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服好きのアウトレット攻略法

近年では有名デザイナーズブランドやハイブランドまで、多くのブランドがアウトレットモールに出店している。
関東近郊であれば御殿場や木更津、軽井沢あたりが良いブランドも多くアツい。
ここに筆者なりのアウトレット攻略法を記す。


アウトレットに行く時期

いつ行くのが良いか。
それはセールもなければ季節の変わり目でもない、何でもない時期だ。
ファッション業界が一番盛り上がらない時期こそアウトレットがアツい。

例えば年末年始のセールも終わって春夏が立ち上がるにはまだ早いというような1月下旬~2月上旬。
春夏は立ち上げが終わり夏のセールはまだ先という6月~7月初旬頃。秋冬が立ち上がって年末セールはまだ先という11月頃。

筆者が行くのはだいたいそれくらいの時期だ。
ファッションフリーク的にはもう次のシーズンの買い物はあらかた終わり、新しく服を買うには微妙な時期。
アウトレット的にもあまり集客が見込めない時期。
そこにこそ良い出会いがある。



セールに釣られるな


間違っても夏や冬のセール時期に行くべきではない。
これも単純に人が多すぎるという理由もあるのだが、大抵の場合あまり良い商品はない。
ブランドのオンリーショップならまだ良いが、セレクトショップは本当に何もない。

そもそも初めからアウトレットで安いのだから、セール時期に行く必要がない。
エクストラオフなんてやってる店は大抵大手セレクトショップくらいなので、どうせ服好きが欲しい商品は何もないので行く意味がない。

またわざわざセールの谷間に行く理由としては、先のセールでも売れ残ったアイテムが流れてくる可能性が高いからである。



心構え


「出会ったらすぐに買え」
アウトレットに行く際の心構えである。
数十万単位のよほど高額なアイテムでもない限り、「一周回って考えよう」なんて思った次の瞬間にはライバルに取られると思ってよい。

実際、以前御殿場のロエベでフィッシャーマンデニムが一着だけ入荷していたことがあり、店員さんと「これがアウトレットに入る事あるんですねー」なんて話をしつつ、まだ一店舗目だったため他を見てから考えようと一旦退店し、いざ買ってやろうと2時間後に店に戻るともう売れていたという経験がある。



見るべき場所


普通の人はアウトレットに行けばお気に入りだったり憧れのブランドの店を優先的に見る事だろう。
それはそれで構わない。
ハイブランドでもタイミングが合えば、あんな品やこんな品が50~60%オフで置いてある事もある。

しかし、それだけで済ませている人がいれば大損だ。

服好きが見るべきは「セレクトショップの隅っこ」なのである。

例えばUNITED ARROWSやBEAMS、EdificeやJournal Standardを展開するBAYCREWS、Nano Universeなどの大手セレクトショップだ。
これら店舗の大抵隅っこの方には、「セレクトブランドコーナー」的な一角が設けられている。
(表記されているかどうかは店によるので、現地で確認。)
こここそがアウトレットで最も注目すべき場所と言っても過言ではない。


下記に主なショップのアウトレットで見かける代表的なブランドを示す。


BEAMS
UNUSED、ENGINEERED GARMENTS、Diaspolaなど
BEAMSらしくアメカジ、ストリート寄りの国内ブランドがメイン。
ただ、BEAMSに関しては時期に関わらずセレクトブランドコーナー自体が無い事も少なくない。
そのためセレクトショップの中では一番優先度は低い。

UNITED ARROWS
COMME des GARCONS(主にSHIRT、HOMME)、HEUGN、C.E.、Mackintoshなど。
UAは原宿・青山エリアにH B&YやSONS、Districtなど高感度なショップを構えているため、特に首都圏から近い店舗はそこから流れて来る商品もあるので当たればかなり面白い。
国内外ジャンル問わず様々なブランドと出会えるが、外れの時は何もないという落差も大きい。

