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「ストーリーオブマイライフ 私の若草物語」
「美しい。全身が潤う。」
映画が終わって、初めに出た感想がこれでした。こんなに美しい映画を見たことは今まであっただろうか。その全てが鮮やかで、見る人の心を満たしてくれる。そんな映画です。
この映画は「外」と「内」両方にその美しさがあります。
「外」の美しさ。これはスクリーンに映し出されている映像の美しさ。
登場人物、風景、その他細かいグラフィックまで全てが鮮やかに、優しく目に飛び込んでくる。アカデミー賞を獲得したその衣装デザインはたまらなく、華麗に役者たちを彩っていた。役者たちも美人すぎて焦る。この四姉妹と結婚できるなら命をかけられる。
「内」の美しさ。それは登場人物たちの豊かな心。四姉妹は同じ環境で一緒に暮らしていながら、全員が違う人生の歩き方を夢見ている。豊かな暮らしをしているとは言えない、外の世界をたくさん知っているわけでもない、それでも誰よりも心は豊かで優しく、希望に満ち溢れている。決して難しいことをしているわけではないが、こんな風に生きれたらいいなと思う。そんな人生をみんな歩いていた。
最近よく幸せについて考えていた。幸せな人生ってなんですか。
幸せってざっくりしすぎていて、よくわからない。
だから人は、自分なりの幸せのフレームを作ろうとする。
例えば、お金をたくさん稼いで、豪華な生活をする。結婚して、家庭を持って仲良く暮らす。世界の発展に貢献する。などなど
けどそれって、「環境」じゃないですか?
「幸せ」って「環境」なんでしょうか。
そうです。
「幸せ」ってどう生きるかであり、どう生きるかは周りの「環境」でわかるものです。
でもその環境を作る方法は。
それは結局、「心」のあり方だと僕は思うんです。
この映画の四姉妹は決して自分が望んだ環境にいるわけではない。それを顕著に、「お金持ちだったら楽だろうな」といった時もありました。けどこの四姉妹はおそらくどの環境にいてもそこに、また未来に、幸せを見出せる。
それはひとえに、彼女らの心が清く、正しく、美しいから。そして、今を全力で生きようとしているからだと思いました。
この四姉妹の1番の美しさ、そしてこの映画の1番の個人的な見所じゃないかと思う点が、彼女らの感情の表現、喜怒哀楽の表情にあります。
天真爛漫で、本当に楽しそうに生きているから、みていたら自然と笑顔になれます。悲しむ時は全力で悲しむし、怒る時は目の色を変えて怒るし。そして驚く時も最高に驚きます。叫ぶ、笑う、ポップコーンをぶちまける。
僕はこんなに日常の本当に些細なことに動く心を持てていただろうか。この映画を見て自分に問いかけました。
「これこそが心の豊かさ、幸せを作る心のあり方。」
この映画を一言でまとめるならこう言いたい。
(またこの映画は女性としての生き方についてもテーマがあると思うのですが、僕は男性なので主観的な意見をずらずら述べてもなぁ、というところもあるし、いろんな人の意見も来てみたいところです。)
良い1日を。