欧州バックパック旅6【ドゥブロブニク】-クロアチア・魔女の宅急便の街
アドリア海のビーチへ
朝早く起き、旧市街を楽しもうと思い6:00に旧市街に向けて出発した。近くに2軒(それも隣同士に)あるパン屋さんのどちらにしようか迷ったが、いい匂いがする方で、パンを1つ買い、朝ごはん代わりにすることにした。
旧市街のメインストリートを通り、ビーチへ行った。早朝のアドリア海は濃い青色で、思っていたよりも鮮やかじゃないなかったが、太陽の光が当たり始めると瞬く間にブルーで美しい南国の海へと変化した。
早速そこら辺の岩で朝食のパンを食べ、写真を撮ったり海と海から見える旧市街をゆっくり眺めたりした。
地上の楽園、その言葉はDubrovnik のためにあるような言葉だと思った。あまりに綺麗だ。言語のレベルで消化できないほどの美しさ。感動の深さで涙が出そうになった。実際には出ていないが、心は感動で泣いていた。
ビーチは後日じっくり堪能する予定だったので旧市街へ戻った。
旧市街城壁一周ツアー
実はドゥブロヴニク旧市街の城壁は、チケットを購入すれば一周することが出来る。上から眺める海の都は絶景ということなので、これから城壁一周チケットを購入することにした。現在8:15。城壁一周のチケット販売は8:00〜。朝は人が少ないため狙い目だ。
チケットの価格はなんと日本円で4000円強。わお、たっかーい。(Dubrovnik の物価は年々上昇を続けているため、これからもっと高くなるだろう)一瞬やめようかなと迷ったが、あまりにもったいない。せっかく遥々来たのだ。
いざ城壁にのぼる。城壁からの景色はまた違って大変良かった。
山側の城壁からは統一感のある美しい赤い屋根の家々と丸い屋根の教会が見える。また、海側の城壁まで半周したところで景色がガラッと変わって面白い。海側の城壁からはどこまでも続くかのような蒼い蒼いアドリア海が見えるのだ。
1Lの水で城壁に挑んだのだが、途中水が無くなってしまい購入するはめになった。500mlで20knだ。日本円にすると約400円。流石にたかい。フランス料理店かよと突っ込みたくなるが、まあ死ぬよりはマシなので購入。城壁は日陰がほとんどないため、2L程度の水と帽子が必須だ。
なんとか脱水を免れながら一周して、元の場所まで戻ってきた。かなり見どころも多く、丁度良い長さだったため大変満足した。
間違いなしに心からお金を払って登った価値があったと思った。
まだ10:00だ。今日は一日が長く感じる。今日行きたかった場所は全てクリアしたので、あてもなく旧市街をぶらぶらすることにした。港を眺めたり教会を見たり、ダラダラしている猫の写真を撮ったりした。
旧市街の大変美しいメインストリートは人でごった返している。さすがヨーロッパのバカンス都市である。もう少し散策してもよかったのだが、日光の強さと人の多さが嫌になり、旧市街を後にした。
(朝からずっと直射日光に当たっていたので流石に辛くなった。それに日本と違いヨーロッパの日差しはローストする気満々で痛いのだ)旧市街を出て少し歩くと、小さな船着場っぽいビーチがあった。多分港なのだが、泳ぐ人が多く見受けられたのでビーチと言っていいだろう。
岩場から飛び込みをしている人を見て、なんだかいい気分になった。また、ツアーか何かだろうか、ボート(カヤック?)を漕いでいる人々もいた。朝食はパン1つだったため、お腹がすいてきた。レストランへはランチの一品の平均価格が100kn、日本円で2000円ほどで高くて到底入れない。折角なのでシーフードの一つでも食べたいが、40日以上の旅なのでお金は節約せねばなるまい。よって事前に調べておいた安い地元のファストフード店(多分チェーンではない)に行くことにした。
地元の格安絶品バーガー
店名は「Sandwich Bar Pile」。バーガーが20-30knと格安だ。信じられないほど安い(他の店だったら水しか頼めない価格だ)。格安バーガーを求めてか、案の店の前には行列ができていた。自分の番がきたので、チェバピというバーガーっぽいものを注文することにした。サイズが大と小があり、小を頼んだが、かなり大きかった。お腹を満たすには十分だ。いや、十一分くらいだ。バンズの中身は、レタス、トマト、きゅうり?のピクルス、スライス玉ねぎにチェバピ(味付きのひき肉を固めて焼いたもの)だった。店の前にも立ち食いカウンターがあったが、道を入れば海なので、海を見ながら食べることにした。
日向で日光が痛いくらいだが、最高のランチだ。チェバピは大変美味しかった。
少し遠くのビーチ
旧市街から離れ、少し遠い(といっても2km程度)のビーチへ向かった。水着は宿に置いてきたが、きれいなビーチとなるとやはり見てみたいものだ。Dubrovnik は山の麓にあるので階段が多く、炎天下の中歩くのは大変だ。汗ダラダラで息切れしながらビーチに着いた。旧市街から離れているが、多くの人で賑わっていた。近くにリゾートホテルでもあるのだろうか。泳ぐ人ももちろん多かったが、日焼けをするために寝ている人が大多数だ。(足の踏み場がないくらいに皆寝ている!)
