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泡沫のユークロニア▷依感想
依様、存在してくれてありがとうすぎる。顔含め。「依に”とって”は」と思うと、依がしたこと全て必要だったよなと納得できるほど、依の捻くれた生き方が大好きなのです。
えぐさんもどこかで仰ってましたが「依はある意味で誠実である。自分の異常さも受け入れて、自分はこうであるの最適解で生きている。本音と建前を使い分ける常識も持っている」。これがね、わたしの心に人生に刺さりすぎた。以下、わたしが大好きなとある漫画の台詞。
「どれだけの物を失おうと、どれだけの人を傷付ようと、欲する物の為に生きる。それが覚悟」「何かを”やる”も”やめる”も、成し遂げるという意味では同じ、必要なのは行動と自分への誠意」「家族だって他人。血が繋がっていようがどんな関係があろうが、自分は自分でしかない」「誰かに迷惑をかける、それでも”そう”したい。それだって自分の意志。自分を無視して世間体や常識を考えて行動したって、”できない”し”やめられない”」
要は『人生、自分が良ければそれで良い』だと思うのですが、こういう生き方の男が刺さるんです。依は貴族・黒鶴の権力ひけらかしたり犯罪しちゃってるから、凍玻璃では異質なんだけども。でも本人も言ってるように、ちゃんと働いて社会で暮らしてるのがツボなんですよね。花畑での台詞、全てが忘れられない。「ボクがおかしいのは、ちゃんとわかってる」「家族のためにまともな人間になろうと努力した時期もあったが、無理だった」「凍玻璃の人間が嫌い。誰も彼も何かに従いながら生きていて、気持ち悪い」SSでの台詞、「常識や模範通りに行動するか否か、たまに否を選んでいるだけであって。」刺さらないわけがなかった。石蕗の存在、主に家族、周りの人間にどれだけ狂わされたのか…。
いうても、これはBEST読んだ後だから言えるだけであって、初見はそりゃ大ショックだったよね。殺しについては「立派だったってせめて一言、褒めてくれたっていいのに。経緯はどうあれ、ボクは凍玻璃を守った」の台詞で納得させられた。依への理解度が深まった気がして、さらに好きになったのに。雛菊ちゃんが言ってくれた「依さんが遠くに感じる」。ただ一言、キミへの気持ちは嘘じゃないとか、好きだよとか、そんな言葉が欲しかったんよ…!!あなたが本当にこちらを好きなら、もうなんでも良かった…!!こちら帳・淡雪ルート履修後で依の好意を頭から信じる気はなかったけど、それでも依との時間は全部楽しかった。雛菊ちゃんお荷物でしかないだろうに、本当にずっと一緒にいてくれた。茶寮や幻燈祭デート、あのプレゼントも、あのキスもあの嫉妬も。ただの暇つぶしの婚約者ごっこにしては、本当に時間を作ってくれてた。利にならない面倒事が大嫌いなはずなのに。苛々させられるって怒ってるらしいけど、嘘だとは思えないような場面も多かった。
そして。そして来たる。依in牢屋with刺繍ハンカチ。これ、ユークロ1の名シーンだと思う。依の本心を知ることができるのは、言葉なわけがなかった。全東五の姫君を黙らせる、あの刺繍ハンカチ。なんだこの最高なシナリオ!!!!「ボクの考えてること、そんなに難しい?」自分に誠実だからこそ(我儘とも言う)、これ。依らしくて好き。わかるわけねーだろ^^。「吐く嘘も選んでる」って言ってたけど、この依が、嘘吐ない場面がくるなんて………。頭抱えて立ち上がった。
前半の雛菊ちゃんとのやりとりがとても好き。この局面で「わたしはあなたのした選択が正しいものだったとは思いません」「性格の悪さ出てます!殺さなくてもよかったじゃん!」とか言っちゃう。それに依も「いや効率悪いし?」とか言っちゃう。雛菊ちゃんもね、凍玻璃にとっては異質。結局頑固でマイウェイ・自分は自分だから、ある意味依と似たような生き方ではある気がしてる。貴族らしからぬすぎ。でも根本的に価値観が絶対に相容れないものなので。なのに、よ。心の奥ではお互いがお互いに”そう”だよねと、違いを受け入れて、それでも一緒にいたいと思ってる。「なんでキミだったんだろうね」「でも好きなんだ」ほんとにそうなのよ。居候始まってからは「自分で選んだ子なんだから、短所もボクが責任を持つべき」とまで言ってる。ありえなくないですかあの依が!?!?!!これって、もう、これ以上ない最大の愛。真理。こんなに顔面と性格が癖にぶっ刺さってる男で、こんなシナリオ読めると思ってなかった。かずら林檎さん一生ついていく。
優秀で常に正しい(自称)、でも現実には勝てない相手がいることも知ってるから、負け戦・損しない立ち回りをするところが依じゃん。自分が良ければそれでいい。それが依で、それが良い。のに、石蕗がちょっかいかけるから、雛菊ちゃんのことになると合理的じゃないこともしちゃって。ここ、人間味があってほんとに良かった。「優しすぎるのがいけないのかなぁ」「誰かを傷付けることは不得意なのかも」とかまーじでどの口が言ってんだ、なんですがこれも愛嬌。自分でも屁理屈で現実逃避だってわかってるのときめいた。そしてその手に負えない相手に雛菊ちゃんが加わってるの、えぐすぎるってぇ!依が、あの依が。夜中1時2時に雛菊ちゃんのこと考えて考えた末に謝るの胸熱。これが愛以外なんだというの。
もう少し語りたい。えぐさんの演技が素晴らしかった。「はぁ?」「へぇ」「ふーん」など、短い言葉にほど依の性格の悪さがねじ込まれてて、聞いてて本当に楽しかった。存在する全台詞を履修したくて、全ルート登場シーンをセーブ取ったんですが、特に好きだったのは露草ルート西二のお屋敷にて、淡雪が石蕗にも同席を求めるシーンの「・・・はぁ?」です。わたしは「性格の悪い、女慣れした、こちらをよく転がしてくれる顔の良い男を惚れさせたい/そんな男の余裕のない顔・歯向かえない顔が見たい」などぬかして生きているので、石蕗・淡雪絡みの心底嫌悪してる場面もニチャりと咀嚼するんですけど。このえぐさんの演技によって限りなく味わい深くなってて最高。これでしか摂取できない栄養~みたいな話、本当にあるんだね。で、雛菊ちゃんが牢屋に来た時の「・・・え。」が刺さるってワケ。全東五の姫君に聞き直してみてほしい。
BADも大変おいしくいただきました🤤一切名前呼ばなくて震えたな。依側は価値観の違いも受け入れて好きなままだと思うから、ご機嫌取りデートが普通に切なかった笑。わたしも淡雪には思うところがたくさんあるので、本当に、あの、ごめんなさい、淡雪成敗の意味ではとても美味しかった…です。あんだけキレてて淡雪殺さなかったのは、やっぱり雛菊ちゃんへの愛でしかないと解釈してる。依と雛菊ちゃんにとって、向き合えないっていう世界線がBADすぎて。どっちか死ぬエンドじゃなかったのが味わい深いよ〜……。スチルも良すぎて、ユークロ知らない友人にほくろの拡大スクショの拡大を見せたまである。「何を見せられてるの?」「まことにその通り」ごめんて。
特典、かき集めてます。小冊子、ドラマCD届くの楽しみ。