歌詞解説「108本の独り言」編
ブオー ×3(挨拶)
城山です。
「108本の独り言」シングルリリースとMV発表させてもらいました。
どんなもんでしょうか?
まだ見てない聴いてない人はこちらからどうぞ!
MVについても色々と書きたいのですが、今回はタイトル通り歌詞をちょこっと解いていきます。
はじめに、単刀直入に言うとこの曲は「プロポーズを待つ女性」が主人公となっています。
細かい設定としては、20代後半から30代前半くらい、交際期間も長くて、お互い仲は良く、なんとなく相手の考えていることも分かるほど。でもそれ故に、改めて伝えたいことを隠してしまい、伝えられないというような状況です。
タイトルは、108本[永遠(とわ)]の薔薇の花束をプロポーズの際に贈るという一つの演出から取っています。
本来ならばその「108」という数字は、幸せな意味合いのはずのものですが、「108」の後に「の独り言」なので「永遠の独り言」という寂しさを感じるタイトルになっています。
ちなみに情景は冬です。
設定を聞くと解説が無くても歌詞の感じ方が変わってきませんか...?
そんなことない...?
そっか...
はい
揺らいだ 目の奥確かに隠している
不意な空想が 風よりも急かしている
二人では まだ話し始めていないのに
独り言に 慣れてしまったみたいだ
外れ出した当てに
見事に体を成す際は派手に
それでも距離まだ増すばかり
そこにまた一つ差す明かり
寒さに乗じて隠した思い
雪にもなりきれない雨に
幾重にも重ねた頃には
どれも興味を無くしているわ
冬の風がもたらす焦燥感よりも、妄想が自分を急かして、そんな時に漏らす独り言が増えていく。
期待通りに物事が進まないが、いつか望んだ結果に結びつくならば明るい未来があるだろう。
それはまだ遠ざかっていくが、たまにちょっとした希望が見えたりする。
寒さを理由に自分を覆うように気持ちを隠し、寒くて仕方ないのに綺麗な雪になれずに地面に落ちる雨を見て、それに自分を重ね続けて時が経てばそのうち痺れを切らしてしまうよ。
といったように、冒頭は押し殺している気持ちを語るような部分になっています。
気分次第で 音に乗って踊る君の心開いて
忘れ去った日の答えを導き出して
重ね合って泣ける夜を一度描いてみたいね
群青に眠る空の下
雪の降った日の夜はやけに明るい
起こさないように少し咳をした
音が無い夜に外を駆けるような
夢を見たい オチなど無い
舌先なぞる優しさは苦い
寒さに比例して上がる解像度
これまで過ごした日々の勘定を
サビからのラップパートの部分です。
ラップパートは実は想像して欲しい情景があり、
日中に雪が降った日の晴れた夜で、同じ部屋で寝ていて自分だけ起きてしまい、窓から差し込む月の光に目を向けている。
という感じです。
「音が無い夜に」と「起こさないように」の韻が気持ちいいんです!
ラップの部分はこれまでの曲の中で一番低い声を出している気がします。
また一人去っていく中 人は流れ着いて涙
悲しいはずの罠 あなたに迷わせる度
こんな冷たくて見えないのに
焦り探すの分からないのに
右手だけは温めて夜に一人待つよ
曲の中で一番感情的な部分かなと思います。
ここも一つの情景があり、待ち合わせ場所で彼を待っていてふと、今寒い中待たされていることと、プロポーズを待たされていることを重ねて考えてしまう。
色んな思いを巡らせ待っているうちに足や顔から体は冷えていき、それと共に気持ちも冷めていくような気もしてくる。
でも時折見える希望に縋り、彼への期待は捨てることはできず、合流した時には手を繋いで歩きたい。
だからいつも繋ぐ右手だけはポケットに入れて冷えないようにして待っている。
その右手には未来への期待も込められている。
絡み切った二人
凍り錆び付いた鎖
話に疲れて あまりに辛いね
飾り切った二人
悲しみも終わり
新しい明日までの列車が呼んでいる
少しポジティブっぽい言葉がありますが、実はここは絶望感を表しています。
凍って錆びた鎖のような二人は、話をしてみてもまだ自分を飾って素直になれず、それに悲しむことすらもう無く、二人は別々の新しい日々へと。
そんな未来が見えてしまっている。
みたいな
でも繋いで
数え待って終わる日々はここには無くて
ただ目合って語る意味は共に分かって
それはまるでおとぎ話の中みたいで
嫌いで
気分次第で 音に乗って踊る君の心開いて
忘れ去った日の答えを導き出して
曝け合って明ける夜を一度描いてみたいね
絶望を感じながらも、振り返ればあなたと過ごす日々はただ消耗していくだけの退屈な日々ではなく、冒頭にもあったようにお互いの心がそれなりに読めてしまう。でもそれ故に、変に素直になれないからそれが嫌だという気持ちなどが記されています。
ちょい余談ですが、「おとぎ話」を全部漢字にするかどうかで結構悩んだ結果、ひらがながすきというりゆうで「おとぎ話」となりました。
ここまで女性側からの一方的な気持ちを解説してきましたが、歌詞の中に「君」と「あなた」で二つの二人称があります。
これは「君」と書かれている部分は、実は男性側も同じことを思っているからです。
何も考えていないように見えて、心の中では「涙を流そうとも、一晩かかろうとも、素直になって一度話し合いたい」と考えています。
以上「108本の独り言」の歌詞解説でした!
おい待て、「曝け合って明ける夜を一度描いてみたいね」の後もなんか歌ってるやん。
と思われた方はいますでしょうか。
その部分はなんて歌っているかは内緒です。
ほとんど聞き取れる気もしますが、自分で書いて自分で歌っているのでそりゃ聞き取れるやろとも思うので、みんななんて聞こえるのか気になります。
あと、歌詞も書き終えてMVの構想ができてから曲名を決めたので、歌詞の中に「108本の薔薇」の要素は実は無いのです。
MVは薔薇まみれです。
最後に、この物語の結末ははっきりと決まってはいないので、聴いてくださった各々で想像してみてください...
ではまた...
ブオー ×3(挨拶)