サンダルで来ていたので、足だけ海にちゃぷちゃぷしてみた。透き通った水が冷たくとても気持ちがいい。すごく良い時間を過ごせたのでしばらく写真を撮ったりしてちゃぷちゃぷしていた。しかし、直射日光が辛くなってきたため、流石に長居はできなかった。
ビーチにさよならをした後、一度宿で体勢を整えることにした。炎天下の南国で無理は禁物だ。
エナジーチャージを十分にした後、今度は旧市街を俯瞰できるビュースポット(ちょっとした高台)を目指した。道が思ったより複雑で階段を登ったり降りたりを繰り返しクタクタになったが、辿り着くことができた。
ビュースポットとだけあって、そこからの旧市街の景色は美しかった。ほとんど人がいなかったのでしばらく見とれてしまったくらいだ。写真では感じることのできない特有の迫力がある。時刻は16:40をまわっていた。しかし夏のヨーロッパの昼は長く、まだまだ日が高い。
Game of Thrones ロケ地
朝一に登った城壁一周チケットは旧市街の隣の要塞でも使えることを思い出し、早速登ってみることにした。正直疲れており、宿でゆっくりしたい気持ちもあったが、高い値段で買ったチケットだったし、クロアチアなんて次回はいつ訪れることができるかもわからないため少し頑張って登ることにした。
要塞からの景色は素晴らしかった。要塞は旧市街の外にあるため、今まで見たことがない角度から旧市街の城壁を眺めることができた。ここからの景色はgame of thrones のロケに使われたらしい(観てないので正直どうでも良い)城壁には大砲も置いてあった。
なんだかこのようなアイテムが一つ置いてあるだけでも昔の風景の想像を容易にする。なんだかんだ言って、かなり要塞を堪能することができた。
夜ご飯を買いに行くことにした。お昼行ったお店があまりに優良なのでそこへ再び行く。道の途中、野良イヌとすれ違った。
小型で舌を出し幸せそうにハッハ言いながら歩いていた。あのイヌは皆から可愛がられているのかなと考えながらお店でサンドイッチとサラダを購入した。野菜不足だったのでサラダが買えたことがとても嬉しかった。(中身はレタス、大きいスライスきゅうり?、コーン、トマト)お店を出て、どこで食べようかと悩んでいたところ、再びさっきの野良イヌと遭遇した。距離はそう離れていなかったが少しびっくりした。少し考えた挙句、夕食は旧市街から離れたところにあるビーチで食べることにした。
絶景を見ながら崖で夕食を食べる
そのビーチは小さく、あまり知名度がない。さらに砂浜でなく岩場といったところなので人がごった返しているわけではなかった。僕はまず窪みに作られた机と椅子に座ってサラダを食べた。
その後、もっと海の近くで食べようと岩場を降りたが、人がいて食事に最適な岩場がない。結局、階段途中の崖で食べることにした。一歩踏み間違っても大丈夫だが、3歩くらい踏み間違ったら崖から落ちるような場所だ。ああ怖い。そんな場所で、傾きかけた太陽に照らされた海、そこを横切る船を見ながらサンドイッチを食べた。最高だ。実に最高だ。これこそが旅である、なんて思った。
お腹一杯になって、宿へ帰ってもよかったが、大きめのスーパーが近くにあったので寄ってみることにした。色々あった上にクロアチア語が読めないので迷ったが、レモンの絵が描いてある瓶のお酒を購入した。冷えたお酒を今すぐ飲みたかったが、オープナーが無い。どうしようかと一人で力んでいたところ、通りすがりの若いイギリス人の男性が親切にも「開けようか?」と言ってくれ、どうやったのか分からないが秒で開けてくれた。感謝でいっぱいだ。そして何より優しくしてくれたことが嬉しい。
スーパーから少し歩いたところは港だったので港で夕暮れの一杯を飲んだ。爽やかでとても美味しい。ヨットが並ぶ景色も大変贅沢だ。しかし気付いた。ここは日本ではない。よって路上飲酒は許されるのだろうか。ちょっと調べたが、よくわからなかったので、念のため誰かに見つからない内に瓶をしまい、宿へと向かった。港から宿は階段続きなので汗が滴り落ちた。息絶え絶えでやっと階段を登り切り、宿が接する道へと上がったところ、なんと驚いたことにあの野良イヌと再会した。これはビビった。ビビるを通り越して怖いとも感じた。舌を出しハッハ言いながら歩くイヌの姿に狂気すらも覚える。2km以上、しかも激しい登り階段。こんなことがあるのかあと偶然か必然かは知る由もないが悪戯が過ぎる。
部屋で飲むのもよかったが、敷地内に少し眺めが良い場所があったので、椅子を引っ張ってきて港の続きをした。変わりゆく空の色を見ながらスマホで音楽をかけ楽しむ。
とても気持ちが良い。1瓶飲み終わった後もしばらく夜風(夕風?)にあたった。贅沢で溢れている、素敵で柔らかい時間の流れだった。今日はよく眠れそうだ。
閲覧ありがとうございました。ゆっくりとした更新頻度で40日間のバックパックの記録を綴っていきます。ではまた、次回は世界で最も美しいカフェでお会いしましょう!