロッパでは祝日は少ないが好きなタイミングで好きな期間休みを取れる。そのため休みを自分の好きなように取りやすいというメリットがあるものの、その休みの期間は周りは仕事をしていて、会社全体が休みになるわけではない。
だから、上司、同僚、部下、取引先などからは、ひっきりなしにメールやチャット連絡が来るし、もちろん返さなければならないというわけではないが、休暇中でも気にならなくはない。特に、今はリモートワークもできる便利な世の中になった反面、どこにいてもいつでも会社や仕事関係の人と距離を置くことが難しい。
もちろん業務の遂行に、その場にいることが必須の仕事だとその限りではないだろう。建築作業員、介護士、看護師、各種運転士、販売員などなど、仕事場から離れれば仕事ができない職種の場合は、休暇中に業務の連絡が来たりすることが少ないと想像する。
やはりオフィス系の職種になると、普段からリモートワークができる反面、本当の意味で仕事から離れるのが難しいのだ。
だからこそ、日本的な会社全体や社会全体が一斉に休みを取る方式はその点では優れているなと思う。
もちろんその他方で、デメリットもある。柔軟さや自由さに欠けることはもちろん、レジャー施設や宿泊施設の値段が高騰したり、混雑が避けられないというデメリットもある。
好きなときに自由に休みが取れ、かつ休み中に仕事のことを考えなくて済む環境がベストだと思うのだけれど、それはきっと社会の仕組みをどうにかすることではなく、会社それぞれで取り組むべき問題なのだろう。