「カナデルカフェ Vol.1」(後)決して楽な道ではなかった
後編はライブの話!
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ライブの準備
今回のライブでやりたかったのは「初心者が立てる舞台を作る」ことだった。
それをイメージしたとき、辿り着いた案は「セッション会」だった。
セッション会とは、事前に演奏する曲を決め、参加者の中でパートを割り振って各自で練習し、当時合わせるというイベントだ。
(構想段階ではセッション会というものを知らず、後にメンバーから「それセッション会だね」と言われて初めて知ったのはここだけの話。)
もう一つやりたかったことは、ボーカロイドと生身のボーカリストのデュエット。
これは完全な僕のエゴで入れたかった演出だ。
この頃はちょうどボーカロイドの使い方を覚えた頃で、ライブに活用することで他バンドとの差を出そうと考えていた。
それがどれだけ大変なことかを知らず、後々映像制作の面で心が折れてしまうのだが、音声編集の面ではある程度の収穫を得ることはできた。
そうしてライブの開催を宣言したとき、10人ほどのメンバー候補が集まってくれた。
演出の内容とスケジュールの都合で残念ながら出られなかった方もいたのだが、ある程度メンバーが固まったところでアンケートでやりたい曲を聞き、セトリと担当曲が決定した。
その後思わぬ形で延期が決まり、日程が変わったことでメンバーの半数が入れ替わることになるのだが、ヘルプで入ったメンバーは本来のメンバーよりも短い期間で間に合わせてくれた。本当に頭が上がらなかった。
こうして紆余曲折はあったものの、準備は整い、本番の日を迎えることができた。
本番当日の不穏なメッセージ
当日の朝、僕はメンバーに不穏な内容のメッセージを送った。
それは、僕もいちばん恐れていたトラブルだった。
初心者の演奏をカバーするのとボーカロイドを使う演出で同期音源を使う計画だったから、楽器隊は誰が欠けても同期音源に音を仕込む準備は出来ていた。
だか、さすがにボーカルだけは代わりがいない。
そのボーカル2名のうちの一人が、当日の朝に声が出ないと訴えたのだ。
恐れていたことが起きた。
これはさすがに影響は避けられない。
最悪の場合、きょうのライブを中止しないといけないかもしれない。
最悪の状況にならないことを願いながら、急な変更が起こりうるから心の準備をしてほしいという内容のメッセージを、メンバーに送った。
喉にいいと言われる飴をなめたり、病院に行ったり、手は尽くした。あとは喉が回復することを願うだけだった。
午後になり、喉の調子は回復し、ライブもできる目処が立った。
心の底から安心した。
前夜から自分の声も出なくなっていたが、もはやそんなことはどうでもよかった。
いよいよ本番
前売のチケットも目標の数が出ており、あとは当日楽しんで演奏するだけとなった。
ここからはその模様を写真でご覧いただきたい。
ゲストバンド「StunFlyer」さん。
まさにロックンロール。超かっこいい。ドラムさんはボーカルさんの息子さん。親子共演って素敵だね。
ライブを終えて
ライブは予想を遥かに超えて盛り上がった。
紛れもなく、出演者、ゲスト、お客さま、スタッフの皆さま、そして開催に向けてご尽力いただいたみなさんのおかげである。
いろんな壁はあったが、がんばれた理由はこれだった。
「2回目はよやれ!」とありがたい言葉まで頂いたので、そう遠くないうちにVol.2を開催することにした。
それまでの間、しばしお待ちを。