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Nikon Sマウント→Zマウント変換アダプターへの挑戦 【作例】
こんばんは、こうだいです。
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NIKKOR-S・C 1:1.4 f=5cm
「このレンズをこのカメラで撮ったらどう映るんだろう?」
写真を撮る人なら、誰しもがその疑問を抱くと思います。
描写の良し悪しを言えばきりが無く、それこそ人それぞれでの感じ方や価値観の中で話ではありますが、そのレンズやカメラの持つポテンシャルを掛け合わせた時の可能性を追い求めてしまいます。
今回はタイトルの通りNikon SマウントのレンズをNikon Z5で撮影した作例と、SマウントをZマウントに変換するアダプターを自作したので、記録として残していきます。
冒頭部分は主に各マウントの説明なので、作例のみ気になる方はそちらをどうぞ。
Nikonのマウント
Nikon S
タイトルから来られた方ならご存じの方も多いかと思いますが、Nikonは1948年から1960年代に渡り、Nikon S シリーズというレンジファインダーカメラを生産していた時期がありました。
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Sマウント、または旧コンタックスCマウントと呼ばれることが多いですが、現在のFマウントやZマウントとは大きく構造が異なります。
まず、レンズ側にフォーカスリングが無く、絞りリングのみの構造で成立してあるため、とてもシンプルなレンズが多いです。では、フォーカスリングがいったいどこにあるのかというと、カメラのマウント部に内蔵されていて、シャッターボタンの前にある歯車を回すことでフォーカスリングが連動する機構になっています。
また、Sマウントレンズには内爪式と外爪式が存在していますが、今回は主に内爪式のレンズを使います。
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Nikon Z
Zマウントは2018年より発売されたフルサイズミラーレスカメラです。持ち運びの良さなど、多くのメーカーがミラーレス一眼を発売していますが、オールドレンズ愛好家である自分としては、まずはそのミラーレスが故のフランジバックの短さが最大の利点であると思いました。
フランジバック
ここで改めてNikonのそれぞれのフランジバックを見てみます。
Nikon S 31.95mm
Nikon F 46.50mm
Nikon Z 16mm
ご覧の通り、過去のNikonマウントでももちろんのこと、現段階で各メーカーが発売したミラーレス機の中でも圧倒的な短さを実現しています。
フランジバックの短さこそ正義。
とまでは言いませんが、オールドレンズを使用するうえでは様々なフランジバックに対応する必要があるため、フランジバックが短ければ短いほど対応できる距離が生まれるのも事実です。また、16mmというキリの良い数字も、製作する上では誤差を確認しやすい有利な距離だと感じました。
以上のことを踏まえ、簡単に言うと31.95mmから16mmを引いた15.95mmのフランジバックをアダプターで稼ぎさえすれば変換アダプターは作れます。
ただ、市場に出回っているものはまだ何度かしか見たことがありません。というのも、やはりレンズ自体にフォーカスリングが無いということと、レンズの装着部分も特殊な形状をしていて、マウント側のフォーカスリングのヘリコイド機構は多条ネジ構造になっているがために、同じものを作るにはコストがかかりすぎるからだと推測しています。
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ではどうするか。
ここからが本題ですが、今回SマウントからZマウントに変換するアダプターを自作したので、その使用感と作例を紹介したいと思います。
マウントアダプターの製作
CADデータの作成と3Dプリンターでの抽出
まず、Sマウントのフランジバック距離に延長できるようにZマウントのCADデータ作成し、3Dプリンターにて抽出します。
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そのあと、肝心のSマウント側は手持ちにあった不動ジャンク品であるNikon Sのマウントを分解し、制作したZマウントに固定することでマウントアダプターを完成させました。
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作例
以下、作例となりますが、写真には一切編集を加えず、デジタルとフィルムでの作例となります。
Nikon Z5 / NIKKOR-S・C 1:1.4 f=5cm
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Nikon S2 / NIKKOR-S・C 1:1.4 f=5cm
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最後に
今回、Nikon Z5でSマウントレンズを撮ってみましたが、オールドレンズの醍醐味ともいえる描写力もさることながら、それ以上に70年前のレンズを現代のカメラで撮影できる贅沢感を存分に味わうことができました。
同じNikonというメーカーではあるものの、作られた時代背景や技術は全く異なるもの。
「このレンズをこのカメラで撮ったらどう映るんだろう?」
そんな好奇心と探求心の混じった疑問に、一つの解答を提示できたことが嬉しく思います。
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NIKKOR-S・C 1:1.4 f=5cm