高橋優と、マグカップの湯気。
温かい飲み物を飲むと、思い出すライブがある。
わたしは高橋優が好きで、ファンクラブに入ったり、コロナ禍直前の2020年2月末まではライブやフェスに足を運んでいた。今はライブに行ける日を心待ちにしながら、配信や楽しいオタクライフを送っている。
そうだ、先程言っていたライブは、2019年のファンクラブ限定ライブ「胡坐」。
いとこと叔母も応募するとのことで応募してみたら、なんと当選。
発券したら、なんと前から五列目の真ん中で、こんなに近くで音を浴びられることが今まで無かったのでわくわくしつつ会場に向かった。
ドリンクの引換えを終えて入場すると、やはり近いステージ。ドキドキが止まらないのと、持病で疲れきったのとで、椅子にぺたりと座り込んでしまった。
開演。曲が始まる。アコギ1本で奏でるライブ、音を浴びる感覚。
ふと、曲間に優くんがマグカップのドリンクを飲んだ。1口飲んだあとのマグカップ、台に置かれたマグカップから、湯気がゆらゆらと立ち上っていた。
この、今という時を、同じところで過ごしている。そのことを感じて心がぎゅっ、となった。
最後の数曲は、皆で立ち上がって曲にのりながら聞いた。
感染症の蔓延、早く落ち着いて。お互いに声を出して音を浴びられるのはいつになるだろうか。
その時、わたしはまたマグカップの湯気を見て、あのときと同じことを思うのだろう。