
iClone→CTAモーション:②iClone環境作成と基本操作とキーフレーム
(前タイトル:iCloneモーション制作の秘密: 効率化と表現力アップのテクニック)
題名はChat-GPTに考えてもらいましたがわかりにくいので変名しました。
親記事
- iCloneは既存モーションを組み合わせることに特化したソフトで、ゼロからモーションを作る機能は限られています。そのため、モーションは公式ショップで購入するか、別のソフトで作成してiCloneに読み込むのが効率的です。
- iCloneでモーションを作成する際は、トレース元動画を4方向から撮影し、同じ時間軸、サイズ、フレームレートで用意することが重要です。また、モーションのサイズ調整は、コンポジションウィンドウの「目標範囲」アイコンを使用します。
- iCloneでは、非自動延長機能を使ってカクついたモーションを作成することができます。このモーションは、キーフレームを打ち込むことで、より自然な動きを実現できます。ただし、非自動延長モーションの編集は、クリップ収集やサンプリングなど、複雑な手順を踏む必要があります。
初めに
iCloneの方針は
既存モーションを使う
既存モーション同士をマージして使う
既存モーションの一部をキーフレームで変更する
と、既存モーションの掛け合わせで群像を作るのがメインの使い方です。
つまり、上のそれ用の機能はたくさんあるけど、
0からキーフレームを打ち込んで作る
という作り方が想定されてないので便利機能はほぼないです。
モーションを公式ショップで購入するか、別のソフトでモーションを適用したものをCC4で読み込んでiCloneに適用させる
という方法の方が全てにおいて効率がいいです。お金はかかるけど。
100%同サイズのモデル(Actor)がいること前提なので作成しましょう。
トレース元動画の用意
前後左右4方向で同じ動作を示す動画
4つ全てが同じ時間軸である
4つ全てが同じサイズである
(できるだけ)正方形で用意する
フレームレートは60(またはiCloneで揃える)
長めに尺を取る
これら条件を満たす動画を用意します。
例えば、ボタンを押したら発火する動作なら、ボタンを押した瞬間のフレームから始めるようにします。
コンポジションのリサイズは
・コンポジションウィンドウ下の「目標範囲」アイコンをクリック
・枠を調整
・「コンポジション > コンポジションを目標範囲にクロップ」をクリック
中央から画面の調整ができないのでとりあえずこの方法で。
また、ループエンドで動画を切るのではなく、2周ほど余裕を持たせます。
2段階かと思ったら3段階だったみたいなことに対応できます。
tip:モデルサイズ基準と調整
大きさの基準としてMotion LinkのDummy君のサイズとします。

IKコントローラーパネルでIKコントローラーのサイズで調整は可能
小さすぎるとこのようにIKコントローラーの調整が必要だったり、
色々不具合多いからです。
iCloneではサイズを最大400%まで上げることができます。
4倍まで上げても適したサイズでない場合はBlender等で出力サイズを上げておく必要があります。
(iCloneでは実数値がないので)BlenderでDummy君の寸法を計測。

X:1.79m(1786mm)
Y:1.29m(1286mm)
Z:1.61m(1607mm)
Zの1.61mぐらいの大きさまでスケールを調整しておく必要があります。
もしCC4を所持していない場合はBlenderでサイズ調整をしてAccuRigで再度リグを入れ直す必要があります。
Bodyリグの参照
これはActorCore AccuRIG(フリー版)です。

以下は文字入り↓

部位によっておかしいところがあるので
ある程度妥協する。
動画合わせ
下準備が終わったので、iCloneで作成環境を整えます。
モデルインポート
ファイル > インポート で i.Avatarファイルを読み込みます。
モデルが適しているものかどうか確認します。
モデルを選択して、適当な人間用Animationを「適用」
あるいは
モデルを選択して、コンテンツパネルの「保存」でアセットタイプが
Actor/Charactor
になっていればOK。Propだと適していないので、
AccuRigかCC4でリグを付け直す必要があります。
問題なければカスタム>Actor>Charactor に保存します。
なお、モデルを選択した状態で F を押すと画面中央に正面向きにカメラが移動します。