BAYCREWS
DAIWA PIER39、N.Hoolywood、Needles、MARNIなど。
ベイクルーズもエディフィスやジャーナルスタンダードなど幅広いジャンルで展開しているため、国内の人気ブランドから運が良ければインポートブランドにも出会える可能性がある。
ただ体感としては確率は低め。
ちなみにBAYCREWSは代官山などにアウトレットの路面店もあるため、そちらもたまに覗くと面白い。

Nano Universe
Maison Margiela、STUDIO NICHOLSON、Class、TEATORAなど。
個人的には通常店舗はあまり行くことのないナノユニバースだが、アウトレットは結構アツい。
どのタイミングで行っても何かしらのブランドとは出会える印象。
御殿場は高確率でマルジェラの何かがある。

TOMORROWLAND
OAMC、ACNE STUDIOSなど。
トゥモローランドは基本オリジナルブランドのCABANが中心だが、高確率でOAMCは置いている印象。
かつてはACNEも多かったが最近はあまり見ない。
御殿場にはACNEのショップが出来たためあえてそれ目的で行く必要はないかも。

BARNEYS NEW YORK
JIL SANDER、Maison Margiela、Rick Owens、ACRONYM、BALENCIAGAなど。
インポートブランド目的の人には一番面白いのがバーニーズ。
ドメスティックもそれなりにある。
正直同じモール内にオンリーショップがあるブランドも多いが、そこで置いていない商品があったりするし割と面白い。
ウィメンズはもっとアツいのだが、どの店舗もメンズコーナーはかなり小さいのが悔やまれる。


筆者が実際によく見るショップ(主に御殿場)と、そこで目にした事のあるブランドを一部挙げてみた。
もちろん常にあるわけではないので定期的に通う必要はあるしランダム性も高いが、タイミングが合えば良い買い物ができると思う。

また、こういう所で良い商品を掘り当てた時の、してやったり感が気持ち良い。



やってはいけない事


アウトレットでやってはいけない事。
それは先ほど挙げたようなセレクトショップで、入ってすぐ目に付く所にあるオリジナルブランドを買う事だ。
これら大手セレクトショップは、そもそも初めからアウトレット店舗で売るためだけに作っている商品が多い。
いかにも「アウトレットで安いですよ」という雰囲気を出していても、その実普通の店舗では販売していないし、元々その値段が定価なのだ。
言い方は悪いが、これらに群がっている客はショップにとっては「良いカモ」だ。
これで物自体が良いのであればまあお好きにどうぞという気もするが、正直オシャレでもないし品質も「値段相応」でわざわざアウトレットに来ている意味は何もない。
それだったら近場の通常店舗のセールで買った方が良い。

特にBEAMSのアウトレット商品は正直かなりひどい。
令和の時代にロールアップすると裏地がチェック柄のチノパンとか、十数年前でもダサいとされてた服が平気で売ってて気絶しそうになる。
断っておくがBEAMS自体に何か恨みがあるわけではない。
ただアウトレットはひどい。
かなりブランドを貶めていると思う。


さて、正直運にだいぶ左右されるセレクトショップだが、セール時期になると往々にしてオリジナル品の売り場を少しでも広げるため、先に挙げたようなセレクトコーナーは縮小、もしくは消滅させられる。
これがセール時期にわざわざギャンブル性の高いアウトレットに行く必要がない理由である。

また大抵通常店舗でもその時期はセールを行っているが、そこで売れなかった物が少しすれば更に値下げしてアウトレットに並んでいるという事もよくある。

この構造はデザイナーズブランドなどでも同様で、セールでも売れ残ってしまった物を安く回収するにはやはりセールの谷間が良い。
この時期に行くと明らかに物量が違って充実している事が多い。



まとめ

セールの谷間の時期に行くべし。
良いと思ったらその場で買うべし。
セレクトショップの隅を見るべし。
セレクトショップのオリジナルを買うべからず。


以上。



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