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覚悟と欠如

※実話を元にした物語ですが多少のフィクションがあります。固有名詞は有りません。
『僕なんかで良いのか』や『君みたいな人が』や『モテるでしょう』などは聞き飽きておりまして。
本当に私がそんな女だとお思いなんでしょうか。
だとしたら勘違いも良いところです。

さて、この文を見た方は屹度少しは軽蔑をするだろう。
なんてナルシストな女なのか。と。その考えは間違ってもあり、当たってもないのです。読んでいただけたら分かると思うのです。

ここまでになるのには相当な努力を費やしました。化粧なんかは当たり前でして、綺麗になれるように工夫を凝らした子供時代でした。

始まりは五歳。『可愛いねぇ』無責任な大人の一言。
はて、私は可愛いのか。と思い嬉しかったのですが、もう少し成長すると学校でモテる子、モテない子が分けられます。みんなが云わなくても見て取れるのが人間です。(空気読めない人は例外とする)

そうして、思春期と云われる一〇代の頃には恋をする。
どうしたら相手に好かれるのか、沢山の練習をしました。(声のトーンを変えたり、仕草が女性らしく見えるように)私は専ら運動が苦手でしたから、得意な子に比べるとモテない方でした。かと云って勉強も弾まず得意なのは踊る事、描くこと、歌うことだったのでした。(クラスで一番歌は得意と自覚しております。)ですが、簡単に私の初恋は破れるのでした。大まかな理由は分かりませんが当時の私は容姿のせいと断定したので、元から可愛いとお世辞を云われていたにも関わらず、更なる努力が必要だと思っていたのでした。

晴れて高校生に成る頃には三〇キロ代に成り、ややふくよかだった自分はどこにも居ませんでした。そうして初めての恋人が出来たのでした。一〇年近く経った今でも思う、とても理想的な初の恋人でした。そんな彼と歩くのは日常であり、愉しく、それはもう素敵な青春を初めて手に入れた瞬間だったのでした。(以降高校時代は彼と共に過ごしたのでした。)

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