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IT基礎#4 ネットワークの基礎

ネットワークの役割(LAN、WAN、インターネット)

ネットワークは、情報通信の基盤として現代社会に不可欠な役割を果たしています。

主なネットワークの種類には、LAN、WAN、インターネットがあり、それぞれ異なる役割と特徴を持っています。

LANは、Local Area Networkの略で、限られた範囲内で構築されるネットワークです。

例えば、オフィスや家庭内での機器接続に使用されます。

具体的には、社内でのファイル共有やプリンターの共有、家庭でのWi-Fi接続などがLANの例です。

LANの特徴は、高速で安定した通信が可能で、セキュリティ管理が比較的容易なことです。

WANは、Wide Area Networkの略で、地理的に離れた場所にあるLAN同士を接続するネットワークです。

例えば、企業の本社と支社を結ぶネットワークがWANに該当します。

WANの役割は、離れた拠点間でのデータ共有や通信を可能にすることです。

WANは通常、通信事業者が提供するサービスを利用して構築されます。

インターネットは、世界中のコンピュータネットワークを相互に接続した巨大なWANと言えます。

インターネットの役割は、グローバルな情報共有とコミュニケーションを可能にすることです。

例えば、ウェブサイトの閲覧、電子メールの送受信、オンラインショッピング、ソーシャルメディアの利用などが、インターネットを通じて行われています。

これらのネットワークは、相互に関連しながら機能しています。

例えば、家庭のLANがインターネットサービスプロバイダー(ISP)を通じてWANに接続され、そこからインターネットにアクセスするという構造になっています。

企業のネットワーク構成を例に挙げると、各オフィス内ではLANが構築され、それらのLANがWANで接続されています。

さらに、WANを通じてインターネットにも接続し、外部とのコミュニケーションや情報収集を行っています。

近年では、クラウドコンピューティングの普及により、企業のネットワーク構成も変化しています。

社内のサーバーをクラウドに移行し、インターネット経由でアクセスするケースが増えています。これにより、WANの役割がより重要になっています。

また、モバイル通信の発展により、スマートフォンやタブレットがLANやWANを介さずに直接インターネットに接続できるようになりました。

これにより、場所を問わずネットワークにアクセスできる環境が整備されています。

このように、LAN、WAN、インターネットは、それぞれの特性を活かしながら、現代社会のコミュニケーションとデータ流通を支える重要な役割を果たしています。

IPアドレスとドメイン名

IPアドレスとドメイン名は、インターネット上で通信元や通信先を識別するための重要な要素です。

IPアドレスは、インターネット上の機器を特定するための数値の羅列で、例えば「192.168.0.1」のような形式をとります。

これはコンピュータが通信を行う際に使用する「住所」のようなものです。

一方、ドメイン名は人間が理解しやすい文字列で表現されたウェブサイトの識別子で、例えば「www.example.com」のような形式をとります。

IPアドレスとドメイン名の関係性を理解するには、DNSの役割が重要です。

DNSは、ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みで、ユーザーがブラウザにドメイン名を入力すると、DNSサーバーがそれに対応するIPアドレスを返します。

これにより、人間にとって覚えやすいドメイン名を使用しながら、コンピュータは正確なIPアドレスで通信を行うことができます。

例えば、ユーザーが「www.example.com」というドメイン名をブラウザに入力すると、DNSサーバーがこれを「93.184.215.14」というIPアドレスに変換し、ウェブサーバーとの通信が可能になります。

ドメイン名は階層構造を持っており、「.com」や「.jp」などのトップレベルドメイン(TLD)、その下の「example.com」などのセカンドレベルドメイン(SLD)、さらに「www」などのサブドメインで構成されます。

これにより、グローバルなインターネット空間で一意性を保ちつつ、管理を分散化することができます。

IPアドレスには、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスがあります。

グローバルIPアドレスはインターネット上で一意であり、通常はISPから割り当てられます。

プライベートIPアドレスは、家庭内LANなどの閉じたネットワークで使用されます。

また、IPアドレスには、広く使われているIPv4と、アドレス枯渇問題を解決するために導入されたIPv6があります。

IPv4は32ビットで表現されるのに対し、IPv6は128ビットで表現され、より多くのアドレスを提供できます。

インターネットの発展に伴い、ドメイン名とIPアドレスの管理はますます重要になっています。

企業にとっては、適切なドメイン名の取得と管理が、ブランド戦略やオンラインプレゼンスの確立に不可欠です。

同時に、セキュリティの観点からも、IPアドレスの適切な管理と監視が重要となっています。

無線通信(Wi-Fi、Bluetooth)と有線通信

無線通信と有線通信は、デバイス間のデータ転送方法として広く使用されています。

それぞれに特徴があり、用途に応じて使い分けられています。

無線通信

Wi-Fi

Wi-Fiは、広範囲での無線通信を可能にする技術です。主な特徴は以下の通りです:

  • 通信距離:50〜100メートル程度

  • 通信速度:最新規格のIEEE 802.11axでは最大9.6Gbps

  • 用途:家庭やオフィスでのインターネット接続、公共施設での無料インターネットアクセスなど

例えば、カフェでノートPCを使ってインターネットに接続する際にWi-Fiが利用されます。

また、スマートホームデバイスの多くもWi-Fi経由で制御されています。

Bluetooth

Bluetoothは、近距離での無線通信に特化した技術です:

  • 通信距離:数センチ〜数メートル

  • 通信速度:最大24Mbps(Bluetooth Classic)

