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『私と、まきじゃく。』特別編(前編)

2024年5月に『回り道』の上演が決まった「劇団まきじゃく」
この公演よりスポンサーがつくことになりました!
それを記念して行われた、スポンサー企業である株式会社DOKOSORE代表のさいかいさん劇団まきじゃく主宰の川上創平さんの対談を前後編にてお届けします。
お二人はどのように出会い、なぜスポンサーになることに決めたのか。
前編ではそんなお二人の関係性についてフォーカスを当ててお話を聞いていきます!

後編はこちらから。


株式会社DOKOSORE代表さいかいさん(左)と劇団まきじゃく主宰川上さん(右)

運命的な出会い

ーーーまず始めに出会ったときのお互いの印象を教えてください。

さいかい:出会ったのっていつでしたっけ?

かわかみ:ちょうど1年前くらいかな、2022の夏ごろだね。
まきじゃくの最終公演が3月に控えてるときでチケットを買ってくれたんだよね。

さいかい:ちょっと忙しくて見に行けなかったんですけど(笑)
でも最終公演って知らなくて、終わってから次ないの!?なんでやらんの!?ってなって。

かわかみ:ちょっとお金が、、、って(笑)人も集めるのも大変でってね。

さいかい:俺は次あると思ってたから最後かあ、、、お金かかるんやあ。
しかも回収できるかも分からんし、分かるのも後やし条件悪いなあって(笑)

かわかみ:じゃなくて最初の印象よ!

さいかい:ああそうか。いいやつを採りたいって思ってデザイナー探してるときに会社のメンバーに紹介してもらったんよね。最初に会った後、紹介してくれたメンバーに「めっちゃいい人やんっ!!!これはもう絶対採用したい!」って話したんですよ(笑)
その出会った年末にDOKOSOREに関わった人たちでご飯行く機会があったんですけど、そのときに創平くんの場回しが上手すぎて!!ここでまず人間性に惚れましたね。

かわかみ:あのときそんなこと思ってくれてたんだ(笑)

さいかい:あのときはみんな思ってたよ!みんなあそこで創平くんの強さを思い知ることになるわけですよ。人間としてできてた!左側の人に話を振ったり、あまり話してない人に話を振ったり、それができる優しさとその人間性が、、、もうやばいなと!!!(笑)

そのときはデザイナーとしての創平くんはまだあんまり知らんかったけど、もう関係ないと。これはなんとかして会社に引き込もう!と思ってたけど、当時すごい夜遅くまで仕事しててめっちゃ忙しいの知ってたから申し訳ないとも思ってて、でもどうしても一緒に仕事したいよねってメンバーと話してたのはめっちゃ覚えてますね!

かわかみ:知らんかったあ、、、!

さいかい:そりゃ言ってない!(笑)
それでなんとか引き込めないかなあって言ってるときに、これは意味か分かんないけど、ある日急に仕事辞めてたんだよね!

かわかみ:爆笑

さいかい:それはこっちも準備できてないみたいな(笑)これから仕掛けるつもりやったのに!

かわかみ:俺今月で仕事辞めるわって言ったわ(笑)

さいかい:それで全てを狂わされた(笑)ちょっとタイミング違うなあって。
まあなんで最初は俺が創平くんの人間性に惚れたっていう感じですかね。

―――最初会ったときにいいやつっ!って思ったのは話しててそう感じたんですか?

さいかい:そうですね。話しててこっちが気持ちよくなるなんてありえないのに気持ちよくなってるし、話聞くの超上手いし、あと盛り上げが上手い!(笑)やっぱこの人すげぇなっていうのが感覚的にありましたね。
その感覚はいまでもまちがってなかったと思うし、どんどん深みが見えてきてます。

―――それを聞いて川上さんはどうですか?

