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推しの言葉を知るために

違う国のアイドルを推すにあたって、「言葉」は避けられない壁だ。
ライブ配信で何を話しているのか分からない、字幕がないとコンテンツも見れないし、当然歌詞も分からない。
ウィバースなどでメッセージを読むのにも書くのにも、翻訳をかけるという手間と時間がかかる。

とはいえ、配信の字幕は数日経てばつくし、Twitterではリアルタイムで翻訳してくれる方もいる。イルコンではだいたいのメンバーが日本語での掛け声やメントを用意してくれる(本当にありがたい)。

そういった恵まれた環境の中にいると、正直分からなくても何ら支障なく推し活できるものだ。
初めて韓国のアイドルを好きになってから3年ほど経ったが、本気で韓国語を勉強しよう!と思ったことはなかった。きっかけさえあればなあ、なんて思いながら、渡韓した時も「イゴ ジュセヨ(これください)」くらいしか覚えられなかった。

が、最近その「きっかけ」がついに来た。

きっかけ① やっぱり母国語には勝てない

今年の春からSEVENTEENを好きになった。

好きになりたての頃、CARATの友達にいくつか日本語曲をおすすめしてもらった。SEVENTEENの日本語曲はどれも歌詞が自然で(むしろ詩的で美しい表現が散りばめられていて)、発音も良くて驚いた。
そのうち一つが『舞い落ちる花びら』だ。

この曲の中にこんな歌詞がある。

”君へと舞い落ちていくよ 今すぐ会いたい”

花となって君へと舞い落ちる=会いに行きたい、という切実な気持ちを歌った曲。ちなみにこのパートを歌っているドギョムが推しです。
美しくて切ない曲の世界観、パフォーマンスを観て、すぐに大好きな曲になった。

後日、韓国語ver.があることを知って早速聴いてみた。
先程の歌詞の箇所はこうなっている。

”흩날리며 떨어져 너에게로 지금 너무 보고 싶어”

これを聴いた瞬間、自分でもびっくりするくらい、泣いてしまった。

単に歌い方かもしれないし、「チグム ノム ポゴシポ」がたまたま意味がわかる言葉だったからなのかもしれない。
けれど、同じメロディー、同じ人が歌っているのに、日本語ver.と比べてこの歌に込められた切実な気持ちが不思議なくらいダイレクトに、ズドーーーンと心に伝わってきた。上手く言えないけれど、「生きている言葉」が歌に乗っている感じ。

「ああ、やっぱり母国語には勝てないんだ」と思った。
そう思うと猛烈に、推しの「生きている言葉」を理解したいという気持ちが湧いてきた。

誰かが翻訳した文字列としての言葉ではなく、推しの口から出る音から直接理解したい。
どんな言葉選びをして、どんな口癖があって、どんな時に訛りが出るんだろう。
言葉という面で、まだまだ知らない推しの姿があるような気がしてくる。
やばい、知りたいかも。

これが一つ目のきっかけ。

きっかけ② 推しからお手紙がきた

二つ目のきっかけが決定的だった。
推しからお手紙が来た。

というのも、BTS・Vのソロアルバム、Layoverに入っているこのお手紙のこと。

B6サイズ2枚にわたる手書きのお手紙は、もちろんハングル。
「一人一人の家にお届けする気持ちで」と、初のソロアルバムにお手紙を同封するなんて、とてもテヒョンさんらしいなと思う。

アルバムの発売が発表された時点で詳細画像を拡大して翻訳垢さんが翻訳してくれたのを薄目で見てしまったが、なかなか重みのある内容らしかった。
これはちゃんと自分の目と頭で「読みたい」と思った。

困った、ハングル、読めない。

→勉強しよう💡

ということで、実際にお手紙(アルバム)が届く9月8日という期限付きで、勉強するきっかけが生まれた。
たった1ヶ月の勉強でも大体のハングルは読めるようになったし、単語も少しずつだが覚えることができた。

実はいまだに全文の翻訳はできていないが(手書きの解読難易度高すぎ)、一文字、一単語ずつ調べながら訳していく過程が楽しいし、それを繋げて文章として理解できた時の喜びは大きい。

何よりも、誰のフィルターも通さずにテヒョンさんの言葉を噛み締められることが何だかすごく嬉しくて。

本格的に勉強を初めて2ヶ月が経とうとしている。といっても独学だし毎日はできていないけれど。
最近はウィバースなどでの短い文章はそれなりに読めるようになったし、コンテンツの動画でも断片的にだけど大意は汲み取れるようになってきた。

分かる言葉が増えるたびに、推しへ一歩ずつ近づいている、そんな気分になる。自己満足でも、それでいい。

ちなみに最終目標は「街で推しに会ったら韓国語で愛と感謝を伝える」です。
話す云々の前に腰を抜かさない練習もしておこうと思います。

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