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「/」な人になれ

4月頭。高校の同級生の家に遊びに行った。

同級生や先輩後輩は結婚をして子供を生みマイホームを手に入れ幸せな家庭を築いている真っ最中の世代なのだが、我々は気の向くままに生きている。

自分が心からやりたいと思うことをやり尽くすまでまだまだ次には進めない、いつまでも夢見る少女なアラサー2人組。

周りから見たら浮世離れしてるであろうこの暮らしに本人達はかなり満足しているのだが、自分がした選択が"正解"なのかどうか不安で狼狽えることももちろんあるのだ。
それは、周りに同じような選択をしている人がいないから。

そもそも人の人生に正解も不正解もないのだけれど、”少数派”が受け入れられにくい自身の所属コミュニティの中で自分を確立し続けるのはなかなかに体力がいることなのである。幾度となく生きづらさを感じてきた。

でもワタシには鏡のようなかけがえのない同族である彼女がいる。その存在は偉大だ。会って話をすれば「ワタシの生き方はこれでいいのだ」と毎回再確認させてくれるし、話の終わりにはいつも「ワタシ達はワタシ達らしく人生楽しもうね」と言い合う。


「これからの時代は"スラッシュな人"らしいよ」

前置きが非常に長くなったが、そんな彼女が誰かから聞いたと言って話してくれたこの言葉が約1ヵ月間ずっと心に残っている。

彼女の言葉をそのまま借りると

「画家 / 講師 / 作家」

のように1人でいくつもの肩書きを持つ人達で回って行く時代になるらしい。もう既にそんな人はたくさんいるような気もするが、これからはこんな人がもっともっと増えて行くそう。

そんな彼女は絵描きで("画家"というより"絵描き"という感じの人)で、数年前にあるコンクールで優勝してから超売れっ子になりアジアを中心に活躍している。
まだまだくすぶっているワタシからしたら、好きなことが仕事になった上に「子供のいる場所に絵を描きたい」とかつて話していたことが実現し、まさに腕一本でたくさんの人を幸せにしていて本当にすごいと思うのだが、「私なんて絵しか出来ないからこの先の時代どうなることやら…」とこの時言っていた。

いやいや。

ワタシからしたら、英語もペラペラで絵も描ける(ちなみにワタシの絵心はヤバい。)し、会社を辞めて11か国も放浪して人に話せる面白ネタをたくさん持っている彼女は十分「/」な人だ。

絵の仕事をしながら英語を教える仕事が出来るし、絵を教える仕事だってできる。今後世界一周したいと思っている人達に自分の経験を通して何かを伝えることだってできる。例え絵の仕事がなくなったとしても食い口はいくらでもあると思うのだが、本人はまだそのことに気づいていないみたいなので今度会った時に伝えようと思う。

そしてこれは別の人が話していたことなのだが、これからの時代は「求められた時にすぐに手をあげられる人」が生き残って行くらしい。
「企業に就職したから安泰」の時代はもう終わりつつあって、所属しているその会社の中で求められた時に発揮できるスキル(=武器)がたくさんある人に活躍の場が与えられる時代に変わりつつあるとのこと。

”グループ活動では出し切れない自分の強みや魅力を個人活動を通して発揮して行きグループに還元する” というアイドルの手法がこれからは我々一般人の社会でも普通に起きていくそう。

結論、その人がワタシに言いたかったのは「いつどこで役に立つか分からないから興味のあることは何でも勉強しておけ。」という話。

ワタシは「石橋は超叩いてから渡る」タイプなので、何か新しいことを始める際は毎回必ずそれをやる意味だったり、やった先に何があるのだろうか?とか、かかる費用やそのかけたお金に対しての対価などなど…始める前からあれやこれやまだ起きてもいない先の事を予測して始める前にどっと疲れてしまうことが多々ある。

そうやってウダウダ考えてしまう事の場合、そもそもそこまで情熱が湧いていない事なのでその時点で辞めればいいのだが「やらない後悔」よりも「やって後悔」を選びたくなってしまい、万が一後悔したとしてもダメージが最小で済む方法を無意識に探しているようだ。

”リスクマネジメントに長けている”と言えばめちゃくちゃ聞こえはいいが、悲しいかな、ただのチキンでただのどケチなだけだ。この拗らせたがる性格に自分でも本当にうんざりしているが、やはり「やって後悔」はあと腐れなく次に進めることを何度も経験しているが故に同じ過ちを何度も繰り返してしまう。

要するにワタシはどんなことに対しても”コスパ重視型”で、あとから無駄な後悔をしたり費やした時間が惜しいと思いたくないのだ。これは何度も経験した「やって後悔」のその後から学んだことだ。だから「最短で最速」とか「最少で最大」とか「効率化」という類の言葉が大好きで、結論、マインド面でも実質面でもただのどケチ(笑)
そんなワタシに対して「考えるな感じろ」と、とある人が喝を入れてくれた時の話が上記の内容だった。

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