かわかみ:最初の印象かあ。賢い人だなと。
高校時代から思ってるんだけど、生徒会長とかサークルの代表とか別にやりたいわけではなくて、もっといい人がいると思ってて、けどいないから俺になるんだけど。
俺の理想的にはすっごい強い人がいて、その腕となり足となる方が俺は好きだなとはなんとなく思ってて。で、さいかいと会ったときにこれだ!と。

さいかい:うわー!嬉しいねえ。

かわかみ:一回、会社で思おうとしたんだけど、思えなかったんだよね。年がかなり離れてるし、価値をもらってばっかりで俺は別に与えられないし、対等にはなれないと。

さいかい:手のポジション空いてなかったりするしね(笑)

かわかみ:そうそう(笑)そこの椅子取りみたいになってて。
けどさいかいに会ったとき、あ!いいリーダーいる!!って思ったんだよね。

さいかい:俺も元々創平くんと人生の流れが似てて、考え方も似てると思うんだけど。
俺もいろんな代表やってて、俺じゃないなと。もっといい人いたらって思うんだけど、気づいたら部活のキャプテンとか高専祭の本部長やってて。
ほんとは俺も戦略とか考えるのが好きやから二番手がいいなと思ってたんやけど、東京出てきてもやっぱり代表やることになるってことはその星かもなって。そっちに懸けようといまは切り替えてトップでやっていきたいと思ってるんやけど。
だからトップとしての評価してもらえるのは刺さるし嬉しいですね(笑)

かわかみ:ここに20代捧げれるなあと思えたのは覚えてる。

さいかい:それは嬉しいですね、、、嬉しいです(笑)それしかないけど(笑)

かわかみ:いまももちろんそう思ってます。

さいかい:ありがたい、、、!

演劇を続けるために

―――そこから演劇の話や出資に至るまではどのように進んでいったんですか?

さいかい:創平くんの最終公演の感想会みたいなのがあったんよね。
創平くんを紹介してくれたメンバーは見に行ったんやけど、俺は諸事情でチケットは買ったけど見れなくて(笑)オンラインでは観たけど「それじゃ価値が伝わらない」って言われたし、確かに生で観た方がいいかもしれんってなったんですよ。
で、その感想会がめっちゃ盛り上がって、もうやらんのやってなったとこから一気に演劇の話が進んでいったんよね。

かわかみ:観に来てくれたメンバーにもめっちゃ刺さってくれてたんだよね。ちょうど同年代に刺さる話で、すごいメッセージが伝わったって言ってくれて!そんなにメッセージ伝わるんだって話で盛り上がった気がする。
俺はどっかでお金もってる人にお金だしてほしいなあとずっと前から思ってて。
演劇を続ける上で一番いいのはそれだよなと。チケットノルマって営みとしてほんとうに健全じゃなくて。

さいかい:それはほんとにそう。

かわかみ:面白いものを創る時に創ってる側が楽しんでいないとそれは伝わると思うし、仕事じゃないからこそ、そこを大事にしたかったんだよね。みんなが楽しめる環境で、でもお金が必要ってなったら、一番いいのは口出さずお金だしてくれる人がいて、そこにみんなで全力で乗っかって楽しむと!その価値観が合う人が見つかるのが一番いいと思ってさいかい誘ったのはある。

―――川上さんから声掛けたんですか?

さいかい:まあでもその場でだよね。俺ら側も絶対次をやった方がいいっていう想いがあって。会社からしたら大きい額ではないから、それさえ出せば次が繋がって、俺らがそこに回収できる価値を見出せることができたら、またなにかしら繋がるだろうなと思って。
で、もうその場でね、じゃあDOKOSOREから出すか!!って(笑)それで次もできるならめっちゃいいなってなったんですよ。

かわかみ:それは俺はもう願ったり叶ったりだから、いいのぉ!!!ってなって話が進んだね。

さいかい:あの話でこうならないのがおかしいくらいの盛り上がりだったからね。

―――考えていることだったり、世界に届けたいものがお二人は一緒なんですかね。

さいかい:感性が同じだと思う!

かわかみ:近い気がするなあ。

さいかい:まあだから俺がアートとかをやって、採用していきたい人がいるとすれば、創平くんみたいな人をどうやったら呼んでこれるかなっていうの考えると思う。

―――なるほど。だからこそ川上さんが主宰する劇団に出資すれば似たような想いの人が集まるということですか。

さいかい:そうですね。やっぱり発信することになるので、いろんな人にどんどん届いていって、それが連鎖的に広がっていけば、劇団がより大きくなっていけば、アプローチできる層が広がるなと、思ってますね。

そうへい:たまたま呼んだデザイナーが演劇の主宰をやってることなんてないからね(笑)

さいかい:ほんと聞いたことないよ(笑)

最強タッグで探す劇団が生きる道

―――考えてるいることが似てるお二人ですが、それぞれが持つ力って違うと思うんです。相手のここが一番すごいなって思ってるいるところ教えてください!

