花束みたいな恋をした(ネタバレ感想)
ガッツリネタバレ感想を書いていく。ネタバレなし感想のnoteはこちらです。
観る前から、この映画は見終わったあとに放心状態になるとか、おひさま(日向坂ファン)を卒業するとかの感想を見かけ、激重インパクトをもたらす作品という認識で映画館へ行った。
”始まり”と”終わり”を強く意識した映画だった。
恋のはじまりのときに、絹(有村架純)は、”始まり”は”終わり”を内包する。恋はパーティと言っていた。
恋をしている中で、終わりに向かっていく中でさまざまなことが起きる。”好き”という気持ちでカバーができているときには、その傷に気が付かないが、たまたま、そのカバーが外れてしまったときに、”運命”から途端に現実となってしまう。
”終わり”に向かっていく中で、人は変わっていくものであって、最初の感情、最初の思いは失っていってしまう。麦(菅田将暉)が絹(有村架純)に就職活動が辛いならやめればいい。と言ったが、その後、麦が就職し、絹との共通の趣味であったものからも離れ、仕事に打ち込んでいたとき、麦は絹が仕事を楽しくやることに対し反発する。
カップルとして2人でいるとき以外にも生きている。”始まり”のときは、盲目的に2人の夢の世界へ入り込んでいるが、それぞれが生活をしていく中で、徐々に現実を見せてくる。その相手の適応を受け入れ、衝突する。その衝突までもが億劫に思えてきたときに、”終わり”が顔を出し始めるのだ。
恋というパーティの終わりには、何が残るのだろうか。本作では「楽しいことだけ」を思い出として残した。私は、ハッピーエンドだと思う。しっかりと後片付けをして、2人は、新しい”始まり”へと向かっていった。
最後に、麦が言ったこの言葉が印象的だ。
「我々のこれまでの道のりは美しかった。ただ、あと一歩だった」ジュリオ・セーザル
私は、”終わり”に向かう道のりを精一杯彩れているのか…?と自問自答して、映画を終えた。
そして、なぜか、帰り道に
「どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう」
というフレーズが脳内で流れ、聴きながら帰宅した。
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