美しい「PS one」
定期観測のごとく今日もゲームショップに行く。毎週、数件の梯子をする。毎回新しい出合いがある。ワクワクするようなソフトに出合う。その日もそんな時間を楽しんでいた。
そんな時だった。私は彼女にくぎ付けになった。彼女はショーウィンドウの片隅にちょこんと行儀よく置かれていた。優し気な印象を覚えた。フォルムが丸く美しい。そして片手で持てるほどの大きさだ。プレイステーションが小型化し、少し安くなると宣伝されているのは知っていた。「PS one」と言う名前で発売されるらしいと知った。知ってはいたが実際に見たのは初めてだった。美しい……、可愛い……。
この時は、黒い箱型のプレイステーション2が発売されたばかり。グレイのプレイステーションは初代と呼ばれ始めた頃のことだ。小型化されると言ってもそんなに変わらないだろうと思っていた。それが、かなりの変化を遂げていた。初代プレイステーションは濃いめのグレイに角ばってがっしりした男性的なフォルム、PS oneは優しい白みがかったグレイに角に丸みを帯び、一回り以上小さくなった女性的なフォルムだった。私はこの女性的なPS oneに一目惚れをしたのだ。
学生になってアルバイトで手にしたお金でPS oneを買った。それまで小型の携帯ゲーム機は持っていたがテレビにつなぐタイプの物は初めてだった。PS oneを買う時に一緒に買ったソフトを早速やってみる。PS one上部に設置された開閉ボタンを押すと、蓋がスッと上がりCDタイプのソフトを設置する仕組みだ。初めての開閉に手が震える。ソフトをセット。ゲームが始まり、映像がテレビに投影される。
コントローラーは初代の時と同じ大きさでとても持ちやすい。色も優しい白みを帯びた本体と同じグレイだ。とても手なじみが良くゲームも軽快に進む。
一目惚れ以上にPS oneが大好きになった。あれから2回引っ越しをしたが、もちろん一緒に連れて行った。コンパクトなのでちょっとした隙間にも置くことができて、綺麗なグレイはインテリアにもなる。常に見えるところに置いておきたい存在だ。