さいかい:最近感じることは、一緒に街を歩いてて「あのフォントおかしいよな」って言ってきて、たしかによく見るとなんか変で気づかされることがあるんです。
俺の定義では、そういう違和感を日々生活してる中でどんどん吸い上げていける人が優秀なデザイナーだと思ってて。そういう意味では、圧倒的にデザイナーに向いていて、デザイナー特性S!って感じでデザイナー特性がありすぎるんやと。
俺もデザインは好きだけど、経営者としてやっていかないといけないから、自分でやるわけにはいかなくて。俺が向いてるのはそこまでこだわっていくというよりかは、いろんなことに好奇心が向きやすいからそこを言語化して、会社として成り立たせていかないといけないという役割で。ここで創平くんが入ってくれたらデザインとしてクオリティも担保できるっていうのがあって、会社に入ってほしいなと。

―――自分のやりたいことをより具体的に再現してくれる人ってことですね!

さいかい:再現してくれるし、俺のやりたいことを分かってくれると思いますね。
そういう人はいままでいなくて。会社の役員の中でも議題になってたことなんで。最初の1人目がめっちゃ重要なんで、すごい慎重になるんですけど、創平くんじゃないかなと感じちゃいましたね。

かわかみ:光栄でございます、、、
俺が持ってないっていうと、お金に繋げる力がすごいなと。
俺は経験がないし、普通の人は経験がないまま大人になる人がほとんどの中で、出会いもあって会社をつくっているおかげで、事業の言語化の量がすごいんだろうなあと。
ぽっと出のアイデアもすぐお金に繋げるまでの言語化がすごく早くて、さっきの演劇の事業化(※さいかいさんインタビュー参照)の話もスッと出てくるんよね。
また深ぼっていくうちにどんどん新しいアイデアがでてきて、頭が回ってて。そこの思考回路は俺にはないから、そこがやっぱりすごいと思いますね。

―――アイデアマンということですかね。

かわかみ:アイデアマンっていうのもあるし、元はお金持ちになろうって気はない気がしてるんだよね、さいかいは。俺もないから(笑)

さいかい:似てるからね(笑)

かわかみ:何かをするにはお金が必要っていうのは避けては通れない、資本主義社会だから。お金があって損はないし、人を集めるにも何かしたいことするにも、お金は大事。だからお金集めるのは大事なことなんだってみんな分かっている上で、ほんとにここまで実行できる人ってそんなにいないと思う。

さいかい:俺は気づかされたからね、東京に出て(笑)まずはお金が大事やって。そこはいまほんとに勉強中みたいな感じですけど。
でもうちの会社の業態が誰に会っても、どんな会社に会っても、何かしら提案できるもので。何かを絶対売らなきゃいけないって形ではなくて、相手が必要なものをつくって渡すっていう会社だからこそ、いま言ってくれた力が身についてきているのはあるかもしれない。
少し対話をしたら、この人こういうところ困ってるな、じゃあこういう提案しようかなって養われてきたと思いますね。

かわかみ:さいかいといれば「まきじゃくの生きる道」を見つけられそうだなと思える。

さいかい:それは見つけないとやばいっすね。重いっすね(笑)

かわかみ:営みとして思い出づくりメインでやってたから、持続可能性は低くて。だけどこれをビジネスにしちゃうのは違うのよ、内情的に。そこをいかに、どこをパッケージ化して、どこを思い出づくりとして残すか見極める力をすごい養えそうだなって思ってる。

さいかい:せめてね、お金かかんなかったら、みんなやりたいだろうし趣味として続くと思うんだけどね。趣味にしては高すぎる(笑)

かわかみ:劇場っていうね、テナント料かかる場所があるから、、、

さいかい:しかもやっぱ人気になればなるほどお金がかかってくるんでね、そこはなんとかしなきゃいけないですよね。

人生の思い出作り

―――二人で一緒にやったら面白いだろうなというビジョンはありますか?

