平成生まれ『水曜どうでしょう』を見る
何も知らないで有名な大泉洋さん
きっかけは、もはやフリー素材なのかってくらいツイッターで見る「またしても何も知らない大泉洋さん(23)」の元ネタを知りたいというものであった。今では数々の映画やドラマに出演し、バラエティでもしっかりと爪痕を残す大泉さんが、どのような状況でこのような枕詞を付けられたのかを知りたかった。
カッコの中は23だけではなかった
彼は、23歳以外のときも何も知らないじゃん!!が最初の感想である。いつだって企画の内容どころか、行き先が国内なのか、海外なのかも知らない。なのに長期間スケを押さえられている。さらに恐怖を加速させるのは「パスポート局預かり」である。これまで見てきたあのセリフの正解は「またしても何も知らない大泉洋さん(23+n)」であることを知った。
企画「鈴井貴之」という恐ろしさ
早速、サイコロの旅から見始めた。乗車時間に対して、撮影時間の割合の少ない深夜バスを選択肢に入れるクレイジーさに何度も笑わせられた。しかし、エンドロールで「企画 鈴井貴之」という文字を見たとき、恐怖を感じた。本編を見ればわかるのだが、鈴井さんも深夜バスでの長距離移動に疲弊していくのだ。しかし、大泉さんを騙したいという思いだけでこのような企画を実行するのはまったくもって変な人である。あと、昔のミスターの御尊顔が非常にタイプです。
新鮮な画質の荒さと目の合わない出演者
水曜どうでしょうは平成生まれの自分にとって、経験したことのない画質の荒さだった。何ならこの画面サイズのテレビを見た記憶もない。寝釣りのシーンなんてほぼ真っ暗で、これを本当に地上波で放送していたのかと疑うレベルである。しかし、何も見えないのに笑ってしまうから不思議である。途中から画質が良くなるのだが、少し違和感を感じくらいには水曜どうでしょう画質に慣れた。画面のサイズの変化によって、藤村さんの姿がよく映るようになったのも面白い変化である。知人はこの画質に慣れることができず視聴を断念したので、慣れることが出来た自分に感謝である。
そして、出演者と目が合いにくいというのも水曜どうでしょうの特徴だと思う。大泉さん、鈴井さんは画角外にいる藤村さんと当たり前のように喋る。だから目線がカメラに向かない。カメラ気にする余裕もないくらい藤村さんや過酷な状況に追い込まれていたと思う。
いつだって劣勢になる大泉洋
水曜どうでしょうの名物といえば大泉さんvs藤村さんの戦いである。藤村さんの意見はいつだって非論理的なのである。一方、大泉さんは論理的に意見を展開していく。にも関わらず、大泉さんは戦いに負けてしまう。水曜どうでしょうを通じて「世の中、正論が全てではない」ことを学んだ。この世にどれだけお焼きがあろうと、野沢菜なんて一個も存在しないのだから。
夏野菜を料理するならやるべきことはたくさん
今回は私の一番好きな「シェフ大泉夏野菜スペシャル」を紹介しようと思う。シリーズ名を見たとき、「あー、大泉さんが楽しく料理するのかなあ」とか思った自分の軽薄さをぶん殴りたい。水曜どうでしょうで夏野菜を料理するなら土地の開墾からである。このシリーズでのキーワードは「パイ生地」である。最初の撮影のとき自分と同じように料理をすると考えた大泉さんは、知り合いにパイ生地を練ってもらってくる。しかし、開墾からしたがためにそのパイ生地を腐らせてしまう。その後も何度もパイ生地を腐らせる。その際に藤村さんが「なんで毎回持ってくるんだ」と発言することによって有名なパイ生地論争が始まる。藤村さんの家族を巻き込んでいく大泉さんのぼやきは圧巻である。
他にもヨーロッパで狂い始める大泉さんが見れるヨーロッパリベンジ、トイレにいる大泉さんを見て嬉野さんが涙するジャングルリベンジ、今や個性派俳優である安田顕さんのリバースなど好きなところはたくさんある。
最後に
ものすごく個人的な話になるが、水曜どうでしょうの皆さんがユーコンにいた時に自分はこの世に爆誕した。誰かが罰ゲームとして異国で川下りをしているとき、新たな命が誕生するなんて本当に地球って広いですね。