クモのアナンシ ジャマイカのむかしばなし
新刊が発売になりました。
クモのアナンシ ジャマイカのむかしばなし
フィリップ・M・シャーロック /再話
マーシャ・ブラウン /絵
小宮由 /訳
岩波書店
昔話で、知恵者の動物と言えば、ヨーロッパではキツネ、アメリカではコヨーテなどでしょうか。でも、アフリカではクモ。それも、ただのクモではなく、クモのアナンシなのです。アナンシのお話は、西アフリカを起源としていて、人々の移住と共に中南米の島々にも伝わりました。
この本の編者は、アン・キャロル・ムーアの後任としてニューヨーク公共図書館の児童室室長に就任し『ウォルト・ディズニーの功罪』などを残した、フランシス・クラーク・セイヤーズ女史! そのセイヤーズ女史が、著者であるフィリップ・M・シャーロック氏のストーリーテリングを聞き、そのおもしろさに感激したことから、この本が生まれました。
著者のシャーロック氏もすごい人。教育者、歴史学者、ソーシャルワーカー、詩人、哲学者でもあり、ジャマイカを中心とした西インド諸島の歴史・文化にまつわる書籍を数多く残した人です。それらの功績から、母国ジャマイカだけでなく、ベネズエラやイギリスなどからも表彰され、西インド諸島大学には氏の銅像が建っているほど。
そして、言わずと知れたマーシャ・ブラウン。マーシャも、シャーロック氏の語りを聞いて、アナンシのお話に魅了され、その後、ジャマイカまで行って、この本の挿絵を描きました。
セイヤーズ女史とシャーロック氏とマーシャ・ブラウンが関わっているんですもの、もう内容はお墨付きです😊
うちの次男(3年生)に寝るまえに読みんでやりました。最初は「なに? このクモのおっさん」って顔をしていましたが、1話目を読んだとたん、ケタケタ笑って「もう1話、もう1話」と、立て続けに読まされました。
アナンシのお話が15話収録されていて、巻末にセイヤーズ女史の解説(かなり貴重!)と、それを受けての、私のちょっとした体験談も載せています。ぜひ、お楽しみ下さい。
私が手がけた、その他のマーシャの作品
『せかいいちおいしいスープ』
『あおいジャッカル』
『ちいさなメリーゴーランド』
『ディックウイッティントンとねこ』(編集を担当)
『空とぶじゅうたん』(編集を担当)
天国のマーシャ、よろこんでくれてるかな。
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