モデルを選択した状態で
修正パネル > 「足で接触」(地面に)
に☑を忘れずに。
動画インポート
動画は直接インポートができないので、平面を呼び出してそれの動画テクスチャとします。(Back拡散動画)
コンテンツパネル >テンプレート > Props > Props > GI Emissive Plane_Square

を適用。
それを選択しながら、そのうえに動画ファイルをD&D。
この時、貼り付けるタイムラインは 0 になっているように。
あくまでも正方形のプレートのテクスチャなので縦横比が1:1です。
修正パネルのスケールのXとZを実際の動画の解像度に合わせます。
Xが横、Zが縦です。(Fを押して正面を向いている場合)


プロパティ詳細で確認。
子の場合、Xを814、Zを834にする。
その後、「スケールXYZのロック」を行い、Xを100に。
モデルのサイズに合わせてXの数値を増減させます。
修正パネル > マテリアル > 不透明度 や
シーンパネル > 該当オブジェクトのコンディションの👀を閉じる
などして調整をします。
正投影に切り替え
カメラをプレビューに切り替えて、修正パネルから
パースペクティブから正投影に切り替えます。
(このとき画面上の何も選択しない状態)
これはBlenderの平行投影と同じです。
なおこれらはタイムラインの 0 の時点で行ってください。

これが表示されていない場合、別の物を選択している。

これを残りの方向の動画数だけ繰り返します。
複製
シーンパネルから複製。
ただし、修正パネル > マテリアル > マテリアルリスト
から、マテリアル名「Back」を選択した後に「ユニークにする」
で変更します。

ということはなくなる。
現状、元に戻す方法はよくわかんないです。
動画を4方向に設置
前後左右の動画があるので、モデルを中心に十字に配置します。
複製してユニークにしたプレートにそれぞれの動画マテリアルを貼り付けたモノを回転させます。
修正パネル > 属性 > 変換(T) > 回転
プレビュー画面の回転はAlt+右ドラッグか、上部の公転(C)ボタンで行う。

Xが0以外の場合Xも回す
正面以外の箇所の位置をそれぞれ調整します。
それぞれA,S,D,Fでカメラが回転できます。
また、正投影(↑にて説明)にしておくのを忘れずに。
再調整
4方向の動画のXYZを微調整します。

3DBlocksなどを使います。
地面を揃える(z=0で、地面の方に動画を合わせる)
手首足首を揃える(1面に全てを合わせる)
これらのポイントにBoxや、Pipe_008などを使います。
正投影になっているのを確認してから行ってください。

調整ができたら動画同士をグループ化(アタッチ)します。
子にするモノを右クリックメニューから「アタッチ」を選択、
親にするモノを選択
親の選択はシーンパネルを選択することでもできます。

解除する場合は同じ動作からアタッチの他にデタッチが選択肢に増えるので
それを使用します。
似た機能で「リンクする」があります。
リンクはTL上で結合と解除の切り替えができます。
アタッチはそうした用途じゃない場合に。
シーンでまとめられるので見やすくなる点もあります。
どちらも解除できるので、気軽に試して。
こうすることで、親1つの移動に子が全て付いてきます。
その後、モデルをXYZ=0位置(ゼロ位置)にして、
動画をモデルの位置に合わせます。
モデルは「足で接触」になっているかを確認。

モデルと動画の位置調整は、床の高さと腰の前後左右が合っていればOKです。
キーフレーム打ち込み
CartoonAnimation と大体同じです。
タイムラインパネルが出てなければF3で出します。
今回はループモーションを作成するので、特徴的な箇所をPoseで保存して、
身体の左右の動きをミラーで適用させて作ります。
モーションは
スタートポーズからモーション開始ポーズ
開始ポーズからループ開始ポーズ
ループ
ループから別モーション開始ポーズ
の4段階が主です。
なお、開始ポーズとループ開始ポーズは異なる場合があるので、
各段階でPoseで保管した方がいいです。
再生位置調整