さいかい:めっちゃアバウトにやりたいことを言えば「お祭り」みたいなことをしたいんですよ。そういう企画を考えるのが好きだから、ビックイベントをやりたくて。世界観を創りたいんですよ。
ちょっと話は戻っちゃうんですけど、演劇に対して思ってることとして、ロールプレイングというものにめっちゃ価値を感じていて。
うちの会社は全員のキャラクターが際立ってて、そういうところにエモも感じるというか、こういう状態だと何やっても上手くいくと思うんです。キャラが際立ってて個性が死んでいない状態だと、何言ってもウケるし、無敵な訳ですよ。ビジネスでもそうで、なにやっても上手くいく。
個性が際立っている世界観が創れている状態であれば、どんなイベントでも上手くいくと思っているので、この世界観を創りたいなとずっと考えているんですよね。
創平くんが演劇のプロフェッショナルの視点から世界観を創りをプロデュースしてくれて、それを主催できたらめっちゃ面白いイベントになると思うんです!そこに演劇の価値も感じているし。だからこれが2人でやりたいことですかね。

―――演劇もそのひとつということですね。

さいかい:もちろん、そうですね!演劇は世界観創りですから、たぶん(笑)

かわかみ:そうそう(笑)そこに世界を創って生きる人を創るからね。

さいかい:それをゼロからやるってすごいですよね。数か月の練習でやるという異次元的なことしてますから!
人間がなにかやる上で、絶対に必要なのが世界観だと思っていて。個性が際立っている状態でなければ何も生まれないんで。
だからイベントやりたいなあ(笑)

―――川上さんはどうですか?

かわかみ:俺は人生で「本番」っていう機会をできるだけ増やしたくて。

さいかい:うわぁ、いいなあ。
かわかみ:本番って学生時代はけっこうあるんですよ、練習してみんなの前で発表して、達成感を得て、打ち上げするでも、良かったねって感想言い合うでも。
本番がないと思い出がどんどん少なくなっていくから、本番の密度ってめっちゃ大事と思ってる。これもめっちゃ抽象的なんだけど(笑)

さいかい:めっちゃいい表現やと思う!俺も本番の密度めっちゃ大事だと思ってるので。
意味ないんだよね、本番がなかったら。

かわかみ:そう、本番がない練習はほんとに意味なくて惰性なんだよね。

さいかい:波がほしいよね。
最近うちの会社で始めたことがあるんですけど。何かを開発するときって3~6か月ぐらいかかるんですけど、最初の3日である目標まで終わらそうっていう「ブーストデイ」をやり始めたんですよ。創平くんも参加してくれて!

かわかみ:3日間寝泊りもオフィスでして、箱詰めで開発する合宿みたいだったね。

さいかい:創平くんもハマってくれたと思うんだけど、こういう波があることってめっちゃ大事だと思うんです。この3日間によって、もちろんプロジェクトも早く終わるし、そのあとのみんな団結力も桁違いに上がるし、開発期間だけどある意味「本番」だと思ってて。
これに向けてみんな準備もしてくるし。こういう働き方すごく好きだなあと思ってますね。

かわかみ:めっちゃいい!そういう働き方がしたい。
演劇で小屋入りっていうのがあって。1週間前に入って舞台セット組んで、ただひたすら稽古をして最終的にお客さんをいれるっていうのが小屋入りなんだけど。これがしたいんだよね!あれが楽しいんだよ!

さいかい:あの文化祭感というかお祭り感がいいんだよね!

かわかみ:そうなんだよ!それが思い出になるんだよ。
死ぬときお金持っていけないから、思い出の数が人生の価値だと思うんだよね。

さいかい:うんうん。そういう機会を増やさないといけないよね。

―――なるほど。未来で語れる密度のある思い出を作っていきたいということなんですね。

後編では演劇界のビジョンについてお話を聞いています。お楽しみに!

🌸公演案内🌸
『回り道』
日にち:2024年5月5日(日)/6日(月・祝)
会場:下北沢東演パラータ入場無料(フリーカンパ制)です!

全4編の盛りだくさんなオムニバス短編集です。
皆さまの日常のモヤモヤを晴らして、背中を押せるような演劇となっています😊
ぜひお越しください!
↓下のフォームからご予約いただけます↓
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