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時速40㎞

Twitterで今年の残り日数というBOTをフォローしていると、今年の残り日数が0時になるとツイートされる。
「え?もう2023年残り60%ちょい!?」
と、驚く毎日。
この歳になると瞬く間に時が過ぎていく。

ウソ‥だろ‥?


とある休日、夜な夜な同級生の友人達とサウナを嗜み、帰り道に立ち寄った24時間営業の中華料理屋での会話だ。
『積立NISAが‥』
『住宅ローンが残り何年で‥』
『60歳で満期になる保険が‥』
『株の運用で老後の蓄えに‥』
なんて話が自然と出てくる。

しかし数分後の会話では、
『夢グループのアシスタント女性の艶っぽさったらないよなあ』
なんて語り合ってるから最高の友達である。
まさか小・中学校からの友人達と老後や熟女について話し合うなんて想像もしていなかった。これだから人生は面白い。

そんな話をしながらも、すでに周りが老後や退職後の事をちゃーんと考えているのに面食らった。意外とみんな先のことを見据えて生きているのね。

確かに最近、若い頃のように身体的にも気持ち的にもムリが出来なくなっている、というかムリしなくなった。
経験則からなのだろうが、脳が勝手に処理してリミッターを掛ける感じ。
あとずっと腰が痛くて治らない。

せめて体力的な衰えには抗おうとランニングや筋トレに励んでいるが、目立つようになった白髪、なんだかやたらと目がショボショボしやすくなったりと肉体的な衰えには逆らえないようだ。


そんな自分に問うてみる。
『おいお前!この先20年後、60歳のお前はどうなってる?』
40歳の今でさえ体は日々重くなっていっているのに、老後を考えたらゾッとしてくる。マジで何もやる気が起きずに、ただただ時間だけが過ぎていきそうだ。


こんな不安を抱えながらいつも聴いている音楽にふと耳を傾けていると、胸にささる歌詞も昔に比べて変わってきた。

素敵な時間は
長くは無いぜ
そんな事悲しい程に分かってる

the band apart / 仇になっても

過去が増える程
未来は消えて行く
幼き君も
やがて気付くだろう

ACIDMAN / EVERLIGHT

the band apartもACIDMANも自分と比較的年齢が近いし、たとえアーティストといえども俺のようなモブと同じ不安を抱えているのかな?なんて思うと、親近感が湧き上がってバンドへの愛がさらに深まっていくものである。やっぱ同年代のバンドって良いのよね。
どっちの曲もライブで聴きてえなあ!


何十年も前に大先輩と話をしていた時に、
『年齢は時速と一緒で、年取る度に体感速度が加速してあっという間に1年過ぎるからな!』
なんて【年齢=時速】説を言われたのが今になってものすごく納得できる。

ある時、新入社員の19歳男子を駅まで送って行った時に彼がこう言った。
『社会人になると1年があっという間に過ぎますね』
それを聴いた時に先の【年齢=時速】の話を思い出した。

ちょうど走ってた道に他の車もいなかったので、時速19kmと俺の年齢である40kmで比較するように走ってみた。
すると彼は、
『え、マジで40kmって19kmに比べてクソ速く感じますね‥』
って感想をくれた。俺も実際に走ってみてそう感じた。

「そうなんです、おじさんになるとこの体感速度で時間過ぎてっちゃうから、今の若いうちに楽しい事たくさんやった方がイイぜ!」
なんて、老害丸出しお節介眼鏡おじさんを発動させてしまった。
でもこうやって伝えたくなるのも歳を取った証拠なんだろう。


老後の蓄えも大切なのだが、今一瞬でも若くて動けるうちにたくさんの新しい経験や思い出を作りたい‥なんて思ってしまう。
その為には貯蓄と反比例するようにお金掛かるのも仕方なし!と言い聞かせながら、楽しい予定を増やすように心がけている。

時速40kmで人生を走り抜けながら、最近そんな事ばかり考えている日々です。

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