  • 用途:周辺機器の接続、オーディオ機器のワイヤレス化など

例えば、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチとスマートフォンの接続にBluetoothが使用されています。

有線通信

有線通信は、物理的なケーブルを使用してデータを転送する方式です:

  • 通信距離:ケーブルの長さに依存(一般的に100メートル以内)

  • 通信速度:最新のCAT8規格で最大40Gbps

  • 用途:安定した高速通信が必要な場面、セキュリティが重視される環境など

例えば、企業のサーバールームでは、高速かつ安定した通信を確保するために有線LANが使用されています。

比較

無線通信と有線通信には、それぞれ長所と短所があります:

  1. 通信速度:有線通信の方が一般的に高速で安定しています。

  2. 利便性:無線通信は配線が不要で、モビリティに優れています。

  3. セキュリティ:有線通信の方がセキュリティ面で優れています。無線通信は電波の傍受リスクがあります。

  4. 設置コスト:無線通信は初期設置コストが低く、柔軟性が高いです。

  5. 安定性:有線通信は電波干渉の影響を受けにくく、安定しています。

例えば、オフィス環境では、デスクトップPCには有線LANを使用し、会議室ではWi-Fiを利用するなど、用途に応じて使い分けることが一般的です。

また、スマートフォンではWi-Fiと携帯電話網を併用し、周辺機器接続にはBluetoothを使用するなど、複数の通信方式を組み合わせて利用しています。

このように、無線通信と有線通信は、それぞれの特性を活かして様々な場面で使用されており、現代のデジタル社会を支える重要な技術となっています。

ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、アクセスポイント)

ネットワーク機器であるルーター、スイッチ、アクセスポイントは、現代のネットワーク環境を構築する上で不可欠な要素です。

ルーター

ルーターは異なるネットワーク間を接続し、データの経路を決定する機器です。

例えば、家庭のローカルエリアネットワーク(LAN)とインターネットを接続する役割を果たします。

ルーターには以下の特徴があります:

  • IPアドレスを基にパケットのルーティングを行う

  • NAT機能により、多数のデバイスを1つの公的IPアドレスでインターネットに接続できる

  • ファイアウォール機能を持つものが多い

スイッチ

スイッチは同一ネットワーク内のデバイス同士を接続する機器です。

主な特徴は:

  • MACアドレスを基にフレームの転送を行う

  • コリジョンドメインを分割し、ネットワークの効率を向上させる

例えば、オフィス環境では、デスクトップPCやプリンターなどをスイッチに接続することで、効率的なデータのやり取りが可能になります。

アクセスポイント

アクセスポイントは、有線LANと無線LANを接続するための装置です。

主な役割は:

  • Wi-Fi環境を提供し、無線デバイスがネットワークに接続できるようにする

  • 有線ネットワークと無線ネットワークをブリッジする

例えば、カフェや公共施設でWi-Fiサービスを提供する際に、アクセスポイントが使用されます。

ネットワーク構築の事例

中規模オフィスのネットワーク構築例を考えてみましょう:

  1. ルーターがインターネット接続とLAN内のレイヤ3機能を担当

  2. フロア内にアクセススイッチを設置し、PCやプリンターを接続

  3. 無線LANアクセスポイントを配置し、モバイルデバイスの接続を可能に

  4. VLANを使用して部署ごとやゲスト用にネットワークを分離

  5. PoE対応スイッチを使用してIP電話やアクセスポイントに給電

この構成により、有線と無線の両方でネットワークアクセスが可能になり、セキュリティと効率性を両立させることができます。

ネットワーク機器の適切な選択と配置は、安定したネットワーク環境の構築に不可欠です。

企業規模や要件に応じて、これらの機器を組み合わせることで、効率的で安全なネットワークを実現できます。

課題:自宅や職場のネットワーク構成を図にしてみよう

以下の手順に従って、あなたの自宅や職場のネットワーク構成を図示してください。

  1. ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、アクセスポイントなど)を特定する

  2. 接続されているデバイス(PC、スマートフォン、プリンターなど)をリストアップする

  3. 機器間の接続方法(有線・無線)を確認する

  4. 簡単な図を描き、機器間の接続を線で表現する

  5. 可能であれば、IPアドレスやSSIDなどの情報も記載する

注意:セキュリティの観点から、実際のIPアドレスやパスワードは図に記載しないでください。

回答例:一般的な家庭のネットワーク構成図

[インターネット]
      |
      | (光回線)
      |
[光回線終端装置(ONU)]
      |
      | (有線LAN)
      |
[無線LANルーター]
   |         |
   |         | (Wi-Fi)
   |         |
   |    +---------+---------+
   |    |         |         |
[デスクトップPC] [ノートPC] [スマートフォン]
   |
   | (有線LAN)
   |
[ネットワークプリンター]

注記:
- ルーターのLAN側IPアドレス: 192.168.1.1
- Wi-Fi SSID: MyHomeNetwork
- デバイスにはDHCPでIPアドレスが割り当てられる

この例では、一般的な家庭のネットワーク構成を示しています。

インターネットからの回線が光回線終端装置(ONU)に接続され、そこから無線LANルーターに繋がっています。

ルーターはWi-Fiアクセスポイントとしても機能し、ノートPCやスマートフォンが無線で接続しています。

デスクトップPCとネットワークプリンターは有線LANで接続されています。

実際の環境に合わせて、接続されているデバイスや接続方法を変更し、自分の環境に即した図を作成してください。

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