動画マテリアルの再生終了位置に終了フレームをセットして、
ループボタンをONにできます。
ロック

シーンパネルで、モデル以外のものをロックしておくことができます。
スタートポーズ
もし0フレーム目に何もない場合、T-poseかA-pose を
コンテンツパネル > テンプレート > 全て > 検索ボックス
で探して適用してください。
実際にモーションを使う時にはこのポーズはマージしたり削除したりするのですが、不具合回避のお守り代わりです。
キーフレームの打ち込みのコツ
今回の状態の場合、4方向の動画に合わせてキーフレームを打ちます。
・それぞれの方向からみた奥行はその方向では変化させない。
・そのプレートから手前側に飛び出している部位のみをその方向で調整する。
このルールを守ります。
見えにくい時
修正パネル > マテリアル > マテリアルリスト
から全てのマテリアルを選択し、
同パネル > マテリアル > マテリアル設定
で透明度を50%ぐらい、反射に☑を入れて50%ぐらいにすると
見やすくなります。(この透明度はマテリアルの透明度)
または同場所の強度を少なくするとマテリアル自体が薄くなります。


キーフレームの打ち方

修正パネル > Edit Motion Layer
でモーションレイヤー編集パネルを呼び出します。
これの身体の各所の○ボタンを押すと、IKのギズモが出るので
それで調整します。CartoonAnimationと同じです。
タイムラインのフレーム番号を増減させて、変化させたい箇所でギズモを動かすと、タイムラインにキーフレームが打たれます。
IKは先端から揃える場合(手先の位置を先に置く)
FKはRootの上から順に揃える場合(腰から揃える)
に使用します。
IKで手足の位置を固定して、残りの箇所を動かせる範疇で調整する方法が確実性があります。
ただし、腕や足などの部位の長さが参考動画と異なる場合は
尻 -> 胸 -> 首根本 -> 首 のラインを確保した後に手足を決定した方が
いいような気がするので、FKの方がいいかもしれません。
今回のようにポーズの位置が決まっているものを作る場合は
IKで手足首の位置を定めて固定(鍵マーククリック)、
尻、胸、首を移動、その後回転
のようにIKだけで行うと自動でその中間の関節部位が決まります。
中間の位置調整はほぼできないものとして、正中線部位か手足首を回転させたりして調整します。
また、新しいポーズを行う場合はA-Poseで歪みをリセットした方が
上手く行くことが多いです。
モーション開始ポーズ
ポーズAからポーズBに完全に切り替わったな、というポーズです。
一直線な動きの終了地点です。
「走る」だったら肘と膝が同タイミングで曲げ終わった瞬間です。
その他モーション
直線的な動きの終わりです。
例えば地面に完全に接した時とか。
左右反転

選択しているフレームにあるボーンが反転する
保存したPoseを左右反転して当てはめます。
もし当てはまらない場合は新しいPoseなのでA-poseから再構成します。
tip:非自動延長で作ったコマ落ちモーション


自動延長OFFで作っていくと自動補間機能が停止。
カクついた味のあるモーション結果ができます。
これはこれで好き。
この状態から本来の自動補間状態にするには

「選択したグリップを自動ブレンド」で同じ効果が得られます。
ただしこれはトランジションワープや、他のキーを埋め込んだり
ということができません。
追いキーフレーム打ち込み
IKで作ったので直線的なモーションです。
これに緩急を付けたり、ふり幅を広げたりします。
非自動延長で作った場合は以下で行います。=================
クリップ収集からMotionPlusでエクスポートして同じ位置に貼り付けます。

Actor名の▽のメニューから表示できます
「クリップをマージする」をすると挙動がおかしくなるので
現状この方法しかないです。(問い合わせ中)
モーションをサンプリング(全パーツをフレームごとにサンプル)
でキーフレームを書き出させます。

本来打ち込んでないフレームも書き出されるのでそれらを削除します。
人力でメモしたやつを使ってください。


非自動延長からの処理はここまで======================
あとはCTA5と同じで、キーフレームの間を編集します。
主に
・トランジションカーブで緩急をつける
・新たにキーを入力する
でほぼほぼ完成です。
実行結果

CTA5へのエクスポートはこちらを参照してください。
おわり
親記事