はじめに
僕は大学を卒業して5年ほど、中小企業に勤めてきた。同級生には、大企業に勤めている人がたくさんいる。
ときに、景気のいい大企業の話を聞くと、その日の機嫌によっては他人へのねたみや自分への後悔が頭から離れなくなってしまう。
一方で、そもそも大企業で働くというのはどんな気分なのか、どんな仕事をしているのか知りたいという思いも芽生えてきた。それも知らずにネガティブに浸るのもよくないのでは、と。
そこから、同級生たちが、いま何を考えてどんな仕事をしているのか、企業の規模を問わず聞いてみたいと思うようになった。
どんな思いでどんな仕事をしている人たちが、世の中を支えてくれているのか。その欠片だけでも生身で理解したいと思った。
だから僕は同級生の何人かに連絡をとり、いまここで語ってきたような思いを伝え、インタビューさせてもらった。
仕事について、働くということについて。
何を考え、どんなことをしているのか。
これから何をしていきたいと思っているのか。
仕事観は人生観に通ずる部分も多いから、僕にとって勉強になるだろうと思った。
僕の興味、好奇心からはじまったインタビュー。
みんな真剣に、本音を話してくれた。本当にありがたかった。
そして僕は「みんな同じようなことで悩んでいる」と知った。
僕も、インタビューを受けてくれた人たちも、
仕事は全く違うけれど、同じように人間関係や仕事の複雑さ、社会の面倒くささに困っている。その事実に、僕は安心した。
同時に、いろんな思いを抱えながら、それぞれが自分の責任と向き合い、毎日頑張っていることも知った。
すると不思議なことに、いまの自分の境遇に対して誇りを取り戻せたような気持ちになった。
インタビューさせてもらった人に恥じないように、きちんと仕事をしなくちゃと背筋を正すことができた。
現在公開されているのは5人分のインタビュー。
大手SIerに勤めている人、中堅生命保険会社に勤めている人、メディア運営企業に勤めている人、公立中学校に勤めている人、大手百貨店に勤めている人の話を、一人一記事でまとめている。
5人全員に、僕はいまの全力でインタビューをした。5人とも真摯に、少しむずかしい質問にも答えてくれた。
僕はそれをいまの全力で文章にした。正直、仕事よりも緊張した。
添削をしてくれる先輩はおらず、OKの判断基準を出すのは自分だから。
真剣に答えてくれた5人の話を生かすも殺すも、自分の文章次第だから。
幸い、5人全員が文章を褒めてくれたし、「インタビューを受けてよかった」というようなことを言ってくれた。
だから記事について、少なくともインタビューをした人と受けた人が一定のクオリティを保証していると考えている。
30歳ちょっと前ぐらいの男女がどんな仕事観、人生観を持っているのかがリアルに書けていると、僕は信じて(願って)いる。
ぜひ気になる人の記事から読んでみてほしいと思います。
きれいごとのようだけど、でも本当に、書かれている文章を通じて「世の中の人たちに感謝だな」とか「自分ももう少し頑張ってみよう」とか、何か前向きな気持ちをもってもらえたなら、コピーライター冥利に尽きます。
※インタビューは匿名です。
※今年中にあと5人追加でインタビューさせてもらいたいと考えています。
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